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ここが知りたいRoHS 指令

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13.11.15

RoHS(II)指令の整合規格EN50581(2012)が求めるサプライチェーンマネジメント(2)

前回はEU RoHS(II)指令の整合規格EN50581は求めるサプライチェーン管理について説明しました。前回の解説のキーワードはリスク管理でした。今回はリスク管理についてまとめてみます。

5.ハザード管理からリスク管理へ
 サプライヤーの評価と調達する部品や材料に特定化学物質が含有する可能性から非含有を確証するのがリスク管理です。ハザード管理からリスク管理は、化学物質規制法のキーワードで、日本の化審法でも同様に解説されています。
 一般的に、リスクは次で表されます。
 リスク=ハザード × 暴露量

REACH規則などの化学物質規制でのハザードは、GHS分類の基礎の半致死量などになります。暴露量は使い方による人体への吸入量などになります。
 EN50581が求めるリスク管理の場合の考え方は少し違った見方をします。
 ハザードは鉛やカドミウムの含有制限で、鉛とカドミウムは毒性が違っても同じです。暴露量は含有発生の可能性(起こりやすさ)です。
 リスクは、法的要求事項を守れない可能性になります。
 化学物質はハザードの低い化学物質への代替を行うことでリスクを下げます。RoHS指令などのハザードは特定有害物質の含有制限、CEマーキングの貼付義務や記録の10年間保管などで、代替などはできません。
 リスクはEUへの輸出をやめない限り(ハザード=ゼロ)、リスクはゼロにできなく、リスクを下げるには、「起こりやすさ」を下げるしかありません。
 「起こりやすさ」はプロセスの管理レベルで、ISO9001などのマネジメントシステムでの管理された状態の程度になります。

模式的なリスク計算をしてみます。
 十分に低いと言える(許容できる)リスク=1とします。
 ハザードをシナリオA=1,000、シナリオB=100と場合の許容できる暴露量は、Aの場合は0.001、Bの場合は0.01となります。
 ハザードが1,000の場合は、暴露量を0.001以下にし、ハザードが100の場合は暴露量を0.01以下にしなくてはならないことになります。
 ハザード(法的要求事項)の大きさ、影響度に応じた管理レベルを設定することになります。

6.「起こりやすさ」の管理
 企業内ではさまざまな工程があり、各種作業を行っています。サプライヤーも数多く関与しています。すべての作業やすべてのサプライヤーの管理を同じレベルで行うことは無理です。

一般的な管理での「起こりやすさ」では、許容できるリスクを超える場合に、作業管理やサプライヤー管理を強化します。
 許容できるリスクを超える可能性の高い工程やサプライヤーの特定は、IPO(I:Input P:Process O:Output)分析と呼ばれる手順が有用です。
 対象とする工程、作業やサプイヤーのProcess(作業内容)を調べて、順法に影響する作業要素を調べます。設備や作業者の技能なども影響することもあります。
 Inputはその工程などに持ち込まれる材料や情報などを対象にして、順法に影響する作業要素を調べます。
 OutputもProcessの結果として生じるもので、製品だけでなく記録や提出データになります。

順法に影響する作業要素の洗い出しは、定常作業だけでなく非定常作業、臨時作業や事故時作業などを対象とします。定常作業ではRoHS指令対応はできていても、臨時作業では抜けが起こりがちです。
 例えば、プリント基板のはんだ付け作業では、通常は鉛フリーはんだのディップ槽ではんだ付けをしているが、組立工程ではんだ不良を発見し、手作業ではんだ付けをしたときに共晶はんだ(有鉛はんだ)を間違えて使ったなどです。
 順法に影響する作業要素の洗い出しを終えたら、その作業のミスの「起こりやすさ」を明確にします。過去の不良集計、クレーム集計や業界情報などを参考にして推計します。
 IPO分析で参考となる手順が食品業界で多用されているHACCP1)です。
 この一連の手順により、管理すべき事項を具体化します。結果は作業者の教育訓練、要領書作成や検査基準書の作成などになります。

7.まとめ
 RoHS(II)指令によるCEマーキングは、自己宣言であり、順法宣言のベースはリスクマネジメントになります。リスクはゼロにならなく、経営として許容できるリスクまで下げるために管理レベルを設定することになります。
 日本企業は潔癖でリスクは限りなくゼロに近づけるべきとして、厳格な管理をしがちです。
 あまりにも多くのことを作業者やサプライヤーに求めると抜けが生じます。要求事項を少なくするほど漏れなく守られます。
 IPO分析を展開すると、原材料メーカー(川上企業)、加工メーカー(川中企業)、セットメーカー(川下企業)のサプライチェーン全体の作業要素が明確になります。
 1つの部品についてのサプライチェーンのなかの重要管理やサプライチェーン全体を俯瞰して、検査などをどこで行うのが最適であるのかなどを決定することが望まれています。

(松浦 徹也)

1)
http://www.shokusan.or.jp/haccp/basis/QA/index.html
http://www.taibei-haccp.com/process.html

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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