ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2010年8月6日更新
Q.232 弊社は電気・電子機器の組立メーカーです。めっき処理された部品を受入検査した際、グレーゾーン以下の6価クロムを検出しました。めっきムラを考えますと、検査個所によっては、グレーゾーンを超えている可能性も考えられます。今後の対処としてどのような方法を取ることが適切でしょうか?

ご質問のめっきは電気クロムめっきではなく、化学めっきと解釈して回答します。

1.RoHS指令での順法測定

RoHS指令(2002/95/EC)の順法測定の基本となる測定法はIEC62321であり、2008年12月11日にIS(International Standard)として発行されています。その中で、試料の均一性については以下のように定められています。

6.9.2 試料の均一性
XRF装置(蛍光X線分析装置)を使用するとき、物体の形状が許せば、複数の部位で対象物を試験することが推奨される。測定値の間に統計的な有意な差が少しでもあれば、それが均一でない可能性を示している。測定材料の均一性に関しては少しでも疑念がある場合は、破壊的分析が推奨される。
IEC62321(第1.0版 2008年12月 日本規格協会訳)

蛍光X線分析装置でクロムの測定を行う場合、金属クロムも3価クロムも6価クロムも同一のスペクトルで検出されるため、この検査だけでは6価クロムのみの濃度は判明しませんが、全クロムの濃度や濃度のばらつき(標準偏差など)は測定できます。検査個所によって統計的に有意な差があるようであれば、均質物質とは言い切れない場合もあります。作業工程が安定していない可能性、コンタミ(汚染)や作業後の変化が考えられます。この有意な差を発生させた原因を調査することをお勧めします。

試料の均一性に疑問があり、6価クロム含有が疑われる場合は、疑念の残る個所についてIEC62321附属書Bの6価クロムの確認試験方法などで測定します。この測定法では、試料から沸騰水で6価クロムを溶出させ、その抽出液の濃度より試料表面の6価クロム濃度を算出します。

同時に、順法が懸念される状況ですので、在庫品を含めて製品対策を検討し、状況により回収も視野に入れる必要があります。

2.今後の対策方法

RoHS指令の原則として、規制物質を含有しないことが求められています。例えば3価クロム化成皮膜処理液中に存在するのは3価クロムであり、正しく管理されていれば6価クロムは検出されません。作業条件管理が適当でないために6価クロムを生成しないようにしていくことが必要です。そのためには、めっき業者の社内の生産管理体制を整え、化成皮膜処理液濃度の管理、ph管理、液温管理、時間管理とその記録の徹底を求めることになります。
 また、3価クロム化成皮膜処理品であっても、保管条件によっては6価クロムを生成する可能性があります。貴社でも、保管時は高温・多湿を避けることをお勧めします。

なお、この管理体制に関連した情報として、2008年12月3日に公開されたRoHS指令改正提案文書もあります。詳細は2009年2月6日付けコラム「改正RoHS指令とCEマーキン」をご覧ください。

この改正案では、設計・調達・生産の"ものづくり"全体で適合(法)性を管理するために、CEマーキングを行うことが要求されました。このように、工程全体を正しく管理することの重要性が非常に重視されてきています。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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