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ここが知りたいRoHS 指令

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17.02.17

カテゴリ9(監視・制御機器)に関連する話題

2017年7月22日から産業用監視・制御機器がRoHS(II)指令の適用となります。産業用監視・制御機器は大型装置が多く、除外規定が適用される大型固定設備は解釈が製造者に委ねられていますので、いざとなると決断が鈍るようで、ご相談も増えています。
 基本的事項について改めて疑問点を整理したいと思います。

1.スコープについて

カテゴリ9のスコープは、他のスコープと異なり曖昧な部分があります。WEEE指令でカテゴリ9の製品例示として「煙検知器」「サーモスタット」が記載されていますので、混乱を広げています。
 「RoHS(I)指令(2002/95/EC)のレビュー カテゴリ8/9-最終報告書(ERA報告書 2006-0383)1)」では、多くのページを割いて、建物や大型固定工具に組み込まれた場合とポータブル機器に構成されて場合では解釈が異なることなどのスコープの説明をしています。
 RoHS(II)指令のFAQ(12 December 20122))のQ6.2に「自社製品の電気電子機器のカテゴリはどのように判断すべきか」があります。
 回答では「カテゴリの製品の割り当ては、適用免除の期間と適用免除(附属書IIIと附属書IV)に関係する」としています。そして、2019年7月22日以降は、適用除外でない電気電子機器以外は全て適用されるので、適用免除の期間は新たな製品(カテゴリ8、9、11)であるかどうかの初期評価より重要ではないとしています。
 さらに、カテゴリの製品の割り当ては、製造者または輸入者であり、加盟国のガイダンスの入手を勧めています。

2.大型固定設備の解釈について

RoHS(II)指令第3条(用語の定義)(4)で、「「大型固定設備(large-scale fixed installation)」とは、専門家によって組立と据付、予め定められた専用の場所で恒久的使用され、専門家により取り外しすることが意図された複数の装置及び該当する場合は他のデバイスとの大規模な組み合わせ」としています。
 FAQ 3.1項で、大型の定義をしています。このなかで、次の例示などがあります。

  • 寸法:ISO20フィートコンテナ(L5.9m、W2.4m、H2.4m)に入らない
  • 重量:44トン輸送トラックで移動できない
  • 設置:据付または取り外しに重量クレーンが必要
  • 電力:定格電力が375kW以上

寸法や重量が基準となりますが、その他として「特別な電気接続」「清浄なドライエアまたは水の供給」「高圧ガス、真空ライン、有毒または排熱接続、化学物質供給ライン及び排水」などのユーティリティや複雑性なども目安となるとしています。
 FAQ 3.1項の中で、「対象としている工具(tool)または装置(installation)が適用除外に該当するかどうかの評価は、製造者、輸入者等の責任である。」とし、「機器(equipment)、構成部品(components)及びサブアッセンブリ(sub-assemblies)の組み合わせが、一緒に運ばれてまたは組み合わされて一つの機器(single piece of equipment)または製造工程ラインとして上市される場合はEMC指令3)、低電圧指令4)及び機械指令5)などの他の適用を考慮しなくてはならない」としています。
 EMC指令との関係では、EMC指令2004/108/EC(現在は2014/30/EUに改正)のガイドライン6)の1.3.1項で固定設備の解説があります。
 固定設備は、生産ラインなどのように、大型機械が固定設備の定義を満たす場合は、大型機械にも適用されるとし、大型機械は、この用語の一般的な意味からは、通常は装置(apparatus)であり、そのように取り扱わなければならないとしています。
 大型の定義はありませんが、固定設備は、工業用プラント、発電所や給電網など、RoHS(II)指令のFAQに類似した例示を示しています。
 EMC指令の用語では、「機器(equipment)は、あらゆる装置(apparatus)または固定設備(fixed installation)の組み合わせ」としています。
 装置の定義は、「エンドユーザー向けに意図され、市場で単一の機能ユニットとして入手でき、電磁妨害波による受けやすい完成品、またはそれらの組み合わせ」としています。
 自社製品をカテゴリ9の大型固定設備として、RoHS(II)指令の適用範囲の可否の評価では、EMC指令などとの整合性を意識することが必要です。
 なお、産業用監視制御機器の対象製品の範囲は曖昧で、前述のERA報告書(2006-0383)の12.3項で定義として低電圧指令に関するEN基準(現在は改定されIEC 61010-1:2010+AMD1:2016(3.1版)「計測・制御・研究室用機器の安全規格」)の利用を推奨しています。
 なお、カテゴリ9のラボ用機器は、IEC 61010-1の定義の利用を提唱していました。

3.大型固定設備の消耗品の解釈について

RoHS(II)指令第4条1項で「上市される電気電子機器がケーブル及び機器の修理、再利用、機能改善または能力改善のためのスペアパーツを含めて、附属書IIにリストされている物質を含有していないことを確実にする」としています。
 大型固定設備の修理部品や消耗品に扱いが気になります。
 RoHS(II)指令第4条4項で「第1項は、ケーブルまたは以下の修理、再利用、機能改善または能力改善のためのスペアパーツには適用しない」としています。
 同項(e)で「2017年7月22日より前に上市された産業用監視制御機器」があり、適用前の産業用監視制御機器の修理等は従来の部品等が使えることになります。
 2017年7月22日以降で、適用外とした大型固定設備の修理部品や消耗品等については、RoHS(II)指令のFAQに解釈が示されています。
 FAQの根拠は、RoHS(II)指令第2条4項(c)の「本指令の適用除外または適用範囲外の他の種類の機器の一部として特別に設計され、据え付けられる機器で、その機器の一部としてだけ機能し、かつ、特別に設計された同じ機器にだけ交換可能なものは、適用しない」です。
 適用外とした大型固定設備にしか使えない特別の修理部品や消耗品等は、適用しないということになります。 「特別に設計された」とは、FAQ 4.1項で「第2条4項(c)の適用除外は、それ自体が適用範囲から除外される他の機器に取り付けられるように特別に設計された機器に適用される」としています。「特別に設計された機器」とは「通常はカスタムメードであり、特定の用途のニーズを満たすために設計されたもの」としています。
 ただ、「適用除外の機器と適用範囲内機器の両方で機能する場合は、適用範囲内である」としています。この部分の解釈はFAQ 4.5で詳述されていますが、「多目的用途の電気電子機器は、その用途・使用目的の一つがRoHS(II)指令の適用範囲であれば、RoHS(II)指令に適合させなくてはならない」としています。
 この用途・使用目的はブルーガイドに説明されているとしています。ブルーガイド7)2.7項では、「製造者の意図した使用目的」及び「合理的及び容易に予期できる人間の行為の結果として合理的に予見できる使用条件」としていて、幅広いものがあります。
 具体的事例については、さらに解説があります。
 FAQ 4.3項では、「大型固定式工具または大型固定設備の基準を満たしている場合は、除外することができる」としています。
 さらに、FAQ 4.6項で「RoHS(II)指令に適合していない多目的用途の電気電子機器を適用除外製品(products)に使用するために販売できるか」という重要な解説があります。
 この回答は「不適合の電気電子機器を適用除外の用途として上市、利用できるようにする際に、それを上市または市場で利用できるようにする経済事業者(製造者、代理人、輸入者及び流通業者)は、その機器の使用目的に関連する完全な知識を有する責任がある。従って、その電子電気機器がRoHS(II)指令の適用範囲以外の用途のみに利用できることを確実にする責任がある。(第11条)」としています。
 第11条の括弧書がありますので、この義務は流通業者にも適用されることになります。
 具体的な説明とはいえ、基準などは明確ではありません。適用については、企業が自ら論理的展開をして説明する義務があります。この説明は透明性(transparency)が求められます。

4.技術文書について

RoHS(II)指令第7条で製造者は決定768/2008/EC8)モジュールAによる技術文書を作成して、適合性を証明する義務を課しています。ただ、適用除外電子電気機器はCEマーキングの適用がされません。
 決定768/2008/ECの技術文書(TD)は、"Technical Documentation"で"Technical Document"ではありません。"Technical Documentation"は技術的な説明書の意味がありますので、適用範囲外であるとする場合はその説明が必要となります。
 その説明の根拠文書として、デザインレビュー会議議事録やデザインレビュー会議手順書などの文書(Documents)が必要となります。
 これら文書(Documents)の関連、要約を"Technical Documentation"として作成します。税関などで適合性確認があった場合などでは、この"Technical Documentation"を提示することになります。
 RoHS(II)指令のCEマーキングは不要であることの説明も技術文書として必要になります。また、RoHS(II)指令の解釈や対応は、関連するEMC指令や低電圧指令などとの調和をとることが重要です。

(松浦 徹也)

1)http://ec.europa.eu/environment/waste/weee/pdf/era_study_final_report.pdf
2)http://ec.europa.eu/environment/waste/rohs_eee/pdf/faq.pdf
3)http://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/PDF/?uri=CELEX:32014L0030&from=EN
4)http://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/PDF/?uri=CELEX:32014L0035&from=EN
5)http://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/PDF/?uri=CELEX:32006L0042&from=en
6)http://www.tuv.at/fileadmin/user_upload/docs/industry/emv-nachrichtentechnik/emc_guide__updated_20100208_v3_en.pdf
7)http://ec.europa.eu/DocsRoom/documents/18027/
8)http://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=OJ:L:2008:218:0082:0128:en:PDF

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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