ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

2019.03.22

RoHS(II)指令附属書IVの除外(Pack17)プロジェクトの開始

RoHS(II)指令(2011/65/EU)においては、修理、再使用、機能更新または能力向上のためのケーブルおよびスペアパーツを含めて上市される電気・電子機器に対し附属書IIに収載されている物質を含有しないことを要求しています。附属書IIのリスト収載物質は、以下の10物質1)です。
 1.鉛、2.水銀、3.カドミウム、4.六価クロム、5.ポリ臭素化ビフェニル、6.ポリ臭素化ジフェニルエーテル(以上6物質はRoHS(I)制定時から引続き規制対象)、7.DEHP、8.BBP、9.DBPおよび10.DIBP
 7項から10項までのフタル酸エステル類4物質はRoHS(II)指令の下で附属書IIに新規に追加された含有制限物質2)で、カテゴリー1から7およびカテゴリー10と11については2019年7月22日上市分から、カテゴリー8と9については2021年7月22日上市分から適用されることとなっています。

RoHS(II)指令の附属書III(すべての電気・電子機器が対象)と附属書IV 医療機器および監視制御機器が対象)のリストに収載されている製品(application)には上記の附属書IIの制限物質の非含有規制は適用されません(RoHS(II)指令第4条(6))。

今回のコラムで取り上げるテーマは、RoHS(II)指令(2011/65/EU)附属書IVに関する3つの除外要求の評価に関する新しいプロジェクト(Pack17)3)の開始です。
 当該プロジェクトでは、フタル酸エステル類の含有に関する既存の除外31aの修正要求と新たな2つの除外要求を対象として評価されます。
 当該プロジェクトは、欧州委員会の環境総局からOeko-Institutにより主導されているコンソーシアムに対しRoHS(II)のレジーム下で除外要求に対する科学と技術サポートを提供することが要求されています。

Pack17プロジェクト対象の物質名称などを下表に示します。

No 適用条文(英文) 適用条文(和文) 申請者
附属書
IV
31a
Bis(ethylhexyl)phthalate,
Dibuthyl phthalate , Di - isobutyl phthalate and Benzyl buthyl phthalate in spare parts recovered from and used for the repair or refurbishment of medical devices including in vitro diagnostic medical devices and their accessories , provided that the reuse takes place in auditable closed - loop business- to - business return systems and that each reuse of parts is notified to the consumer
再利用が監視可能なクローズドループの企業間回収システムにおいて再利用され、再利用したことを消費者に通知される体外診断用医療機器および附属品を含む医療機器から回収され、修理または改修に使われるスペアパーツ中のDEHP、DBP、DIBPおよびBBP COCIR
2019-1 Bis-(ethylhexyl)phthalate(DEHP)in ion selective electrodes for point of care analysis of ionic substances in human body fluids ヒトの体液中のイオン性物質のポイントオブケア診断のためのイオン選択電極中のDEHP COCIR
2019-2 Bis-(ethylhexyl)phthalate(DEHP)in plastic strain relief devices used to prevent damage to cable connections to MRI imaging coils MRIイメージングコイルへのケーブル接続の損傷防止に使用されるプラスチックのひずみ緩和装置中のDEHP GE Healthcare
Pack17プロジェクトのタイムスケジュール

PACK17プロジェクトは、依頼されているOeko-InstitutおよびFraunhofer IZMにより2018年12月12日に開始され、8カ月後の2019年8月11日まで運用されます。

EU委員会に対する中間報告は、2019年5月の提出予定で最終報告書はプロジェクト終了時に提出されます。スークホルダーコンサルテーションは2019年第1四半期に行うことが計画されています。

EU委員会においては、最終報告書受領後上記3件の見直しおよび申請に対する決定については、第20条(委任行為)でEU委員会に与えられた委任行為を行使することにより、コミトロジー手続きにより委員会委任指令(COMMSSION DELEGATED DIRECTIVE)としてWTOへ通知した後にEUで公布されることとなります。

(瀧山 森雄)

1)https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=CELEX:32015L0863
2)http://j-net21.smrj.go.jp/well/rohs/column/150619.html
3)http://rohs.exemptions.oeko.info/fileadmin/user_upload/RoHS_Pack_17/RoHS_Ex_Project_Description_Pack17.pdf
http://rohs.exemptions.oeko.info/fileadmin/user_upload/RoHS_Pack_17/Technical_Request_RoHS_Pack_17.pdf

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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