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ここが知りたいRoHS 指令

コラム

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13.06.07

EU RoHS(II)指令とISO9001の関係(2)

前回に続いて、適合宣言を支えるマネジメントシステムについて解説します。

1.中国の動き
 2011年8月25日に公開された中国のRoHS(II)管理規則案に関する国家統一普及電子情報製品汚染源制御自発認証実施規則〔2011年7月26日(以下、実施規則)〕の要求内容を見ますと、EUの要求に似ています。

実施規則による自発的認証制度の手順は、EUのDecision No 768/2008/ECの付属書IIモジュールAにノーティファイドボディを関与させたようなイメージです。実施規則でも特定有害化学物質の電気電子機器への非含有を技術文書で確認し、生産段階での実施体制も確認する仕組みを含めています。
 実施規則はCEマーキングのモジュール方式を思わせる4つ自発的認証方式があります。

  • タイプ1:型式試験
  • タイプ2:附属書Iに収載された部品類
  • タイプ3:完成品及び組立製品(複雑製品)
  • タイプ4:すべての製品

タイプ1からタイプ3は、申請すると書類審査があり、その後サンプル試験が実施されます。タイプ4は書類審査、サンプル試験後に初回工場審査があります。
 実施規則の4.1.2項の要求ではタイプ1からタイプ3の認証の申請時書類として、付録2の要求に従う生産企業汚染制御管理体系に関する管理書類が要求されています。
 タイプ4は工場審査では生産企業の品質保証能力に関する検査として、認証機構が審査員を派遣し、付録2による「生産企業管理能力要求」に従い、生産企業に関して検査するとしています。
 付録2の生産者汚染制御(RoHS)管理能力要求事項は次です。
(1)一般要求
(2)責任
(3)汚染制御(RoHS)の管理リスクの判別、確認及び制御
(4)資源
(5)文書及び記録
(6)設計及び変更
(7)汚染制御・部品、部品及び材料の仕入、納品、検査及び確認
(8)生産工程の管理及び検査
(9)出荷検査
(10)マークの追跡
(11)不合格品の処置
(12)監視及び測定
(13)包装・運搬・保管およびサービス
 付録2の内容については、すでに2012年4月20日付けコラムで解説していますのでご確認ください。
 実施規則では付録2で示されたISO9001に準じたマネジメントシステムが要求されていて、タイプ1-タイプ3の申請では「品質マニュアル(生産企業汚染制御管理体系に関する管理書類)」の添付が要求され、タイプ4では工場審査では「品質マニュアル」による実施状況が監査されることになります。
 グローバルアプローチと同じ考え方です。

2.RoHS指令とISO9001の統合システム
 実施規則ではISO9001に準じたマネジメントシステムを付録2で示しています。一方、EU RoHS(II)指令については、技術報告書の位置づけとなりますがIEC/TR62476:2010(電気電子機器における物質の使用制限に対する製品評価のためのガイダンス)で、ISO9001とISO14001との要求事項の対比を示しています。
 例えば、IEC/TR62476の5.2.2項(サプライヤ情報)では次をガイドしています。

複雑な製品については、サプライヤ情報の収集により、材料、部品、半組立品で費用がかかる繰返し試験を避けることができる。サプライチェーンの影響を最小限にし、サプライチェーン全体での情報の一貫性と費用対効果の高い情報の流れを確保するために、サプライヤ情報の収集は、利用可能な場合には、業界の基準に基づく必要がある。 サプライヤから入手することができる文書の種類は次である。

  1. 製品、部品、半組立品中での指定規制物質の含有量に関するサプライヤからの適合宣言書又は適合証明書
  2. 材料宣言データシート(特定の物質の含有についての情報を提供する)
  3. 分析試験結果(制限及び推奨される使用方法については第6項を参照のこと)
  4. 材料、部品、又は半組立品の規制物質の含有量を指定する署名された契約書
  5. サプライヤ監査 及び/又は 評価報告書
     (以下略)

IEC/TR62476の附属書A(規制物質管理の項目と既存のISOマネジメントシステム要求事項の対比表)の5.2.2項(サプライヤ情報)では、次を示しています。

次の要素を含む効果的なサプライヤ規制物質管理(RSC)を確実にする。

  1. 最終製品を構成する材料、部品、半組立品の全サプライヤに対し、RSCを要求
  2. 生産者の規制物質管理RSC基準に適合することを、材料、部品、半組立品のサプライヤ製品供給能力に基づき、評価・選択
  3. サプライヤの規制物質管理RSCの有効性確認と、必要に応じた改善要求

IEC/TR62476の要求事項とISO9001、ISO14001の要求事項を対比させて整理しています。
 附属書Aのなかで、ISO9001の7.4.1購買プロセス、7.4.2購買の情報に対比させています。自社のISO9001の品質マニュアルの購買プロセス、購買情報にプライヤ規制物質管理(RSC)を取り込むことをガイドしています。
 JIS Z 7201(製品含有化学物質管理-原則及び指針)の4.4.3.1(製品含有化学物質情報の入手・確認)で、「組織は、供給者へ購買における製品含有化学物質に関わる管理基準(購買管理基準)を提示し、製品含有化学物質情報を入手することが望ましい」としています。
 これもISO9001の品質マニュアルの購買プロセスに入れる項目になります。
 EU RoHS(II)指令の整合規格は、今後追加されると思いますが、最初にEN50581が告示されています。EN50581の概要は2012年11月2日付けコラムで解説していますのでご確認ください。
 EN50581はIEC/TR62476と調和されています。IEC/TR62476の5.2.2項(サプライヤ情報)について、EN50581の4.3.2項で「材料、部品、半組立品に必要とされる技術文書の種類は、製造者による『材料、部品、半組立品に制限された物質が含まれている可能性』と『サプライヤの信用格付け』の評価に基づくべきである」としています。
 EN50581では、調達部材の特定有害化学物質の含有の可能性とサプライヤの管理レベルからリスクを勘案し、収集すべき情報を決定することを要求しています。調達する部材すべてに非含有証明と分析データをセットにすることは要求されていなく、リスク判断で生産者が決めることになります。
 リスク管理は一般基準がなく、日本企業の多くが行動を決定する時に迷い、万が一を考えて、重い仕組みにしがちです。EN50581の含有リスクでの優先項目は「含有の可能性」と「サプライヤの信頼性」です。
 「含有の可能性」は、電気電子業界で活用されている技術的情報などに基づいて技術的判断を加えるとしています。この技術的情報としては、IEC/PAS 62596:2009「電気電子製品-規制物質の濃度定量-サンプリング手順-指針」の附属書Bに「電気電子製品に使用される材料及び構成部品中の規制物質の存在確率」が推奨されます。中国の実施規則では、タイプ3の適合確認は「初回検査の範囲はGB/T 26572-2011付録DのD1表の中の使用制限物質の存在可能性が『H』のすべての場合は蛍光X線分析でなく、化学検査で適合性を確定する」としています。このD1表がIEC/PAS 62596(草案段階)「附属書B」と同じ内容です。BOM CheckでもIEC/PAS 62596の利用を推奨しています。
 「サプライヤの信頼性」は、多くの日本企業が導入しているISO9001品質マネジメントシステムの7.4項(購買)が利用できます。例えば、「取引先審査報告書」に、「化学物質混入リスク(a.ありえない、b.少ない、c.高くはない、d.高い)」や「化学物質管理体制(a.確立されている、b.ほぼ確立されている、c.不明確)」などの項目を入れて、審査のチェックリストにSDS・AIS・サプライヤ評価書の確認などを入れます。
 取引先審査(評価)は定期的に行っていますので、従来の評価にRoHS(II)指令の「特定有害化学物質含有管理状態」の確認項目を追加すればよいことになります。
 このように、ISO9001品質マネジメントシステム(ISO14001でも)にRoHS(II)指令、RoHS(II)管理規則の要求事項を統合した仕組み作りが効果的です。整合規格のEN50581は、サプライチェーン管理の要求でもあります。既存の仕組みを活用して効率的な管理が望まれているところです。

日本の経済産業省も関連した動きがあります。5月13日に「化学物質規制と我が国企業のアジア展開に関する研究会」が開催されて、サプライチェーン間の情報伝達についいて検討がされました1)
 研究会を受けて5月16日に「情報伝達ワーキンググループ」が開催(公開)され、具体的な論点が整理され、検討が行われました。
 議事録等は現時点で公開されていませんが、当日配布資料で気になる論点の要旨が次です。

i.川上・川中企業
情報伝達の信頼性を向上させるため、川下企業のニーズが高いRoHS対象物質など内外の法令において含有が禁止されている物質については、伝達元において、含有または非含有を明確に記載する。ただ、伝達元における分析を要求するものではない。

ii.川下企業
川下企業は、特別な事情がない限り、新標準方式と異なる独自の要求を抑制する。

関連ですが、川中の中小企業の状況調査報告書〔平成24年度環境対応技術開発等(製品含有化学物質の情報伝達の実態に関する調査)〕が経済産業省のホームページに掲載されています。この報告書の調査事業はJ-Net21の「ここが知りたいRoHS指令/REACH規則」のコラム、FAQ担当者が参画しました。
 報告書の別紙1にISO9001とRoHS指令やREACH規則の要求事項を統合した企業内での取組みの手引きが収載されています。

今後の動きに注目したいと思います。

(松浦 徹也)

1)
http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/seisan/kisei/001_giji.html
http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/seisan/kisei/001_haifu.html

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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