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ここが知りたいRoHS 指令

コラム

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14.12.26

消費者製品の安全について

米国におけるわが国メーカーの「自動車エアバッグの不具合」に対する対応が、連日マスコミで報道されています。エアバッグの不具合により、数例の死傷事故が報告されており、この間のメーカーの対応をマスコミ報道から推測すると、「深刻な、あるいは不可逆的な損害(エアバッグの不具合による死傷事故)のおそれがある場合には、科学的な確実性の欠如(事故原因が科学的に証明できない)が環境悪化防止のための費用効果的な措置(製品リコール等の措置)を延期する理由とされてはならない」という「予防原則(Precautionary principle)」への配慮の欠如があったのではないかという懸念があります。

「予防原則」については、1992年にブラジル・リオデジャネイロで開催された国連環境開発会議(The United Nations Conference on Environment and Development)におけるリオ宣言の第15原則において、予防原則の表現が次のように明文化され、環境問題に取り組むための基本的な基準になっています。

「環境を保護するためには、各国により、それぞれの能力に応じて、予防的アプローチが広く適用されなければならない。深刻な、あるいは不可逆的な損害のおそれがある場合には、完全な科学的確実性の欠如が、環境悪化防止のための費用効果的な措置を延期するための理由とされるべきではない」

予防原則の考え方は、1970年代初期における西ドイツの環境政策において、予防的に環境保全を行うことを目的として打ち出された「Vorsorgeprinzip: vor (まえに)+ sorge(心配)+ princip(原則)」にその萌芽が認められます。
 この原則は、社会は注意深い将来計画によって環境を傷つけることを避けるべきであり、潜在的に有害な活動を阻止すべきであるという概念に基づいており、酸性雨、地球温暖化、北海汚染に強い方針で取り組むために打ち出されたものでした。

さらに、アメリカで予防原則を環境や公衆衛生に対する日常的な意志決定レベルに導いた最初の大きな成果は、1998年1月のウィングスプレッド宣言です。この宣言では、科学者、学者、活動家、弁護士がウィシコンシン州ラシーンにあるジョンソン財団本部ウィングスプレッドに集まり、予防原則の実行方法と、実行への障壁について討論を行い、以下に示す「ウィングスプレッド宣言」を発表しています。

この宣言は、(1)危害への脅威、(2)科学的不確実性、(3)予防行動の3つの要素で構成され、次の「予防原則: the Precautionary Principle」を実行する必要があることを宣言しています。

「活動が人の健康と環境に対して危害を及ぼすおそれがある時には、たとえその因果関係が科学的に十分立証されていなくても、予防的手段が行われるべきである」
 これに関連し、一般の人々ではなく活動を推進する人は、立証責任を負うべきである。

予防原則において重要なのは、科学的不確実性の高い問題に対してどのように対処し、意志決定を行うかです。予防原則の基準は、リスクを事後的に管理するよりもリスクを回避する予防的行動を選択することもあります。科学的不確実性があるということで対策が遅れ、被害が増大した最も顕著な事例が水俣病であるといわれています。

新聞報道によれば、今回のエアバッグ問題での米国下院の公聴会でのメーカーの発言は以下でした。
 「リコールは法的には自動車メーカーが行うべきである。自動車メーカーがリコールを行うのであれば、全面的に協力を行う」
 このことは論理的には間違いではないと思われますが、消費者(ユーザー)安全に関わることがらであるだけに、もう少し慎重な対応が必要であったかもしれません。米国当局からも「リコール拒否」と判断されたようです。

欧米における予防原則に基づく製品安全に対し、EUにおいては「予防原則と拡大生産者責任」、米国においては「予防的アプローチと製品スチュワードシップ」と若干の相違が認められますが、消費者製品安全については相次いで法令化が進められており、EUにおいては「一般製品安全指令(Directive 2001/95/EC)」、また米国においては「米国消費者製品安全法(Consumer Product Safety Act)」等が施行され、製造者は消費者に対して安全な製品の提供、および不具合製品に対しては迅速な処置が求められています。

これらの状況を鑑みると、障害の発生時に因果関係に科学的な不確実性があったとしても、メーカーや流通業者の対応は消費者製品への安全第一が最優先であることがいっそう時代の要請となっていることは明白です。

(瀧山 森雄)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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