ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
中国2010年10月22日更新
Q.243 樹脂加工用の射出成形機は中国RoHSの対象となりますか?
もし対象であれば、RoHSで規制する6物質が部品に使われた射出成形機を国内得意先が中国に移送する場合にはどのような手続きが必要ですか?

樹脂加工用の射出成形機は、中国RoHSの対象製品を分類している「電子情報製品分類注釈」の大分類項目の「電子産業専用設備および製品」に該当し、中分類項目の「電子汎用設備」、小分類項目の「プラスチック加工機」に該当します。上述の「電子情報製品分類注釈」では、具体的に樹脂加工用射出成形機として特定されてはいませんが、リスクマネジメントの観点から、中国RoHSの対象製品であるとして対応することをお勧めします。

ご質問にあります国内得意先が、RoHSで規制する6物質が部品に使用されている射出成形機を中国国内に移送する場合ですが、移送先の法人格により対応が以下の2つに分かれます。

  1. 得意先企業と中国国内移送先が同一法人である場合
     当該射出成形機を中国国内の同一法人に製品を移送(転売)することは「資産の移転(オウンユース)」にあたり、中国RoHSの対象となる「市場出荷」行為には該当せず、中国RoHSの適用は受けません。
  2. 得意先企業と中国国内移送先が異なる法人(子会社含む)の場合
     国内得意先の現地法人の工場等、中国国内移送先が、国内得意先とは異なる独立した法人格を有する場合には、移送は「市場出荷」行為に該当し、中国RoHSの適用対象となります。

中国RoHSは、第1ステップ(製品および包装材に含有する特定有害物質の含有表示義務)と第2ステップ(重点管理目録に基づき、強制製品認証管理を行う有毒・有害物質の含有制限)の2ステップで施行されており、現在は第1ステップのみが施行されています。

ご質問のケースでは、中国RoHSの義務対象となる国内得意先には、製品および包装材に含有する特定有害物質の含有表示を行うための情報がなく、貴社に必要な情報提供が要請されることが想定されます。製品への表示義務では、どこにどれだけの特定有害物質が含有されているのかを把握することが求められます。その結果として、中国RoHSが定める特定有害物質の含有量が最大許容濃度(EU RoHS指令と同値)未満の場合はグリーンマークを表示し、最大許容濃度以上の場合は環境保全使用期限を明記したオレンジマークを表示します。また同時に、取扱説明書などで6物質の含有部位を表で明確にする必要があります。

以上のように、貴社は、得意先が製品に対して適切な表示を行うために必要な特定有害物質の含有量に関する情報を提供する必要があると考えます。

一方、中国では「中古機電製品輸入に関する規定」があり、2008年5月に改定されています。この改定において「輸入禁止機電製品目録」が制定され、規定の製造年限を超える中古機電製品の輸入禁止や「重点中古機電製品輸入目録」が制定され、対象製品には商務部発行の「輸入許可証」取得を義務付けるなど輸入手続きが厳格化されています。そのため、計画中の樹脂加工用の射出成形機の中国への移送についても、国内得意先は事前の確認等慎重な対応が必要と思われます。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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