ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2009年9月18日更新
Q.197 弊社では電子部品等を用いて制御機器を製造しています。納入部品メーカーが、鉛含有のはんだめっき(鉛含有率数十万ppm)を使用していますが、鉛フリーはんだとはんだ付けするので薄まるためRoHS適合部品であると言われました。確かに数百ppmに薄まりますが、本当にRoHS適合と言えるのでしょうか。各社のグリーン調達基準等で判断すると明らかに非適合ですが、RoHS指令など法的根拠のある見解を以下の2ケースについて教えてください。1.はんだ付けした部位がすべて1,000ppm以下に薄まる場合。2.はんだ付けした個所により1,000ppm以下と1,000ppm以上が混在する場合。

RoHS指令の特定化学物質の最大許容濃度は、均質材料(homogeneous materials)に含まれる特定物質の重量比で決められ、鉛は0.1wt%(1,000ppm)以下に規定されています。
 RoHS指令には均質材料の定義はありませんが、欧州委員会から発行されているFAQに明確にされています。このFAQは法的な最終責任はないとされていますが、判断材料とする位置付になっています。

均質材料(homogeneous materials)とは、機械的に別々の材料に分類できない材料で、プラスチック、ガラス、金属、合金、紙、ボード、樹脂、コーティングなどとされています。つまり、機械的に分離できない状態の物質または材料のことをいいます。ここで機械的に分離できないとは、ネジのはずし、切断、破砕、粉砕および研磨などの機械的な操作によって分離できないことをいいます。さらに、「半導体パッケージには、プラスチック成形材料、リードフレームのスズのコーティング、リードフレーム合金および金ボンディングワイヤーなどの多くの均質材料が含まれる。最大許容濃度はそれぞれに適用される」と具体例が記述されています。

ご質問のはんだめっきされたリード端子は、リード端子の線材およびめっき層がそれぞれ均質材料となります。はんだめっき部と鉛フリーとが、はんだ付けにより生成したはんだ接合部も均質材料と考えられます。はんだ付けにより、元来固体であるはんだは、加熱により液体状態で相溶し、接合部が形成されますので、Pb含有率は、接合部のはんだ質量とはんだの中のPbの含有量から計算されます。

以上の考えに基づき、ご質問のはんだ接合部のPb含有率については、以下のように考えられます。

  1. 均質材料と考えられるはんだ付け接合部が均一状態にとなり、1,000ppm以下であれば、RoHS指令に適合しています。
  2. ご質問の、接合部に1,000ppm以下に薄まる個所と、1,000ppm以上の個所が混在する場合とは、均質材料とみなされるはんだ接合部に、Pbが均一に分散していない状態と推察します。
    この場合、はんだ接合部が均質材料としての分析をされ、Pbの含有率が1,000ppm以上の分析結果であれば、RoHS不適合と判断されると考えます。

また、鉛フリーはんだとはんだ付けされずに、はんだめっき部がそのまま残るようなことですと、高濃度のPbを含有した均質材料が残り、この場合も、RoHS不適合と判断されると考えられます。

以上、はんだ部位についてですが、電子部品には他の部材がありますので、それぞれの部材の均質材料につき吟味する必要があります。

なお、RoHS指令の附属書に除外となる特定物質の用途があります。これに該当する用途の場合にはRoHS指令の適用が除外されますので、本サイトの「RoHS指令の概要」を参照ください。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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