ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2010年10月1日更新
Q.240 射出成形用金型にはヒータやリミットスイッチなどが組み込まれ、組立にははんだも使用されますが、金型はRoHS指令の対象になるのでしょうか。

RoHS指令の適用対象である電気・電子機器については同指令第3条で、「電子機器とは正しく作動するために電流または電磁界に依存する機器であって、WEEE指令の付属書1Aに定めるカテゴリーに属するもの。さらに、交流1000ボルト、直流1500ボルトを超えない定格電圧で使用するように設計され、また電流と電磁界を発生、伝導、測定するためのもの」と定義されています。付属書1Aに定められているカテゴリーは以下の通りで、RoHS指令の適用対象は、カテゴリー8および9を除く残りのカテゴリーの製品群です。また、上述のカテゴリーに属する製品の例が付属書1Bに記載されています。

  1. 大型家庭用電気製品
  2. 小型家庭用電気製品
  3. ITおよび遠隔通信機器
  4. 民生用機器
  5. 照明装置
  6. 電動工具(据付型の大型産業用工具を除く)
  7. 玩具、レジャーおよびスポーツ機器
  8. 医療用デバイス
  9. 監視および制御機器
  10. 自動販売機類

貴社の射出成形用金型は、英国BISが発行する「ROHS REGULATION Government Guidance Notes (January 2010)」に照らしても電気が主動力源でないこと、ヒーターやリミットスイッチなどの電気・電子部品が主機能ではなく補助機能のために使われていることなどから、RoHS指令第3条の要件を満たしてなく、RoHS指令対象にはなり得ないと思われます。

一方、EUの輸入業者が射出成形機と成形用金型をセットで上市する場合には、当該の金型は射出成形機の部品として扱われ、RoHS指令の対象となる可能性があります。

しかし、射出成形機は、カテゴリー6の工具において除外されている据付型の大型産業用工具に該当する場合が多いと思われます。もし射出成形機がカテゴリー6の電動工具に該当する場合、貴社はEUの輸入業者からRoHS指令遵守を証明する技術書類などの提出を要求されることが考えられますので、事前に成形用金型の材料や部品調達先に対し、RoHS対象有害物質の非含有調査を行ったり、非含有証明書を入手しておくことをお奨めします。

なお、高融点はんだに含まれる鉛、サーバ、ストレージなどに使用されるはんだ中の鉛など、はんだに含まれる鉛の除外がありますので、貴社のはんだの使用についても除外対象であるかどうかご確認ください。

以下は参考情報ですが、中国RoHS指令では規制の対象となる電子情報製品群の「カテゴリーVII電子専用製品」の詳細品目(分類注釈)において、電子産業金型およびギアが明記されており、金型そのものが規制の対象になっていますのでご注意下さい。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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