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ここが知りたいRoHS 指令

コラム

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12.12.07

クロムめっきに関する知識の整理

「クロムめっき部品を検査したところ六価クロムが検出されたが、六価クロム含有量の計算において、分母を何にするか」という疑問を幾つか聞きました。そこでこの疑問点を整理してみます。

1.測定法

EU RoHS(II)指令の特定有害物質の測定法はIEC62321で、六価クロムの測定法は附属書Bに収載されています。附属書Bには、スポットテスト法(B.5.1)六価クロムの測定と沸騰水抽出法(B.5.2)があります。スポットテスト法で陰性(1mg/kg以下)であった場合や確信が持てない場合に沸騰水抽出法が採用され試験品の表面積50cm2あたり0.02mg/kg以上(陽性)であるか否かの判定をします。これは皮膜中の六価クロム濃度を示すものではなく、溶出した濃度を示すものです。
 実際の測定では、化成皮膜処理の場合は、皮膜形成後30日以内や沸騰水抽出法でも試料が酸性になるようであればpH調整するなどの対応がされます。

2.クロムめっきの種類

クロムめっきには金属めっきと化成皮膜処理があります。
(1)金属めっき
 めっき作業では、めっき液に六価クロムの液を使用します。金属の表面は金属クロム(0価)なっていて、表面には洗浄することで六価クロムはなくなります。
(2)化成皮膜処理
 金属表面を化学的に処理して、その表面に不溶性化合物の被覆を生成させて、耐磨耗、耐食性などを増すことを狙っています。含有量は30-700mg/m2程度で、皮膜の色により異なります。
 従来の化成皮膜は六価クロムでしたが最近は三価クロムに置き換わってきています。化成皮膜中に水酸化クロム(三価クロム)などが含有されています。

3.金属クロムめっきのコンタミ

金属クロムめっきでは、化成皮膜処理と異なり、表面には六価クロムを含有していません。めっきする部品に細くて長い穴がありますと、めっき後の洗浄では穴にめっき液が残る(コンタミ)可能性があります。
 めっき面を顕微鏡で見ると意外にも細孔があり、六価クロムを使用しためっき液が洗浄しても残るとの情報もあります。

4.三価クロムから六価クロム

金属クロムめっきの表面はコンタミ以外では六価クロムは残りません。しかし、めっき作業者の健康を考慮して、六価クロムから三価クロムに変更する動きが増えています。
 化成皮膜処理でも六価クロムから三価クロムに変わってきています。
 三価クロムは、通常の環境条件では容易に、または直ちに六価クロムへ酸化されることはありません*1

200℃以上の加熱環境にさらすとの三価クロムが六価クロムに変わる可能性もあるとされています。現実には高温でなくてもわずかながら保管条件により、三価クロムが六価クロムに変わったとの情報もありますので留意が必要です。

5.金属(電気)めっきのコンタミ

金属めっきは六価クロムのめっき液を使用しても、めっき面は金属クロム(0価)であり、めっき液(六価クロム)は洗浄で除去できるとご説明をしました。
 サプライヤーを含むめっき工程で、洗浄不足、不適切な洗浄方法により、めっき液が残留していた場合の対応です。六価クロムの最大許容濃度は0.1wt%(1g/kg)ですが、分母は地金なのか、めっき層なのか問題となります。
 最大許容濃度は意図的、非意図的を問わず、含有している特定有害物質の濃度(重量)の規定です。コンタミは非意図的ですが、論点は、「含有」には洗浄不足などによる表面のコンタミを含むのかということです。
 適切な洗浄を行えば、表面残渣量は最大許容濃度以下になるのであれば、作業管理あるいはサプライヤー信頼性が問題となります。自社あるいはサプライヤーの品質管理、適合性管理システムを見直すことが必要になります。
 特にクロムめっきはサプライヤーに委託することが多いと思います。サプライヤーの工程管理が不十分で信頼性が低い場合は、自社監査人あるは外部の独立した監査人による実地監査が効果的な対応になります。サプライヤーの製造プロセス、及び適合管理システムに対する調査を行うことは、製造者とサプライヤー間双方の理解を深めるばかりではなく、信頼関係を築くことができます。

6.まとめ

EN50581によるサプライヤー管理(自社の作業管理)はリスクベースとなります。リスクが低いとはいえない部材やサプライヤーの信頼度から管理方法を決めることになります。今回のテーマでは、コンタミを起こす可能性が高い部材ですから、サプライヤー管理が重要となります。BOM Checkのガイドでは、サプライヤーを3区分にしています。
・タイプA:
 サプライヤーは、RoHSに対する深い理解があり、RoHS適合を保証する包括的かつ効果的なシステムがあり、このサプライヤー自身のサプライヤーから購入する部品、材料について選択分析を要求している。
・タイプB:
 サプライヤーは、RoHSに対する深い理解があり、RoHS適合を保証するシステムはあるものの、例えばこのサプライヤー自身のサプライヤーから購入する部品、材料についての選択分析を行っていないなど、ある点については見落としているかもしれない。
・タイプC:
 サプライヤーは、RoHSの要件に関する理解がない、もしくは適合を保証するためのシステムを持っておらず、サプライヤー自身のサプライヤーから入手される部品、材料についての宣言も確認していない。
 サプライヤーの評価により、納入部材のRoHS適合を確認するための要求文書を決めます。

・タイプAサプライヤー:
 サプライヤー宣言書、および/もしくは契約上の合意、もしくは各部材、パーツ、部品組立品に対するマテリアル宣言書
・タイプBサプライヤー:
 RoHS物質を含有する可能性が低い、もしくは中程度である各部材、パーツ、部品組立品についてのマテリアル宣言書。RoHS物質を含有する可能性が高い各部材、パーツ、部品組立品に対するマテリアル宣言書と直近の分析試験報告書
・タイプCサプライヤー:
 RoHS物質を含有する可能性が低い各部材、パーツ、部品組立品に対するマテリアル宣言書。RoHS物質を含有する可能性が中程度、もしくは高い各部材、パーツ、部品組立品に対するマテリアル宣言書と直近の分析試験報告書

製品から六価クロムが検出された場合は、濃度計算もさることながら、サプライヤー管理の見直しが肝要となります。

*1 http://www.env.go.jp/chemi/report/h24-01/pdf/chpt1/1-2-3-02.pdf

(松浦徹也)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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