ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2009年4月27日更新
Q.175 RoHS指令で電子セラミック中の鉛は除外項目になっていますが、フェライト中の鉛は除外されるということでしょうか?

RoHS指令には、電気電子機器の機能・性能を発揮するために、現時点において代替技術ソリューションがない物質・用途部位に対して除外項目が定められています。RoHS指令の附属書に、「電子セラミック部品に含まれる鉛(例、ピエゾセラミック等の特殊用途品)」が適用除外となっています。
 フェライトは、酸化鉄を主成分とするセラミックの総称で酸化物磁性体です。磁性材料は強磁性体としての性質を利用して、エレクトロニクス、通信機器用への応用などさまざまな機能を実現するために用いられる材料です。
 フェライトセラミックには、軟磁性・マイクロ波特性を示すソフトフェライト、硬磁性特性のハードフェライト、磁気光学特性を利用するガーネットフェライトなどがあります。酸化鉄とMn,Co,Ni,Cu,Zn,Ba,Sr,Pbなどとの焼結体で、結晶構造によってソフトフェライトやハードフェライトなどに分類される特性を示し、電気・電子機器の用途部位に多く用いられています。このように現時点では、鉛を含むフェライト(鉛フェライト)に代わる代替技術がないことにより、特殊用途品のために鉛を含有するフェライト(磁性材料)は適用除外の扱いになっているものと思われます。

BERR(英国ビジネス企業規制改革省)のガイダンスノート(2008年2月)には、「セラミック材料は、キャパシター、絶縁体、圧電体、磁石やICパッケージに使われている。(中略)それゆえ電気・電子機器に用いられる電子部品のセラミックに用いられる鉛は、RoHS指令から除外されている」と解説しています。
 したがってRoHS指令の条文上は、鉛を含む電子セラミック部品は、すべて除外されていると解釈できます。しかし、その特性を出すのに鉛が必須であれば除外が認められますが、その特性を持つ代替材料があれば除外されないと考えることが妥当と判断します。

電気・電子機器業界の運用面を見ると、日本の大手セットメーカーのグリーン調達基準書には、電子セラミック部品は「鉛および鉛化合物」の適用除外に該当し、次のように規定されています。

  • 電子セラミック部品【圧電材料、誘電材料、磁性材料(フェライト)】

メーカーの調達基準書では、鉛を含有する磁性材料(フェライト)は 適用除外になっています。

なお、現行のRoHS指令では、特定有害物質の用途の除外を、科学・技術の進歩に合わせて施行後4年ごとに見直すことになっています。しかし、2008年12月3日に公開された改正提案RoHS指令では、除外条件は最長4年で、更新については除外期間の期限の18カ月前までに更新の継続を決定することになっています。現行のRoHS指令にある施行後4年以内の見直し手順は削除されました。改正提案RoHS指令は決定までに多くの修正が繰り返されますので、動向を把握するが重要になります。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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