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ここが知りたいRoHS 指令

コラム

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14.05.09

製品のマーケティングに関する共通枠組み(決定768/2008/EC)と関連規制が求めるもの

改正RoHS指令(RoHS2)の大きな改正事項が、第7条(製造者の義務)で(a)項から(j)項の「特定有害化学物質の非含有要求」「非含有の確認手順」「非含有宣言」「記録の保管」「生産手順」「不適合品手順」「製品識別手順」「製造者識別手順」「リコール手順」「当局への情報提出手順」の10項目の義務を製造者に課しています。そのなかで(b)項「製造事業者は、必要な技術文書を作成し、決定 768/2008/ECの付属書IIのモジュールAに従い、内部生産管理手順を実施、もしくは実施された状態とする」が、ことに日本企業にとっては新たな大きな義務と思われます。
 決定 768/2008/ECの本質を理解し、漏れの防止と3ム(ムリ・ムラ・ムダ)の防止を図ることが重要です。モジュールAや整合規格EN50581についてはこれまでも解説してきましたが、改めて決定 768/2008/EC等が求めるものを解説します。

1.決定 768/2008/ECの概要

決定 768/2008/ECはCEマーキングの規則の制定などの幾つかの政策目標により制定されていますが、第1条(一般原則)で次の目的を示しています。

(1)EUに上市される製品は、適用可能なすべての法令に適合させること。 (2)経済事業者〔注:製造者、代理人(製造者による書面による委託者)、輸入者および流通業者〕は、製品をEUに上市するとき、サプライチェーンにおけるそれぞれの役割において、適用されるすべての法令への適合に責任があること。 (3)経済事業者は、その製品に関連して提供する全ての情報が、適用されるEU規則に適合し、正確で完全であることを保証すること。

このようにRoHS2への適合は、決定 768/2008/ECにより適合性を設計段階と流通を含めた生産段階について確認することが求められています。決定 768/2008/ECは、適合性の対象をRoHS2だけでなく、設計段階と流通を含めた生産段階でその製品に適用されるすべての法令に適合させることと、情報開示の義務を課しています。 一般的な電気電子製品は、RoHS2、EMC指令低電圧指令ErP(Energy-related Products)指令REACH規則などが同時に適用されます。また、製品によっては医療機器指令(MDD)玩具指令なども適用されます。

RoHS2のスコープに新たに組み込まれた製品群の適用日は、次に示すように段階的になっています。

  • 医療機器(指令93/42/EEC)および監視制御機器 2014年7月22日 施行
  • 体外診断機器(指令98/79/EC)             2016年7月22日 施行
  • 産業用監視制御機器                   2017年7月22日 施行
  • その他第11分類機器                   2019年7月22日 施行

しかし、RoHS2の適用前であっても、他の指令でCEマーキングが要求される場合がありますので留意しなくてはなりません。

2.決定 768/2008/ECの理念

EUの法令は前文でその法令の主旨などの理念を明確にしています。
 前文第8文節で適合性要求事項について、「個別製品に関連する(製品分野別)法令は、可能であれば常に技術的な詳細を法令で規定することを避けて、必須要求事項に留めるべきである」とし、「技術的な詳細を規定は整合規格を用いるべき」としています。
 しかし、「健康及び安全、消費者や環境保護、その他の公共の利益に関する問題や明確で実際性が求められる場合は、詳細な技術仕様が関連法令に規定される」と記述しています。任意規格と強制規格です。

これを受けて、前文第9文節で「整合規格への適合により法的規定に適合していると見なす」としています。これが「ニュー・アプローチ」と言われるもので、従来の国別の異なる技術基準(オールド・アプローチ)を改革したものです。
 決定 768/2008/ECの付属書IIのモジュールA(内部生産管理)は、一般的には「自己適合宣言」と称されるように、第三者認証が不要な自社のみで適合宣言ができます。この「自己適合宣言」によるCEマーキングは、次に示しますが、日本語のイメージより重いものがあります。

前文第31文節で「CEマークを貼付することにより、製造者は製品が適用されるすべての要求事項を満たしていることを宣言していること」および「製造者がすべての責任を負うこと」を製造者とユーザーの両者に明らかにすることが重要としています。この背景には、前文第28文節で「すべてのサプライチェーン(販路)に対して、製品のトレサビリティを確実に可能にすることが、市場監視を容易にし、効果的にすることができる」とし、「効果的なトレサビリティシステムは、不適合製品を市場で利用可能にしている経済事業者を追跡する市場監視当局の業務を容易にする」としています。

この部分をRoHS2では、第7条(i)項で「上市した電気電子機器について、本指令への適合がされていないと思われる、もしくはしていないと信じる製造者は、その電気電子機器について、適切な場合には即座に是正措置をとることとし、本指令に適合させる、販売を中止する、もしくはリコールを行うこととし、即座に不適合と是正措置についてその電気電子機器を上市している加盟国の国内所轄官庁に通知することとする」(和訳参考資料:有限会社 イーアイイー、瀧山 森雄)としています。
 リコールをするためには、最終ユーザーまでの販路を把握しておくことが重要となります。

3.規則765 /2008/ECとの関係

RoHS(II)指令の第14条(CEマーキングに関する原則)は、「CEマーキングは、規則765/2008 第30条に規定される原則に従うものとする。」としています。規則765/2008/EC(製品のマーケティングに関する認定及び市場監視の要求)は、第1条で適用範囲は「適合性評価機関の認定」「製品の市場監視」「第三国からの製品の管理の枠組み」「CEマーキングの一般原則」で、第30条(CEマーキングの一般原則)では次を示しています。

第1項:CEマーキング(用語の定義:貼付を規定しているEU法令が定める適用可能な要求事項に対してその製品が適合していることを製造者が示すマーク)は、製造者またはその認定代理人によってのみ貼付される。
 第2項:CEマーキングは、特定のEU法令により貼付が規定されている製品に限って貼付されなければならなく、他の製品には貼付してはならない。
 第5項:CEマーキングの意味や形に関して、第三者に誤解を与える可能性がある製品へのマーキング、記号または刻印を禁止される。それ以外は、CEマーキングの視認性、読みやすさと意味が損なわないことを条件として製品に取り付けることができる。

CEマーキングは、まずその製品に適用される法令(整合規格)を調査し、適合性を技術文書で確認し、CEマークを貼付することになります。CEマークと一緒に「RoHS適合品」などの表示は許容されます。

税関での監視は第27条(EU市場へ入る製品の管理)の第3項で自由移動を停止(通関停止)する要件が以下のように示されています。
 (b)製品に関連するEU法令によって必要とされる文書または電子文書を添付されていないか、その法律に基づいた表示がされていない。
 (c)CEマーキングが虚偽または誤解を招く方法で製品に貼付されている。
 文書はハード的なものだけでなく電子文書も認めていることが注目されます。

EU市場での監視は第19条(市場監視方法)第1項で「市場監視当局は、文書確認および十分なサンプルに基づいて、適切な物理的および試験所確認によって適正な規模での製品の特性に適切な確認を実施しなければならない。その際市場監視当局は、リスク評価、苦情やその他の情報の確立された原則を考慮に入れるものとする」と規定しています。
 さらに「必要とされる文書および情報を経済事業者に要求できる」とし、「必要で正当化できる場合は経済事業者の構内に立ち入り、必要な製品サンプルを採取できる」としています。

同時に「市場監視当局は必要と考える場合に、重大なリスクを与えている製品を破壊または動作不能にすることができる」という強い権限が与えられています。この背景には、理念を示す前文第1文節で「EU域内での製品の自由な移動の恩恵を受ける製品は、一般的な健康と安全、職場での健康と安全、消費者保護、環境保護およびセキュリティの保護などの公共の利益の高レベルの保護を規定する要件を満たすことを保証する必要があり、同時に製品の自由な移動がEU法令または他の関連EU規定の下で許可される範囲を超えない程度で制限されないことを確実にする」があります。CEマーキングは「自由」と「責任」という厳しい理念が基本となっています。

4.一般製品安全指令との関係

決定 768/2008/ECは前文第2文節で「本決定は製品分野別法令に適用する」としています。RoHS2やEMC指令などの分野別の製品安全指令は特別法の位置づけで、全製品に共通の製品安全要求は一般製品安全指令(General Product Safety Directive GPSD:指令2001/95/EC)で要求されています。
 GPSDは「消費者による使用を目的とする全ての製品、あるいは消費者による使用を目的としてはいなくとも、常識的に当然の予想される状況の下で消費者に使用されると思われる製品」が対象です。
 GPSD第5条は「消費者がその製品の通常のまたは常識的に予想し得る使用期間中に発生し得るリスクを評価し、そのリスクに対し予防措置をとることができるように製造者はその業務活動の範囲内で、関連情報を消費者に提供するものとする」としています。
 GPSDは特定製品の安全要求基準を整合規格として定めています。
 GPSDは、「特定の製品に関し、その安全性を規定する特別の規則がEU法令に存在しない場合にのみ適用」されます(第1条第2項)が、「それにもかかわらず、消費者の健康や安全に害があると証明され、加盟国が適切な措置をとってその製品の制限や市場からの引き上げを要求する場合」はGPSDが適用されます(第3条第4項)。
 RoHS2やEMC指令などの分野別要求だけでなく、消費者向け製品はGSPDの要求を満たさなくてはなりません。
 なお、消費者向け製品と分野別製品規制との間に混乱が生じているとの認識で、消費材の安全性を改善し、食品以外の全ての製品に関する市場監視を強化するGPSDの一連の規則案(パッケージ)が提案されています。

5.まとめ

RoHS2の第7条で製造者の義務はCEマーキング義務だけでなく、関連する上記のさまざまな規定への対応が要求されています。個々の要求を見ると難しいのですが、決定 768/2008/EC R12条(CEマーキング貼付の規則および条件)で「CEマーキング制度運用を確実にする既存のメカニズムを活用・補強し、誤ったマークの使用に対する適切な措置を講じる」としています。

RoHS2の整合規格EN50581ではISO9001品質マネジメントシステムを示唆し、IEC/TR 62476(電気電子機器における物質の使用制限に対する製品の評価のためのガイダンス)を紹介しています。IEC/TR 62476にはISO9001との対比表もあります。日本ではJIS Z 7201が参考になります。
 これら規格類はISO9001などの既存の仕組みのなかに、規則765/2008 第30条に規定される原則を組み込むことためのガイドともいえます。

(松浦 徹也)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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