Q&A:その他
Q.168
弊社は産業用のボードコンピュータのメーカーです。電池やバッテリー内蔵型ICを搭載した基板を国内のセットメーカーに販売しています。セットメーカーは自社製品に弊社製品を組み込み、EUへ出荷することがあります。この場合、セットメーカーの要求に関係なく、弊社も製品または梱包箱にクロスドアウト・ダストピンマークを貼る必要があるでしょうか?
A.168
改正電池指令(2006/66/EEC)は、2008年3月20日に一部修正され (2008/12/EC) 2008年9月26日に施行されました。本指令のポイントは、第1が規制値を超える水銀およびカドミウムを含有する電池、蓄電池およびそれらの電池を内蔵した機器の販売が禁止されたこと、第2がすべての電池、蓄電池、電池パックに分別回収のためのシンボルマークの表示が義務付けられたことです。質問にお答えする前にそれらの内容を簡単に整理しておきます。
1.販売禁止の対象と適用外のもの
- (1)装置に組み込まれている場合も含めて、水銀含有率が0.0005wt%を超えるすべての電池および蓄電池。ただし,水銀含有率が2wt%未満のボタン電池は除く。
- (2)装置に組み込まれている場合も含めて、カドミウム含有率が0.002wt%を超える携帯型電池および蓄電池。
ただし、以下の用途の携帯型の電池および蓄電池は除く。
- 非常灯を含む緊急時対応および警報システム
- 医療用具
- コードレス電動工具(2010年9月26日までに見直し)
2.表示の具体的方法
- (1)シンボルマークは、英語でクロスドアウト・ウイールドビン(crossed-out wheeled bin)やクロスドアウト・ダストビン(crossed-out dustbin)でゴミ箱に入れてはいけないという意味です。
- (2)シンボルマークは電池への表示が原則とされ、電池本体への表示ができない場合のみ、消費者向けの包装容器に表示できます。
- (3)次の規制値を超える水銀、カドミウムあるいは鉛を含む電池、蓄電池、電池パック、ボタンセルについてはシンボルマークの下に当該元素記号を記載します。
- 水銀を0.0005wt%、カドミウムを0.002wt%、鉛を0.004wt%含有する場合
ご質問の貴社のケースですが、電池を内蔵した貴社製の基板を、セットメーカーで組み込み後、EUへ輸出する可能性があるとのことですので、セットメーカーの要求がなくとも規定のシンボルマークを電池に付ける必要があります。また。電池の種類を確認し、水銀、カドミウム、鉛の含有率が上記2(3)の規制値を超えていれば容器に表示したシンボルマークの下に元素記号も表示する必要があります。
ただし、水銀およびカドミウムの含有率が上記1の規制値を超えていればEUへの上市はできませんので、セットメーカーのボードコンピュータの輸出ができません。EUへの輸出ということでは、抜本的な対策が必要になります。
なお、装置に組み込まれた電池が最終消費者により取り外しできない設計になっている場合以外は、最終消費者には、組み込まれている電池の種類を知らせ、安全に取り外すための説明書を付ける必要がありますので、顧客にはこれらの情報を提供されること必要と考えます(改正電池指令第11条参照)。
2008年12月12日更新
当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

