ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2009年1月23日更新
Q.169 RoHS規制の追加項目としての9物質に加えて、ベリリウムの表示義務が検討されているという情報があります。ベリリウムに関して、具体的にどのような規制が追加されようとしているのか教えてください。

ご質問を、RoHS、REACH、そのほかの法律でベリリウムの規制を説明します。

まず、RoHS指令関連では、2008年12月に改正提案文書が公表されましたが、有害物質の追加の提案はありませんでした。また、特定有害物質として評価の対象とする4種の物質が提案されていますが、これにも含まれていません。ただし、改正提案では、有害特定物質の追加決定を、法律改正ではなく、コミトロジー手続きで特定できるようにする、規定になっています。特定有害物質の追加改訂が容易になるため、今後特定有害物質の特定には注意が必要です。RoHS指令改正提案につきましては、2008年12月19日付けコラムをご参照ください。

次に、REACH関連では、ベリリウムは現在制限物質として附属書XVII(ある種の危険な物質、調剤および成形品の製造、上市および使用の制限)の中の発がん性物質として以下の3種類がリストされています。

  • Beryllium
  • Beryllium compounds with the exception of aluminium beryllium silicates
  • Beryllium oxide

附属書XVII指令76/769/EEC(危険な物質および調剤の上市と使用の制限)の内容を引き継ぐもので、2009年6月1日にREACH規則へ移行し附属書XVIIの目録が公表されます。

制限の内容は、上記3種類は一般大衆へ販売される物質、調剤に規定濃度以上の使用禁止です。また、「専門家の使用に制限」と明瞭にパッケージにマークしないといけないことになっています。

なお、RoHS指令の追加含有制限の検討の2008/10/17のOeko InstituteのFinalReport(PDFファイル)の3.11では、46物質から9物質に絞られる中で対象外になりましたが、Beryllium metal、Beryllium oxide (BeO)が取り上げられています。ベリリウムを制限するために、正当化する有用なデータはないが、電子電気機器中のある濃度以上のベリリウムの存在はラベルされるべき、と書かれています。そしてREACH AnneXIVに収録される予想をしています。

ほかに国内では、化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)で、特定第1種指定化学物質として、化学物質の排出量、移動量の届出を義務付けるPRTR制度と、化学物質等安全データシートの提供を義務付けるMSDS制度の適用を受けています。さらに、労働安全衛生法、労働基準法、船舶安全法、航空法でも規制を受けています。

以上、規制の強化というのはありませんでしたが、従来の法令を守りつつ、今後も動向を見守っていくことが重要と思います。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

関連リンク