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ここが知りたいRoHS 指令

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15.02.20

「RoHS(II)指令が求める技術文書」 Final

このところRoHS(II)指令が求める技術文書の記述方法の解説やひな形のご要望が増えています。RoHS指令が求める技術文書について、その理念や対応をすべき事項を整理したいと思います。

1.技術文書とは

技術文書はTDとも略記されますが「Technical Documentation」の訳語です。「Technical Document」や「Technical Documents」ではありません。
 Technical Documentationは「文書化された技術情報」で体系的に文書としてまとめた証拠書類のような意味です。Documentationには各種文書が構成されていることになります。また、記録も文書とされますので、Technical Documentationには技術に関する規定、手順、基準や実行記録などが構成されていることになります。
 Documentationにはご説明書的な意味合いがあるようですので、適合性の説明書の意味があります。
 規則765/2008/EC(製品のマーケティングに関連する認定及び市場監視に対する要求規則)の第19条(市場監視方法)で「市場監視当局の活動を行うために必要とされる書類及び情報を事業者に要求できる。」としています。

EU製品規則の実施に関するブルーガイド(以下ブルーガイド)第7.2項(市場監視活動)で「技術文書は市場監視当局の根拠のある要求に応じて、妥当な期間内に利用できるようにしなければならない。当局は、それを体系的に要求することはできない」とし、「技術文書がすでに作成されている場合、市場監視当局は、先ず、技術文書の概要(基本技術データ)のみを翻訳に必要で妥当な猶予期間に入手する」としています。

基本技術データは、脚注で「製造者の名称・住所・整合規格または必須要求事項に適合させるために採択した解決策、製品の概要もしあれば取扱説明書、製品の総合設計図」とされています。詳細な技術データは「試験レポート・品質マニュアル・品質管理計画・製造工程説明や基準」としています。
 さらに、ブルーガイド第3.3項(輸入者)で「技術文書は国家当局の要求に応じて確実に提供すること」としていますが、同時に「根拠のある要求の場合に、製造者は指摘された不適合に関連しており、かつ製造者により問題が処理されたことを立証するのに相応しい技術文書の一部を提出すれば十分である。そのため、技術文書の翻訳要求はこれらの部分に限られるべきである」としています。

翻訳等の妥当な期間は、規則765/2008/EC第21条(制限措置)で、聴聞は10日以上の準備期間が認められていますので、10日間が準用されると思います。
 なお、ブルーガイド第7.2項(市場監視活動)で「技術文書はEUで利用できるようにしなくてはならない。利用できるとは、整合法令で規定されていなければEU域内に保管する必要はない。リスク応じた期限内に利用できるのであれば、紙またが電子媒体で保管し、市場監視当局に送付することができる」としています。
 何か事があり市場監視当局から根拠がある適合性確認の確証書類が求められた場合は、基本技術データを提出し、次に求めに応じて確証書類を提出することになります。

2.RoHS(II)指令の要求

RoHS(II)指令の第7条(製造者の義務)b項で「製造者は、要求される技術文書を作成し、決定 768/2008/ECの附属書IIのモジュールAに従って、内部生産管理手続きを実施するか又は実施させるかすること」と要求がされています。

決定768/2008/ECの附属書I第R2条(製造者の義務)で次を要求しています。

第1項:製造者は製品を上市する場合に製品が法令に定められた要求により設計及び製造されることを確実にすること。

第4項:製造者は、その手続きで量産品を適合させることを確実にすること。
製品設計または仕様値の変更、および、製品の適合性宣言の整合規格や技術仕様の変更は適切に考慮すること。
製品に生じるリスクに関して適切とする場合は、製造者は消費者の健康と安全を保護するために、上市された製品の抜取試験の実施、必要な場合に、苦情、不適合製品及び製品リコールを記録し保管し、流通業者にこれらのすべての監視結果を連絡すること。

モジュールA(内部生産管理手続き)の要求事項は、第1項で「内部生産管理と製品試験は、下記の第2項、第3項および第4項に定める義務を製造業者が履行し、また、関連製品が同製品に適用する法律文書の要求事項を満たすことについて、単独でその責任を負うことを確保・宣言する際用いる適合性評価手順である」としています。
 前記の第2項は「技術文書」、第3項は「製造」、第4項は「適合マークおよび適合性宣言書」です。
 技術文書は適合性を保証する仕組みであり、その仕組みで製造(量産)し、製品の適合を宣言し適合マークを貼付するのがモジュールAの仕組みです。このように、モジュールAは開発、製造、メンテまでのライフサイクル全般について要求されています。

3.モジュールAによる技術文書の要求

モジュールAでは、第2項で次を示しています。
 製造業者は技術文書を作成すべきである。技術文書は、関連要求事項に定める製品適合性への評価につながり、リスクに対する適切な分析および評価を含むべきである。技術文書は適用可能な要求事項を詳細に記載し、製品の評価、設計、製造および運用に関する情報をできる限り触れるべきである。可能な限り、技術文書は少なくとも以下の要素を含むべきである。

  • 製品の概要
  • 構成部品、小組立品、回路などの概念設計、製造図および図解
  • 製品の製造図、製造図および運用を理解するために必要とする説明および解釈
  • 整合規格および/または既に「EU官報」に開示された評価基準の全部または一部に適用するその他関連技術仕様、ならびに整合規格が適用できなかった場合、法律文書の必須要求事項に対応するために採用されたソリューションの説明を記載する一覧表整合規格が一部適用できる場合、同技術文書では、どの部分が適用できるのかを詳細に記載すべきである。
  • 設計計算、実行した検査などの結果
  • 実験レポート

「製品適合性への評価につながるリスク分析と評価」と「技術文書構成要素の記載内容」に戸惑いが生じています。
 ブルーガイド第4.1.1項(必須要求事項の定義)のなかで、「整合法令(ニューアプローチ指令群)の必須要求事項は、製品に伴う特定の危険、製品自体又はその性能、基本的な保護目標がある。多くの場合はこれらの組合せであり、異なる複数の整合法令が同時に適用される」とし、「必須要求事項はその製品に内在する危険源の相関的な要素として適用することを求め」、「製造者はリスク分析を行い、製品に適用される必須要求事項を決定しなければならない」としています。

ブルーガイド第4.3項(技術文書)では、「技術文書は製品の意図した利用を含める」とし、「製品適合性への評価につながるリスク分析と評価の要求は、関連するリスクアセスメントに基づき開発された整合規格が適用される場合は、製造者に追加のリスクアセスメントの実施や追加文書の作成を義務付けていない」としています。
 技術文書の記述は「技術文書は製品の意図した利用」を明確にし、その利用でのリスクアセスメントを行うことになります。
 「製品の意図した利用」は、ブルーガイド第2.7項(意図した利用/誤使用)で、「製造者によって定義された意図された目的」と「合法的及び容易に予期できる人の行為の結果として、合理的に予見できる使用条件」としています。
 「製品の意図した利用」から適用される整合法令と必須要求事項を特定し、相関関連のリスクアセスメントも必要なります。

4.整合規格EN50581(有害物質の使用制限に関する電気・電子製品の評価のための技術文書)の要求

RoHS(II)指令の整合規格EN50581では、リスクアセスメントの要求があります。
 第4.2項(技術文書の項目)」で「技術文書は少なくとも以下の要素を包含しなければならない。」としています。

  • 製品の全般的な説明(含む製品カテゴリー)
  • 材料、部品、及び/または半組立品に関する文書
  • 識別される技術文書と符合する製品中の材料、部品及び/または半組立品の間の関係を現わす情報
  • 識別される技術文書を確立するために使われていた、またはそのような文書が参照する調和された標準のリスト及び/または他の技術仕様

第4.3.2項で「材料、部品、及び/または半組立品に関する文書」の種類は「製造者の評価に基づいて『材料、部品、半組立品に制限された物質が含まれている可能性』『サプライヤの信用格付け』による」としています。
 EN50581の要求では技術文書の構成要素は示されていますが、その内容は示されていません。アセスメントについては注記で「この評価と決められた手続きは品質マネジメントシステムかその同等システムの一部に組み入れることができる」としています。

モジュールAやEN50581の要求からは、ISO9001(あるいは同等の)管理システムに、開発/顧客要求受付から製造、出荷からメンテナンスまでのすべてのプロセスについて、適合させる取組みが求められています。ISO9001では、多くの企業で「品質保証体系図」を作成し、品質保証に関する企業活動全般を説明し、個々の製品についてはISO9001第7.1項(製品実現の計画)で「品質計画書」を作成する手順を定めています。
 「RoHS(II)指令が求める技術文書」は、「品質保証体系図」や「品質計画書」から作成されることになります。逆には、「品質保証体系図」や「品質計画書」に、RoHS(II)指令、決定768/2008/ECやブルーガイドの要求を組み込むことになります。

RoHS(II)指令が求める技術文書は狭義には「市場監視当局への説明が第一で、市場監視当局が理解できるように記述されたもの」です。広義には「RoHS(II)指令の要求をも取り込んだ品質保体系全般」、即ち「ものづくり全般」の文書や記録類となります。
 市場監視当局の根拠ある要求に対しては、「ものづくり全般」の消費者(職業的な使用者を含む(ブルーガイド第3.5項))の健康と安全を保護に関する適合性活動計画と実施記録を提供することになります。
 このことは、通常の品質保証活動であり、EN50581で示された品質マネジメントシステムにRoHS(II)指令の要求を組み込むことにより「RoHS(II)指令が求める技術文書」ができることになります。
 なお、ISO9001にRoHS(II)指令及び中国RoHS管理規則の要求を統合した解説書と狭義の技術文書の作成手順は経済産業省から公開されています。

(松浦 徹也)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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