ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

2019.01.11

韓国版RoHS改正の動き

新年あけましておめでとうございます。
 本コラムもスタートから12年が経過しました。この間、世界各国の化学物質法規制の動向などについて情報提供に努めてまいりました。直近でも各国で化学物質規制の改正や執行の強化等が進められています。
 改めまして、今後もFAQおよびコラムを通じて、読者の皆様にお役に立てる情報の提供に執筆者一同努力してまいりますので、本年もよろしくお願いします。

さて、韓国では、2019年1月1日から改正K-REACHがスタートしましたが、韓国版RoHS(電気・電子製品および自動車の資源循環に関する法律)についても、施行令改正案が2018年10月に立法予告1)されました。
 同法律については、本サイトのRoHS指令の基礎 韓国版RoHSにおいて概要を紹介しているとおり、EUのRoHS指令、WEEE指令、ELV指令に相当する内容が規定されており、RoHSに相当する電気・電子製品に対する含有化学物質に関する義務は2008年7月1日から施行されています。これまで同法および下位規則は何度も改正されていますが、回収・リサイクルに関連する内容が主でした。
 しかしながら、今回公表された施行令の改正案では、RoHSの対象製品や規制対象物質の拡大や適用除外用途の見直しなどが含まれています。そこで、今回は、施行令案のうち、RoHSに関連する事項について紹介します。

1.対象製品に関する内容

韓国版RoHSで含有化学物質規制が課される電気・電子製品は、施行令2)第8条および施行令別表1に収載された製品種が対象となります。
 2008年の施行当初は第8条で10製品種が指定されていました。その後、2013年12月の改正によって、個々の製品種の指定は別表1で定められることとなり、その際に16製品種が追加されました。その結果、現時点では次表のNo.1~26までの26製品種が対象となっています。
 今回の改正案は、次表のNo.27~49の製品種を追加する内容となっています。なお、今回の改正によって、新たに含有化学物質規制の対象となる製品については、2020年1月1日から適用される予定となっています。

現状の施行令別表1に収載された製品 施行令別表1へ追加提案された製品種
1 テレビ 27 自動販売機
2 冷蔵庫 28 除湿器
3 洗濯機(家庭用に限る) 29 トースター
4 エアコン 30 電気ケトル
5 パソコン(モニター・キーボード含む) 31 電気温水器
6 プリンター 32 電気フライパン
7 コピー機 33 ヘアドライヤー
8 ファックス 34 ランニングマシン
9 電気浄水器 35 監視カメラ
10 電気オーブン 36 食品乾燥機
11 電子レンジ 37 電気マッサージ器
12 生ごみ処理機 38 フットバス
13 食器洗浄・乾燥機 39 ミシン
14 温水便座 40 ゲーム機
15 空気清浄機 41 ルータ
16 電気ヒーター 42 スキャナ
17 オーディオ機器(携帯用は除く) 43 製パン器
18 電気炊飯器 44 ナビゲーション
19 軟水器 45 フライヤー
20 加湿器 46 プロジェクタ
21 電気アイロン 47 コーヒーメーカー
22 扇風機(換気扇は除く) 48 湯沸かし器
23 ミキサー・ジューサー 49 脱水機
24 掃除機    
25 ビデオ・DVDプレーヤー    
26 携帯電話端末(電池・充電器含む)    

また、今回の改正では、第8条に含有化学物質規制の対象外とする電気・電子製品として、軍事用機器、大型据付型産業機器、大型固定設備、医療機器などが新たに明示されています。

2.規制対象物質に関する内容

電気・電子製品で含有が規制される物質は、施行令別表1-2で定められており、現状はEU RoHS指令などと同様に6物質が指定されています。
 今回の改正案では、さらに4種のフタル酸エステル類(DEHP、BBP、DBP、DIBP)を追加する内容となっています。
 ご承知のとおり、EU RoHS指令は2019年7月22日から4種のフタル酸エステル類の含有制限が開始される予定ですが、韓国でもEUの動向に合わせて改正案が示されたものと想定されます。
 なお、改正案では、4種のフタル酸エステル類の追加に関しては、2019年7月22日から適用される予定となっています。

3.適用除外用途に関する内容

韓国版RoHSにおいてもEU RoHS指令と同様に適用除外用途が認められており、施行令別表2で定められています。
 今回の改正案では、これまでのEU RoHS指令附属書IIIの改正内容などを反映するために、別表2について追加・削除などが実施された結果、鉛20種、水銀4種、六価クロム1種、カドミウム3種の適用除外用途が示されています。

4.その他事項

各種義務の違反時における過怠料については施行令別表8で定められており、電気・電子製品に対する含有化学物質規制に違反した場合は、違反回数に関わらず一律3,000万ウォンの過怠料が設けられていました。
 今回の改正案では、初回違反は2,000万ウォン、2回目の違反は2,500万ウォン、3回目の違反は3,000万ウォンといった形で、違反回数に応じて過怠料が増額するとともに、初回違反かつ自主申告の場合には最大1/2まで過怠料を減額する仕組みが提案されています。

EU RoHS指令で4種のフタル酸エステル類の追加が決定されて以降、新規にRoHS関連法を制定したUAEでは4種のフタル酸エステル類も含有規制対象物質に指定されるケースはありましたが、従来からRoHS関連法を施行していたEU以外の国々への波及という点では、韓国が最初の動きと言えます。
 しかしながら、今回の改正案が制定されたとしても、内容はEU RoHS指令の踏襲であり、従来からEU RoHS指令に対応済みの企業であれば、追加的な対応が求められるものではないものと考えます。

1)韓国版RoHS施行令の立法予告
2)韓国版RoHS施行令(現状)

(井上 晋一)

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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