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ここが知りたいRoHS 指令

コラム

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14.08.29

WEEE指令の本質と対応を考える

【WEEE指令の制定経緯】
 WEEE指令とRoHS指令は、1998年4月の提案時では「Waste Electrical Equipment amending Directive 76/769/EEC」という名称の1つの指令でした。この改正指令の目的(第1条)は、「第1に廃電気電子機器の防止、第2に廃電気電子機器の再使用、リサイクル、第3に廃電気電子機器の処理、処分による環境へのリスク及び影響の最少化」となっていました。
 WEEE指令の最優先目的は廃電気電子機器の防止で、長寿命設計、故障による破棄を防ぐための修理や改良部品の特例などが施策になっています。いわゆる3R政策〔1.リデュース、2.リユース、3.リサイクル、4.熱回収(サーマルリサイクル)、5.適正処分〕による優先順位を明確にしています。
 現在のRoHS指令が要求する特定有害物質の制限は、第4条(防止)の中で「電気電子機器の中の危険物質と調剤の使用を削減するように促進しなければならない」とし、「鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、PBB、PBDE」の廃止を求めています。
 特定有害物質の制限は、第1条の目的の達成のための手段の位置づけで、電気電子機器の使用者保護を目的としていないことが留意事項です。なお、WEEE(II)指令では表現が若干異なっていますが、電気電子機器の廃棄後に環境経由で人への影響を防止するとの目的を示しています。
 当初提案指令の根拠となっていた指令76/769/EEC(危険な物質及び調剤の使用の制限に関する指令)は、現在ではREACH規則の制限に統合されています。
 WEEE指令の制定経緯からRoHS指令やREACH規則との関係が見えてきます。

【WEEE(II)指令の理念】
 WEEE(II)指令は、RoHS2より約1年遅れて2012年7月24日に官報で改正指令として告示されました。指令の全体像を把握するには前文を読むと理解が早くなります。
 前文第5文節では、「RoHS指令は新電気電子機器に危険物質の低減に寄与している一方で、水銀、カドミウム、鉛、六価クロム、PCB及びオゾン層破壊物質は廃電気電子機器に長年に渡り存在する」として、廃棄物管理の重要性を指摘しています。そのために前文第6文節で「生産者責任の原則の適用が国より異なることを防ぐために廃電気電子機器の処理に関する規格を作成する」としています。
 RoHS指令で危険物質の制限をしても、適用前の電気電子機器には危険物質が存在しています。電気電子機器の寿命が長いので、廃棄時点ではRoHS指令の適用前の電気電子機器があり得ます。ゴミ箱に×印(the crossed out wheeled bin symbol)は、適用電気電子機器を明確にするのであり、製造者から有害物質の存在する場所情報を受けて、適切な処理をするのが目的です。

【日本企業の義務】
 日本の製造者に影響がある義務を前文の理念を参照しながらまとめてみます。

1.環境配慮設計

前文第11文節で「廃電気電子機器の再使用、解体及び再生を容易にする環境配慮設計(エコデザイン)事項をErP指令(ecodesign requirements for energy-related products 2009/125/EC)の措置の枠組みのなかで定める」とし、「製品設計を通して再使用、解体及び再生使用について十分に考慮する」としています。
 環境に配慮した設計が第4条で要求されています。環境配慮設計義務違反での取締まりはないと思いますが、企業の社会的責任の1つとしてエコデザインを行い、設計検証を行い記録を残すことが必要となります。

2.生産者登録

WEEE指令は廃電気電子機器の回収を要求しています。前文第23文節で「一般家庭からの廃電気電子機器の廃棄物チェーン全体を通して、廃電気電子機器の回収にかかる費用負担を生産者に負担をさせて、廃電気電子機器の回収に全責任を負わせる」としています。
 第5条で一般家庭からの廃電気電子機器の無償回収のシステムを、最終保有者または流通業者が利用できるようにすることを加盟国に要求しています。
WEEE(II)指令は、欧州連合運用条約第191条の環境政策の目的をために第192条(1)の手続きで制定されています。第191条の環境政策の目的には「EU連合の環境政策は、EU連合の各地域における事情の多様性を考慮しつつ高水準の保護を目指す」となっていますので、次のように加盟国により運用は異なることになります。

(1)フランス
 WEEE(II)指令による国内法は5月に草案がでている情報はありますが、改正法は確認できていません。
2005年公布のWEEE法では、第23条で登録機関はADEME(環境・エネルギー管理庁)に登録し、第8条で「個別回収システム」または「調整機関(coordinating organisations)」に委託して一般家庭からの廃電気電子機器の回収をします。
 調整機関としてOCAD3Eが認可されていて、エコ・オーガニズムの4機関(ECO-SYSTEMES、ECOLOGIC、ERP、RECYLUM)の共同出資で運営されています。
 第25条で販売数量の届出が要求され、この数量から負担金が決められます。
回収スキームは次です。

  • 家庭からのWEEEの1次回収は、地方自治体、流通業者、リサイクル団体で行います
  • 2次回収はエコ・オーガニムが行います
 

生産者は契約したエコ・オーガニズムに負担金を支払い(OCAD3E)、エコ・オーガニズム(4機関)は生産者に代りWEEEの回収と処理を行います。
 実際の回収、処理は、エコ・オーガニズムが収集、運搬、処理業者を入札で選択し、委託しています。
 流通業者は家庭用電気電子機器の販売時に同種の古い機器の引取り、または第三者に費用を負担して引き取ります。
 産業用も同じスキームが利用できますが、家庭用と産業用の区分が改正法で明確にされる見込みです。

(2)ドイツ
 2013年9月にWEEE(II)指令による修正法が告示されました。
 第6条で調整機関が国により設立され、生産者は登録と回収費用の保証金の支払いと毎月市場に投入した電気・電子機器の量を製品種別ごとに共同管理機構(EAR)に報告する義務があります。
 回収は、次のステップで行われます。

  • 自治体が廃電気電子機器の引き取り(回収ポイントの設置)
  • 自治体が共同管理機構(EAR)に連絡
  • EARが製造業者に連絡
  • 生産者がリサイクル業者に連絡(費用支払い)
  • リサイクル業者が運搬業者に連絡
  • 回収  

生産者の廃電気電子機器の引取りスキームとしては、DKRが運営する廃プラスチックのリサイクルシステム、DSDの包装廃棄物回収システムなどの既存スキームの利用や企業のコンソーシアムによるスキームもあります。

(3)英国
 WEEE法は2013年12月に改正法が告示されています。
 第14条で認定されたスキームに入ることが要求され、第25条でスキーム毎に生産者登録などがされます。スキームの認定は第79条で行われ、このスキームが家庭から出る電気・電子機器廃棄物の処理、回収、環境に負荷を与えない廃棄のための費用を負担します。

3.危険物質の情報開示

第14条(使用者への情報)で、加盟国は「危険物質が存在することによる環境と人の健康に対する潜在的な影響」を取扱説明書などで情報提供することが求めることができるとされています。
 第15条(処理施設に関する情報)で、「再使用のための準備を行うセンターや処理およびリサイクル施設によって必要とされる限りにおいて、様々な電気電子機器の構成部品、材料や電気電子機器内の危険物質および混合物の場所を特定しなければならない。これは生産者がマニュアルの形または電子媒体(例えばCD-ROM、オンラインサービス)の形式により再使用のために準備するセンター、処理およびリサイクル施設にとって利用可能な形で作成されなければならない」とされています。
 第3条の用語の定義では、「有害廃棄物」、「回収」、「分別回収」、「予防」、「処理」、「再生」、「再使用のための準備」、「再生利用」および「廃棄」については、指令2008/98/EC(廃棄物指令)の第3条に規定されている定義を適用する」とされています。
 廃棄物指令の第3条では、「有害廃棄物」とは附属書IIIのリストにある1つ以上の有害性を示す廃棄物としています。
 附属書IIIの注記で、「『有毒』『極めて有毒』『有害』『腐食性』『刺激性』『発がん性』『催奇性』『変異原性』及び『生態毒性』の属性は指令67/548/EEC(危険な物質の分類、包装、表示に関する指令)の附属書VIの基準に基づいて作成する」としています。
 指令67/548/EECによる分類はCLP規則の発効により移行し、分類結果は表3に収載されています。この分類•表示インベントリーはWebで公開されています。
 生産者は、電気電子機器の構成部品、材料や電気電子機器内の危険物質および混合物の場所を特定するために、分類•表示インベントリーに収載されている物質の含有調査を行う必要があります。含有危険物質により第14条、第15条の対応だけでなく、REACH規則の第33条によるSVHCに関する情報伝達の義務もでてきます。

4.ナノマテリアル

危険物質はCLP規則により特定されますが、新たにナノ物質の扱いが、WEEE指令でも検討されています。前文第18文節で「電子回路中に固定的に埋め込まれているナノマテリアルに対するばく露は、廃棄段階または再生利用段階で発生する可能性がある」とし「ナノマテリアルを含んでいる廃電気電子機器の処理が人の健康と環境に与える恐れのあるリスクを管理するために、EU委員会が所定の処理の必要性を評価することが適切である」としています。
 ナノマテリアルはREACH規則でも取扱いが検討され、バイオサイド規則では表示の義務などを課していますので、電気電子機器にナノマテリアルを使用するには、十分に動向を確認しておくことが肝要です。

【まとめ】
 若干冗長気味ですが、WEEE指令の要求を改めて整理してみました。個々の要求事項は目新しいものではないのですが、WEEE指令は、RoHS指令、ErP指令、廃棄物指令、REACH規則やCLP規則に関連していることが注目されます。
 危険物質情報は、サプライヤーから情報伝達を得ないと自社で確認することは困難ですから、RoHS指令の特定有害化学物質やREACH規則のSVHCの含有調査だけでなく、幅広に対応する必要があります。
 これまでの企業対応は、法規制毎に仕組みを作りがちでした。WEEE指令への対応を考えても複数の規制対応が必要ですから、RoHS指令のCEマーキング対応のためのBOM(Bills of materials 部品表)への統合やISO9001の設計管理への統合やサプライチェーンマネジメントなどの自主的、自律的マネジメントシステムの構築が効率的になります。

(松浦 徹也)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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