ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2010年11月12日更新
Q.246 石油掘削現場のトラック車両やoffshoreユニットのキャビン内で使用するサーマルプリンターは、EU RoHS指令の適用除外項目No.8に基づき、部品にカドミウムめっきの使用が認められるのでしょうか。

RoHS指令付属書の適用除外項目が、2010年9月24日の委員会決定(2010/571/EU)により改正され、除外No.8は以下のように2分されて定義されています。

8(a)Cadmium and its compounds in one shot pellet type thermal cut-off
  8(b)Cadmium and its compounds in electric contacts

すなわち、見直しによって製品へのカドミウムめっきの除外は削除されています。

ちなみに、改正前のNo.8は「特定の危険物質および調剤の販売と使用の制限を規定した76/769/EEC指令の修正指令91/338/EECで禁止されている用途を除く電気接点およびカドミウムめっきに含まれるカドミウムとその化合物」となっていました。

したがって、ご質問のサーマルプリンタに対してカドミウムめっきはRoHS指令の除外は適用されません(均質材料あたりの濃度限界は、0.01wt%)。

指令76/769/EEC(91/338/EEC)は、廃止され、2009年6月22日の委員会決定(Commission Regulation(EC)No 552/2009)により、REACH規則附属書XVII(危険な物質、混合物及び成形品の上市と使用の制限)に吸収されました。
 (2010年5月14日付け「ここが知りたいREACH規則」Q&A223をご参照ください)

当該、委員会規則(EC)No 552/2009の23項にカドミウムに関する記載があり、その5節、6節および7節にCadmium Platingの関連する記載があります。それによりますと、Cadmium Platingとはめっきではなく、金属カドミの析出による付着またはコーティングです。

5節と6節では、Cadmium Platingされた成形品や成形品の部品の上市と販売を制限していますが、7節では、以下の場合にはその制限は適用されないとの規定となっています。

  • ― 航空機、鉱業、海洋および原子力分野等でアプリケーションに高い安全基準と道路、農業用車両、ローリングストック、船舶等の装置の安全を要求される成形品および成形品の部品に対するカドミウムめっきの使用
  • ― 固定される装置に要求される信頼性を確保するために必要な場合、使用される電気的接点に対するカドミウムめっきの使用

以上をまとめますと、ご質問の貴社のサーマルプリンターの構成部品などに対するRoHS指令のカドミウムめっきの適用除外は直近の見直しで廃止されています。REACH規則附属書XVIIの上市および販売の制限に関しては、上述の5節および6節で制限対象の装置、機器のHSコードが規定されていますので、ご参照のうえ貴社サーマルプリンターの上市と販売の制限の有無を判断されることをお奨めします。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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