ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

2017.12.08

RoHS指令の一部改正

11月21日にRoHS(II)指令((EU)2011/65/EU)の一部を改正する指令((EU)2017/2102)1)が官報公示されました。これは2017年3月23日に改正案をWTO/TBT通告2)し、最終コメントが2017年6月21日とされていたものです。

以下、公示された改正指令についてご紹介します。

指令名称「Directive (EU)2017/2102 OF THE EUROPEAN PARAMENT AND OF COUNCIL of 15 November 2017 amending Directive 2011/65/EU on the restriction of use of certain hazardous substances in electrical and electronic equipment」
(電気電子機器に特定有害物質の使用の制限に関する指令2011/65/EUを修正する欧州議会および理事会の2017年11月15日の指令(EU)2017/2102)

改正指令前文から
 (2)電気電子装置(EEE)に対する修理、スペアパーツの置換え、改装(refurbishment)および再使用および装置改造を含む第二次市場オペレーションは共同体の循環社会を増進するために促進さるべきである。環境の健全な回復や廃電気電子装置の処分を通じてハイレベルな人および環境の保護が確実にされるべきである。市場オペレーターに対するあらゆる不必要な行政的負担は避けられるべきである。指令2011/65/EUは、旧指令2002/95/ECの範囲外であったが、現指令2011/65/EUに従っていないEEEを2019年7月22日まで継続して上市することを認めている。当該日以降最初の上市および非適合EEEの第二次市場オペレーションは禁止されている。第二次市場オペレーションの禁止は製品に関連する法の近似化に対する共同体の措置における一般原則と矛盾しているので取り除かれるべきである。

(4)オルガン中のパイプは特定の鉛ベースの合金を使用して製作されており、これまで代替品は見つかっていない。大部分のパイプオルガンは数世紀にわたり同一場所に設置されており売上比率は無視できる。従いパイプオルガンは鉛の代替の見地からの便益を無視できるので、指令2011/65/EUに適合範囲から除外されるべきである。

(5)指令2011/65/EUは職業用途に利用される動力源内蔵の道路用移動機械には適用が除外されている。しかし、非道路用移動機械には動力源内蔵と外付けの2つのバージョン生産されている。RoHS指令においてはこの2つのバージョンは同様に取扱われるべきである。それ故に、外部動力源により供給される牽引式ドライブ付きの非道路用移動機械は指令2011/65/EUの適用範囲から除外されるべきである。

(6)指令2011/65/EU附属書Iに規定されているすべてのカテゴリーのEEEに対し、当該EEEから回収された再使用スペアパーツの除外条件を明確に特定すべきである。同様に、特定有害物質の使用制限からの除外は制限期限があるので既存の除外に対する最大有効期限もまたカテゴリー11に対する有効期限も含めて該当するすべてのカテゴリーに対して明確に特定されるべきである。

(7)除外の見直し申請が提出される時、もし特定の事情が異なる期限を特定しなければ、委員会は既存の除外の終了期限6カ月以前に特定することを要求されている。委員会に対し新しい除外に対する申請に関する決定実施のための期限は特定されていない。EU議会および理事会に対する指令2011/65/EUにしたがい委員会に授与されている委任法を採用するための権限行使に関する委員会からの2016年4月18日の報告によれば、除外見直し申請の評価に対する必須手続き段階にしたがう必要のため当該期限は困難であることが証明されている。一方、期限は見直しに対する申請評価の既存手続きに対し追加的価値をもたらさない、それは実行不可能故にビジネスとステークホルダーに対して必然的に不確実性を伴う。他方、市場オペレーターは見直し申請に関し決定がなされるまで既存の除外は有効性を担保されるので事業継続は確保される。それ故、期限に関する規定は除外さるべきである。しかし、申請受領後、直ちに委員会は申請者、加盟国およびEU議会に申請に関する決定の採択のためのスケジュール表を供給するべきである。更に、2021年7月22日までに委員会により実行される指令2011/65/EUの全般的な見直しは該当する除外期限以前に除外の見直しに対する申請に関する委員会による決定に対する現実的な期限の明細を含むべきである。

(8)加盟国により採択されている法律/行政措置間の不均衡は共同体内すべての貿易と歪んだ競合の障壁を創出し内部市場に直接の衝撃をもたらしているので、EEE中に有害制限物質の使用を制限することにより、人の健康保護および環境的に健全な回復および廃EEEの処分に寄与するという本指令の目的を加盟国により十分に達成することはできないが、しかし、問題のスケールおよび廃棄物のリカバリおよび処分に関する他の共同体法令や共通の利害に関する影響はむしろ共同体レベルでよりよく達成することができる。共同体はEU共同体条約第5条に規定されている補完原則にしたがって措置を採用するかもしれない。条約に規定されている平衡の原則にしたがい、本指令はそれらの目的を達成するために必要なものではない。

改正されたDirective(EU)2017/2102の本文は以下のとおりです。参考までに各条項について、現指令(2011/65/EU)での規定を併記しています。

第1条
 指令2011/65/ECは以下のとおりに修正される。

(1)第2条は以下に修正される。

  • (a)文節2は削除
    (削除される現指令の文節2は以下のとおりです。)
    第4条(3)および第4条(4)を侵害することなく、加盟国は指令2002/95/ECの適用範囲外であったが本指令に従っていないEEEを2019年7月22日までは市場で継続して利用できるよう規定すべきである。
  • (b)文節4(本指令適用除外製品)に以下の項目を追加
    (k)パイプオルガン

(2)第3条の(28)項は以下に置換えられる。

  • (28)「専ら職業用途に利用される非道路用移動機械装置」とは、内蔵動力源もしくは外部動力源を有する機械装置で、その操作は作動中は固定作業場所で連続して自動もしくは継続/半継続運動を要求される専ら職業用として利用される機械装置を意味する。
    (置換前の現行指令の内容は以下です。)
    「専ら職業用途に利用される非道路用移動機械装置」とは、内蔵動力源を有する機械装置で、その操作は作動中は固定作業場所で連続もしくは継続/半継続動作を要求される専ら職業用として利用される機械装置を意味する。

(3)第4条は以下のとおりに修正

  • (a)文節3は以下で置換えられる。
    3. 文節1は、2014年7月22日から上市される医療装置および監視制御機器、2016年7月22日から上市される体外診断医療装置、2017年7月22日から上市される産業用監視制御機器および指令2002/95/ECの適用範囲外であった2019年7月22日から上市されるすべての他のEEEに適用される。
    (置換前の現行指令の内容は以下です。)
  •   3. 文節1は、医療装置および監視制御機器には2014年7月22日以降、体外診断医療装置には2016年7月22日以降、産業用監視制御機器には2017年7月22日以降に上市されるものから適用される。
  • (b)文節4は以下が挿入される。
    (ea)指令2002/95/ECの適用範囲外であった、2019年7月22日以前に上市されるすべての他のEEE
  • (c)文節5は以下により置き換えられる。
  •  5. 再使用が事業者間(business to business)変換システムの監視可能な閉ループで行われ、スペアパーツの再使用が消費者に通知されているならば文節1は再使用部品に適用されない。
  •  a)2006年7月1日以前に上市されたEEEから回収され、2016年7月1日以前に上市されたEEEに使用される
  •  b)2014年7月22日以前に上市された医療装置または監視制御機器から回収され、2024年7月22日以前に上市されたEEEに使用されている
  •  c)2016年7月22日以前に上市された体外診断装置から回収され、2026年7月22日以前に上市されるEEEに使用される
  •  d)2017年7月22日以前に上市された産業用監視制御機器から回収され、2027年7月22日以前に上市されるEEEに使用される
  •  e)指令2002/95/ECの適用範囲外で2019年7月22日以前に上市されたすべての他のEEEから回収され、2029年7月22日以前に上市されるEEEに使用される
  •  (置換前の現行指令の文節5は以下です。)
  •  5. 文節1は、もし、その再使用が監視可能な事業者間(business to business)返却システムで行われ、その部品の再使用が消費者に通知されている場合には2006年7月1日以前に上市されたEEEから回収され、2016年7月1日以前に上市された装置に使用されている再使用部品には適用されない。

(4)第5条は以下に修正される。

  • (a)文節2の第2サブ文節は以下で置換えられる。
  •  2011年7月21日の時点で附属書IIIにリストされている除外は、それより短い期間が特定されないならば最長の有効期間は見直しされ
  •  a)附属書Ⅰのカテゴリー1~7とカテゴリー10は、2011年7月21日から5年間
  •  b)附属書Ⅰのカテゴリー8と9に対しては、第4条(3)に規定されている該当日から7年間
  •  c)附属書Ⅰのカテゴリー11に対しては、2019年7月22日から5年間
  •  (置換前の現行指令の内容は以下です。)
  •  2011年7月21日の時点で附属書IIIにリストされている除外は、最長有効期間が見直され、それより短い期間が特定されないならば下記のとおりとする。
  • ―附属書Iのカテゴリー1~7および10は、2011年7月21日から5年間
  • ―附属書Iのカテゴリー8と9は第4条(3)に規定の該当日から7年間

  • (b)文節4に以下が挿入される。
    (ba)申請受領後、1ケ月以内に申請者に対し、加盟国と議会は申請に対する決定採用に対するスケジュール表を提供する。
  • (c)文節5はサブ文節の第1文が削除される。
    (削除された文節5サブ文節第1文)
    欧州委員会は、もし特定の状況がその他の期限を正当化しないならば、既存の除外期限日の6ケ月前までに除外見直しの決定をしなければならない。

第2条および第3条(概要)

  1. 加盟国は2019年6月12日までに国内法を制定が求められている。
  2. 加盟国は制定した国内法を欧州委員会に通知が義務付けられている。
  3. 本指令 (Directive (EU) 2017/2102) はEU官報の刊行後20日目に発効する。

(瀧山 森雄)

1)http://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/PDF/?uri=CELEX:32017L2102&qid=1511260545521&from=EN

2)http://ec.europa.eu/growth/tools-databases/tbt/en/search/?tbtaction
=search.detail&Country_ID=EU&num=460&dspLang=en&basdatedeb=&basdatefin=&baspays=&basnotifnum
=&basnotifnum2=&bastypepays=ANY&baskeywords=2011%2F65%2FEU

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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