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ここが知りたいRoHS 指令

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14.03.14

海外法規制の基礎解説その3~RoHS(II)指令「大型固定工具」と「大型固定設備」の考え方~

RoHS(II)指令では、「大型固定工具」と「大型固定設備」は第2条で適用範囲から除外されています。「大型」「固定」「工具」「設備(装置)」の定義は指令に明記されてなく、FAQなどを参考にして企業が解釈する必要があります。適用範囲に関わることを整理してみます。

1.RoHS(II)指令第3条(3)項の「産業用大型固定工具(large-scale stationary industrial tools )」と同(4)項の「大型固定装置(large-scale fixed installation)」の定義

(1)産業用大型固定工具の要件

  • 所定の場所に恒久的に使用する
  • 専門家によって据付される
  • 専門家によって取り外される
  • 製造工場または研究開発施設で専門家によって使用または保守される
  • 特定用途のために機能する機械、機器及び/または部品の大型組立品

(2)大型固定装置の要件

  • 所定の場所に恒久的使用する
  • 専門家によって「組立」及び据付される
  • 専門家によって取り外される
  • 複数の種類の装置(apparatus)及び該当する場合は他の装置(device)の「大規模な組合せ」

カギ括弧の部分が大型固定工具と大型固定装置の違いの要点です。

「工具」は、生産者が一体として組み立てて納入したものを据付専門家が所定の場所に永久的に据え付けるものです。工作機械のマシニングセンター、旋盤などのイメージです。
 「装置」は、(さまざまな)生産者によって生産された装置を専門家が組立、据付されるものです。すなわち「大型固定装置(large-scale fixed installation)」は、生産ラインを構築するような、あらかじめ定められた場所で複数の装置を専門家によって組み立てるものです。
 専門家による据付あるいは取外しの解釈は、RoHS指令のFAQのQ3.1に「特別な組立機器の必要性、必要な許可、運転開始が専門技術作業の場合に訓練を要する、相当の設置時間を必要とする」を挙げています。
 「恒久的使用」の解釈は、同じくQ3.1で「機器が容易に再配置できない、移動することを意図していない場合及び1つの場所での使用を意図している場合」を挙げています。

2.EMC指令の固定装置の解釈

RoHS(II)のFAQのQ3.1にみられるように、RoHS指令はEMC指令、低電圧指令や機械指令などとの整合性が取られています。
 EMC指令(2004/108/EC OJ 2004.12.31 L390 24)第13条の固定装置では次の要求があります。

第13条 Fixed installations(固定設備)(要旨)
 第1項:上市され固定設備に組み込まれる可能性のある装置(apparatus)は、EMC指令による「装置」に関するすべての規定の対象とする。
 しかし、装置が所定の固定設備(fixed installations)に組み込まれることだけを意図し、それ以外に販売されない場合は、第5条(附属書Iの必須要求事項)、第7条(附属書IIによる内部品質監査による適合性評価手順)、第8条(CEマーキング)及び第9条(その他のマーク及び情報)は強制しない。
 この場合には、装置に添付する文書に、組み込む固定装置及びその電磁両立性特性を特定して、また、組み込み時に適合性を損なわないために、固定設備に装置を組み込むためにとるべき注意事項を表示しなければならない。

特定の固定装置にしか組み込まれなく、それ以外に市販されない装置は第5条(EMCの必須要求事項)、 第7条(適合性評価)、第8条(CEマーキング)、9条(他のマークと情報)は、強制されません。しかし、現場で専門家によって組み立てる個々の移動可能な装置はEMC指令の対象となります。
 特定の固定装置にしか組み込まれなくそれ以外に市販されない装置はCEマーキングが免除されますが、組み込み固定装置への組み込み時の注意事項の明示などが要求されます。
 留意点は、「組み込み時に適合性を損なわない」ことが要求されていることで、CEマーキングは要求されませんが、EMC指令の要求事項への適合はさせることが求められていることです。

製造者の義務は自主的部分が多いのでRoHS(II)指令のFAQのQ3.3項の解釈も確認する必要があります。
Q3.3 「大型固定工具」と「大型固定設備」に使用される品目(items)については誰が責任を負うのか?
A3.3 第2条4項d(大型固定工具の除外)および第2条4項e(大型固定設備の除外)と併せて解釈した第2条4項cに基づき、RoHS(II)指令は「大型固定工具」または「大型固定設備」の一部として特に設計され、設置される機器には適用されない。したがって、この指令が電気電子機器の製造業者や、流通網で活動する事業者に課す義務は、前記の装置に関してはそれ自体としては適用されないが、当該製造業者はそれにもかかわらず、第2条4項cで設定された条件を満たしていることを確実にしかつ立証しなければならない。他の事業者も、この点では証拠書類を提出し、情報を提供しなければならない。設置業者の義務は、RoHS(II)指令の文言では触れられていないが、それにも関わらず、その装置の設置業者がその装置を製造していない場合に、証拠書類を提出し情報を提供するという本来負うべき責任を除外することはできない。

固定工具・装置としての除外は、除外の決定の責任(Q3.1の立証責任)があります。漫然と除外はできないとしています。

3.大型の解釈

大型の定義を整理します。RoHS(II)指令のFAQ3.1に次の回答があります。
 Q3.1:「大型固定工具」及び「大型固定設備」とは何か
 この回答のなかで、「Both terms are explained in the definitions(Articles 3(3)and 3(4)),however it is not explained what "large-scale" means」とあり、大型の定義がないとしています。
 なお、toolは「Tools are essentially machines, stand-alone or assemblies, often with moving parts, and used for example for the treatment or manufacturing of materials and work pieces」としていますので、マシニングセンターのような工作機械をイメージしています。
 「It is the responsibility of the manufacturer, importer, or any other economic operator involved to assess whether his tool or installation benefits from either exclusion」との記述があり、適用除外の評価は製造企業にあります。

企業が評価するための支援として、次が大型固定設備として例示されています。

  • ロボットや機械工具を含む生産・加工ライン(工業、食品、活字メディア等)
  • 乗客用エレベーター
  • コンベア輸送システム
  • 自動保管システム
  • 発電機などの配電システム
  • 鉄道信号インフラ
  • 非住宅用に特別に設計された固定据付型の冷房、空調や冷蔵・暖房システム

2012年7月のFAQ案では、公称冷却容量12kWを超えるもの、暖房システムで公称容量70kWを超えるもの、または換気システムで、パワー入力が125Wを上回るものを超える場合としていました。12月に出されたFAQでは削除されましたが、このあたりが個人住宅用と産業用の区分けのイメージになっています。

上記の例示リストは、EMC指令のガイドラインと同様です。
 スタンドアローンの産業機械は、「大型」を寸法、重量、容量や処理量などで特定できるとしています。寸法基準として、輸送関連基準の例えば船舶輸送コンテナのISO基準の20ftコンテナを挙げています。日本でも最大総重量24tの20ftコンテナ及び、30.48tの40ftコンテナを陸送するための法改正を行っています。20ftコンテナは一般車両での制限をうける大型重量の基準です。
 FAQでは上記を「This is only an indicative list」(例示)としています。
 EMC指令でも大型の用語の定義はないのですがEMC指令のガイドライン1.3.1項では、「生産ラインのように大型機械が固定設備に対する定義を満たす場合は、大型機械にも適用される」としています。
 大型機械が固定設備の定義を満たしていれば大型機械にも適用されます。
 なお、日本では建機関係でガイドがあります。

4.企業としての判断

企業として固定設備または大型の判断は、上記のガイドラインやFAQを参考にして自ら決定します。留意点は、EMC指令やRoHS(II)指令との整合性です。EMC指令では移動設備としてCEマーキングを対象とし、RoHS(II)指令では対象外とするのは矛盾する可能性があります。
 適用範囲外とするには企業の立証責任がありますので、技術文書(例えば、設計審査記録)に記載する必要があります。

(松浦 徹也)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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