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ここが知りたいRoHS 指令

コラム

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16.01.29

RoHS(II)指令が求める順法確証の考え方

RoHS指令は2011年の改定の移行期間も徐々に進み、2016年7月に体外診断機器(指令98/79/EC)、2017年7月に産業用監視制御機器が順次適用がされ、2019年7月にはすべての電気電子機器が適用されます。

これまでは、適用時期は先として、顧客要求には応えるものの、自主的対応は情報収集が中心であった企業もいよいよ自主的な取組みに迫られて来ています。
 RoHS(II)指令が求める順法確証をどのように進めていくか、改めて考え方を整理してみます。

1.基本的要求の整理

RoHS(II)指令第4条(予防)では、「附属書IIにリストされている物質を含まない」ことが要求されています。第7条(製造者の義務)a項で「電気電子機器を上市するには、電気電子機器が第4条の要求事項に従って設計及び製造されることを確実にする」としています。

RoHS(II)指令への適合は、整合規格のEN50581では、「製造者は、電気電子製品が物質規制を遵守していることを証明するために技術文書を編集しなければならない」としています。「材料、部品及び/または半組立品に関する情報」として、4.3.2項(必要な情報の決定)で、「材料、部品、半組立品に必要とされる技術文書の種類(4.3.3項参照)は、製造者の評価に基づくべき」として、

  • 材料、部品、半組立品に制限された物質が含まれている可能性
  • サプライヤーの信用格付け

を求めています。
 規格が求める「可能性」や「格付け」は、定量的な基準値がなく、多くの企業が戸惑っています。

日本企業はこれらのリスクを理屈とし理解できるものの、実際の行動ではリスクベースの対応ができないでいます。
 このような状況のなかで、多くの企業が頼りにしたのがBOMCheckのガイド(「BOMcheck Guide to Using BOMcheck and EN 50581 to Comply with RoHS2 Technical Documentation Requirements」、ENVIRON June 2015)です。

BOMcheckは端的には、BOMCheckのガイドの図2(Example of an assessment matrix to determine what types of documents are required for supplier parts)に示される「材料、部品、半組立品に制限された物質が含まれている可能性」を「High」「Medium」「Low」に区分し、「サプライヤーの信用格付け」をType AからType Cに分けて、このマトリックスでEN50581が要求する確証文書を確定しています。

2.REACH規則の要求

2015年9月10日の「欧州司法裁判所による先決裁定」によれば、EU域外国から輸入される複数の成形品からなる成形品は、その構成している個々の成形品を分母として、SVHC(第59条によるcandidate list収載物質)の含有濃度を計算することが求められます。

電気電子機器に多数の電子部品を構成している場合は、個々の電子部品が対象となることになります。厳密には、例えばコンデンサーなどですと、コンデンサーを構成しているリード線やキャンなどの細分化した成形品になるかの論点があり、気になるところです。
 論点は別としてREACH規則では、RoHS(II)指令の分母の均質物質(homogeneous materials)までの細分化の要求はないと思いますが、REACH規則でも部品や材料管理が重要となります。

RoHS(II)指令では、制限物質(群)は、2015年6月の追加4物質を含めても10物質(群)ですが、REACH規則のSVHCは2015年12月17日発行のcandidate list収載物質は168物質で、分析方法を含めて対応に工夫が必要となっています。

3.リスク

RoHS(II)指令の順法確認はサプライチェーンマネジメントの一環として行います。確証データすなわちエビデンスは、最終製品になってから特定有害化学物質の濃度を測定することは困難で、最終製品メーカーはサプライヤーからの順法確認情報を頼りにして順法確認をします。
 EUでは順法管理もリスクベースで管理されます。BOMcheckのマトリックス法はこのリスクベースの方法を提示したものと言えます。

一方で最終製品は多種多数の電子部品や材料で構成されており、BOMcheckのマトリックス法をどのように応用するかが悩ましいところです。
 例えば、同じサプライヤーから購入する部品が複数であり、それぞれの部品に制限された物質が含まれている可能性が異なる、あるいは可能性の「High」「Medium」「Low」に区分の考え方に悩んでいます。

4.確証事例

例えばコントローラユニットのBOM(Bill of materials)のような場合の確証の進め方です。
 BOMは目的によりさまざまな項目で構成され、設計情報だけでなくサプライヤー情報を入れたものなどがあります。
 表1のBOMは設計部品表と購買部品表を統合したもので、実務的にはサプライヤー名、工程などが追加されます。

表1
ユニット  PN234567890 コントローラ
No PN 名称 型式 メーカー 使用個数 重量(g)
1 PN42345678 IC ICA12345678 ABC株式会社 12 5.1
2 PN42345680 IC ICA12345680 ABC株式会社 8 5.1
3 PN42345681 チップ抵抗 CR123-100-00 BNM株式会社 12 0.5
4 PN42345682 チップ抵抗 CR123-200-00 BNM株式会社 10 0.5
5 PN42345683 チップコン CC523-100P-00 BNM株式会社 3 0.5
6 PN42345684 チップコン CC6218-10M-00 BNM株式会社 2 0.5
7 PN42345685 放熱器 FIN569 KKM株式会社 1 30
8 PN42345693 コンデンサー CON682345699 SDF株式会社 5 3
9 PN12345601 ギアA 図番12345601 サプライヤABC 2 25
10 PN12345602 ギアB 図番12345602 サプライヤLMN 1 15
11 PN12345603 ケース 図番12345603 サプライヤXYZ 1 30

2015年9月10日のREACH規則の成形品の分母の解釈に関する判決により、REACH規則でもBOMが必要となってきます。
 BOMでは、構成している部品、ユニットなどが行として示され、その諸特性が列となっています。企業に異なりますが、この行の中身をPM(Parts Master)、パーツナンバー(PN)234567890のコントローラとその構成品の関係をPS(Product Structure 製品構成)ということがあります。

このようなBOMの場合のリスク(制限された物質が含まれている可能性)は、「独自の技術判断を用いる」(BOMcheck 3.3.1項)とし、IEC62321-2:2013(IEC/PAS 62596:2009)がリファレンスとして推奨されています。
 PM単位でRoHS(II)指令やREACH規則への適合性を確認しますが、リスクの度合いで確証データは変わります。リスクの見積もりが必要となりますが、まず、リスクの特定が必要となります。

リスクは製品や用途により、変わりますが、共通性の高いリスクをいくつか紹介します。
 リスクは、RoHS(II)指令の特定有害化学物質だけでなく、REACH規則のSVHCも含めることが、望まれます。

(1)サプライチェーンの工程リスク(表2)
 上流を含めたサプライチェーン内での加工工程を確認し、加工工程でのリスクを確認する必要があります。例えば、機械加工と表面処理では表面処理のリスクが高くなります。
 表面処理でも、化学めっきと電気めっきでは、リスクは異なります。
 樹脂成型では、樹脂材料により、添加剤などによるリスクが違います。
 工程を何処まで細分化するかは、難しいところですが、自社で採用している見積もりやQC工程表などの工程種類と一致させるのがよいと思います。

表2
リスク評価対象 リスク
工程なし 0
機械加工 切削加工 指定材誤認のリスク 1
物理的加工 研磨剤等の残渣 1
表面処理 化学めっき 皮膜への含有 5
電気めっき 洗浄残渣 2
塗装 皮膜への含有 5
無機物含浸 指定材誤認のリスク 1
有機物含浸 指定材誤認のリスク 2
熱処理 0
樹脂成型 指定材誤認のリスク 5
接着 3
組立 機械組立 潤滑剤などのリスク 2
電気配線 束線バンドなど現場手配品 2
プリント基板実装 はんだ槽、はんだの鉛含有リスク 4
その他 技術的知見で高リスクである 4
技術的知見で低リスクである 2

(2)素材リスク
 素材によりリスクは変わります。
 金属は高温で処理されるので、一般的な化学物質は残りません。しかし、合金成分や合金成分の不純物にリスクがあり、バージン材かリサイクル品かでもリスクが異なります。
 また、自社の仕様書により指定材料を購入している場合と、一般汎用材を購入している場合は、異なります。
 これらについて、工程リスクと同じように点数付けを行います。

(3)その他のリスク
 リスクは製品の種類や生産方法などに様々で、次のようなリスクもあります。

  • 含有絶対量を考えると部品1個あたりの重量が考えられます。
  • 使用数量も、バラツキや絶対量を考慮したリスクが考えられます。
  • 原産地国や企業の業態によるリスクもあります。

(4)リスクの統合
 サプライチェーンの工程リスク、素材リスク、部品重量リスク、使用数量リスクや原産地国リスクなどのリスクの加算や掛け算などで総合リスクを出します。
 このリスクとサプライヤーの管理レベルとの組み合わせで確証データの種類を決定します。

表3

表3

表3の事例ではすべてのリスクを加算しましたが、工程や素材のリスクでスクリーングして、リスクが十分に低くない場合のみ追加して他のリスクを考慮することが考えられます。特に調査対象の部品や材料が多いときには、メリハリを付けた調査をしたほうが効果的になります。

購入部品材料のリスクとサプライヤー評価から確証データを決定します。
 確証データとしては、BOMcheck同様に以下などの組合せとなります。

  • カタログや購入仕様書
  • サプライヤーの適宜宣言書
  • 購入部品材料毎適合証明
    いわゆる不使用証明書など
  • マネジメントシステム保証
    ISO9001の認定書など
  • 分析データ

これらの確証データは新たなものではなく一般的に使われているものです。この組合せの決定手順の考え方を示しものです。
 なお、図のリスクの点数は例示で吟味したものではありません。また、プライヤーの管理レベルも同様で、BOMcheckの「サプライヤーの信用格付け」をType AからType Cに区分したものでも構いません。

このような考え方が、自社システムにRoHS(II)指令やREACH規則対応システムを組み込む際の参考になれば幸いです。

(松浦徹也)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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