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ここが知りたいRoHS 指令

コラム

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16.04.28

WEEE指令の本質

年度も改まり新たにRoHS指令やREACH規則を担当された方も多く誕生したと思います。環境法規制は日々の如く変化し、それも厳格な基準が採用される傾向にあります。企業は、法律毎に対応部署を決めて対応策を考えることは、限りある経営資源の中では、困難となります。
 法規制への対応は制定経緯や法規制間の関係を整理すると、規制の本質が理解することができ、効率的で的確な対応ができると思います。
 新任担当者の皆様にお役に立つように、改めて法規制の基本的事項で、これまでのコラムで解説をしてこなかった事項を中心にご説明します。

1.法規制間の関係

例えば、EU法規制対応だけでも、RoHS指令、REACH規則、CLP規則があり、業種により廃自動車指令(ELV)、玩具指令、バイオサイド規則、PIM(プラスチック規則)や廃電池指令などがあります。
 EUには環境政策、化学物質政策があり、この基本政策から規制されますが、その理念は1992年のリオサミットで策定されたアジェンダ21に由来します。EU環境関連法は枠組みがあり、その枠組みは国際整合されていますので、EU以外の国の法規制と調和しています。
 このところ、質問が多くなく、また、コラムでも取り上げることが少ない法規制にWEEE指令があります。WEEE指令を事例として他の規制との関係を整理してみます。WEEE指令は2012年7月の改正を受けてWEEE(II)指令あるいは指令2012/19/EUと記述することがあります。(直近の官報1)・邦訳2)

1)http://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/ALL/?uri=celex:32012L0019
2)http://ecoken.eco.coocan.jp/photo/15/WEEEtranslation201604.pdf

WEEE指令は、1998年4月の提案時では「Waste Electrical Equipment amending Directive 76/769/EEC(危険物質及び調剤の使用制限指令)」という名称の76/769/EECの修正法でした。修正法案は、製造者、輸入者に廃電気電子機器の回収責任を課すとともに、76/769/EECの関係で鉛、水銀、六価クロム、ハロゲン化難燃剤の含有制限をしていました。
 76/769/EECの修正法では、リサイクルと含有制限の両方を規制するのは難しい点があるので、その後にWEEE指令とRoHS指令に分離されました。WEEE指令とRoHS指令は兄弟指令と言われており、その基本的な理念は同じです。
 なお、修正法案時は、対象製品品目は11製品群で、現在の品目順とも異なっていました。
 修正法案の指令76/769/EECは、現在はREACH規則の制限として統合されています。指令76/769/EECの対象となる危険物質及び調剤(現在は混合物と記述)は、67/548/EEC(危険物質の分類、包装、表示に関する指令)、1999/45/EC(危険な調剤の分類、包装、表示に関する指令)で分類されていましたが、現在は「分類、包装、表示」は、GHS3)と調和されてCLP規則4)として改正統合されています。

3)http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/int/ghs_text.html
4)http://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=CELEX:02008R1272-20160101

これらの関連法規制の関係は、WEEE(II)指令の前文で、関連する法規制と基本的な整合内容が記述されています。このように、どれかの法規制を核として、規制内容の関連性から対応を明確にすることができると思います。

2.WEEE(II)指令の要求内容

WEEE(II)指令の前文第4文節で、「廃棄物指令5)(2008/98/EC)を補足するものである」としています。廃棄物指令第4条で、廃棄物の発生抑制及び廃棄物マネジメント法及び方針において、廃棄物ヒエラルキーを優先順位として適用するとしています。

5)http://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=OJ:L:2008:312:0003:0030:en:PDF

  • 発生抑制
  • 再使用のための準備
  • 再生利用
  • その他の再生 (例、エネルギー回収)
  • 廃棄

この廃棄物ヒエラルキーを考慮したWEEE(II)指令の生産者、輸入者の義務を意訳表現すると2ブロックになります。
 先ず、製品のライフサイクルの条項として

  • 製品設計(第4条)
  • 分別回収(第5条)/回収率(第7条)
  • 輸送(第6条)
  • 処理(第8条)
があります。
 次に、この製品のライフサイクルを円滑に運用するための条項として
  • 一般家庭からの回収費用(第12条)
  • 一般家庭以外からの回収費用(第13条)
  • 消費者への情報提供(第14条)
  • 処理施設への情報提供(第15条)
  • 代理人(第16条)
があります。
WEEE(II)指令は、指令ですから国内法で詳細化されますが、留意事項は次などです。

(1) 国内法への転換
 WEEE(II)指令は「指令」ですので、分別回収などの義務は「Member State shall...」とあるように、宛先(第27条)は加盟国です。各加盟国は、指令を受けて2014年2月14日までに国内法に転換(Transposition)することが求められています(第24条)。
 国内法に転換する時の条件が前文の冒頭にあり、「欧州連合の機能に関する条約(TFEU)6)の第192条を考慮し」となっています。

6)http://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/PDF/?uri=CELEX:12012E/TXT&from=EN

TFEU第192条は、第191条の環境政策の目的を達成するための立法手順で、第193条で各国に上乗せ規制を認めているものです。加盟国の国内法は、WEEE(II)指令の義務より厳しい(上乗せ)義務を課すことができます。
 上乗せした場合は、加盟国はEU委員会に通知しなくてはなりません。
因みにRoHS指令は第114条となっています。第114条は、加盟国の国内法の近似化(approximation)条項で、加盟国の国内法は上乗せされることなく近似(同一)化法として制定されることになります。

(2)コミトロジー手続き
 WEEE(II)指令の前文の書き出しは、「欧州議会と欧州連合閣僚理事会は・・・採択した」となっています。従って、改正法は議会と理事会の承認が必要となります。日本の国会でも同じですが、法改正の手続きは手順が多くあり、期間を要します。一方、技術的進歩は早いので、科学的・技術的進歩への適応(第19条)で、附属書IV(2018年以降の製品カテゴリに入る電気電子機器の非包括的リスト)、VII(選択的処理)、VIII(処理の技術的要求)及びIX(シンボルマーク)については、欧州委員会に改正行為が委任されています。委任行為は、附属書の改正以外に、回収率(第7条)、処理(第8条)や廃電気電子機器の輸出(第10条)の改正も認めています。
 委任行為は、前文第31文節で、TFEU第290条で行うとされています。この委任行為は新コミトロジーと言われるものです。この枠組みのなかで、委任行為は小委員会の手続き(第21条)で行います。この手続きでは小委員会の決定を受けて、欧州委員会は改正案を議会と理事会に同時に通知します。この通知から2ヶ月以内に議会と理事会の双方から異議がなければ発効となります。
 改正は官報(The Official Journal of the European Union)7)で告示されます。

7)http://eur-lex.europa.eu/oj/direct-access.html?locale=en

(3)ネット販売
 電気電子機器はネット販売で遠隔地製品が販売されることがあります。
WEEE(II)指令第16条で「第3条1項(f)(iv)に定義する遠距離通信手段によって電気電子機器を供給する生産者は、販売先の加盟国で登録するものとする」とし、「生産者が販売先の加盟国に登録されていない場合は、代理人(第17条2項)を通じて登録しなければならない」としています。
 第3条1項(f)(iv)の定義は、「他の加盟国または第三国に本拠地を置く者」で、WEEE(II)指令では、「生産者」の位置づけになります。
 日本企業は代理人により登録する必要があります。

(4)プロフェッショナルユース
 一般家庭製品とプロユース製品の扱いについては、前文第9文節で「本指令は、消費者によって使用されるすべての電気電子機器と、専門家による使用を意図する電気電子機器を取り扱うものとする。」としています。用語の定義の第3条1項(h)では「一般家庭及び一般家庭以外の使用者によって使用されがちな電気電子機器から生じる廃棄物は、いかなる場合においても、一般家庭から出る廃電気電子機器と見なすものとする」としています。
 消費者向け製品は、一般製品安全指令8)(Directive 2001/95/EC General product safety:GPSD)の適用を受けますが、前文第10文節で「専門家による使用のみを考慮してデザインされた製品であっても、それが時を経て消費者市場に出回るようになるものは、それが常識的に予想され得る状況のもとで消費者により使用されて、その健康や安全にリスクをもたらす可能性がある以上、本指令の規定の対象とされなければならない。」としています。

8)http://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=CELEX:02001L0095-20100101

さらに、GPSDの第2条で「合理的に予見可能な条件の下で、消費者によって使用される製品」が対象としています。
 このように、プロフェッショナルユースはかなり限定的な運用となります。

3.RoHS(II)指令との関係

WEEE指令とRoHS指令は兄弟指令ですが、RoHS(II)指令(直近の官報9)・邦訳10))の位置づけを整理してみます。

9)http://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=CELEX:02011L0065-20150624
10)http://ecoken.eco.coocan.jp/photo/15/RoHStranslation201604.pdf

WEEE(II)指令は電気電子機器の廃棄の予防と廃棄後の処置を定めており、RoHS(II)指令は、電気電子機器の廃棄後の環境汚染を予防するために特定有害化学物質の使用制限するのが目的です。
 RoHS(II)指令第1条で「この指令は、人の健康と環境に優しい回復と廃電気電子機器の処分を含む環境保護に貢献するという観点から、電気電子機器 で使用する有害物質の使用の制限に関する規則を定めるものである。」と目的を示しています。RoHS(II)指令は、電気電子機器の使用者の保護よりも、環境汚染による人の健康保護を狙っています。
 人の健康保護を環境保護により達成するもので、その背景を前文第7文節で「廃電気電子機器が分別回収され、再生利用工程に回されたとしても、水銀、カドミウム、鉛、六価クロム、PBB、PBDEなどは、最適条件未満で処理された場合は、健康または環境にリスクを及ぼす恐れがある」としています。
 WEEE(II)指令の第4条で「廃電気電子機器の再使用、処理を容易にするエコデザイン」を要求しています。リサイクルを阻害する化学物質の使用制限もこの中に入ります。
 WEEE指令とRoHS指令は相互に補完していることになります。

4.EU以外のWEEE法

EU WEEE指令の影響は世界各国に影響を与え、類似法が制定されています。WEEE法あるは関連情報を入手している国のリスト(URL)をお示しします。

(松浦 徹也)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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