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ここが知りたいRoHS 指令

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12.08.10

EU RoHS(II)のFAQから-大型の定義を巡る解釈-

2012年7月11日に9月14日を期限としてパブリックコメントを求めるFAQ案がEU環境総局から示されました。このFAQは2011年12月にも発行されるとのことでしたが、案文ながらようやく発行された感じです。
 FAQで最も気になるのが適用範囲であり、除外要件の「大型固定据付装置」の解釈となります。適用範囲から除外となる「大型固定据付装置」の解釈についてFAQ案では、「3. Scope ? Large-scale exclusions」として5ページにわたって詳細に示されています。
 そこで論点となっているFAQ3.1「Q3.1 What are "large-scale stationary industrial tools" and "large-scale fixed installations"?〔Articles 2(4)(d) and 2(4)(e) 〕」(Q3.1:「産業用大型固定工具」(第2条4項d)と「大型固定据付装置」(第2条4項e)とは何か)の要旨を解説します。

1.「工具」と「装置」について

定義は第3条3項と4項に示されていますが、「大型」の定義は示されていません。共通の要件としては、「特定の場所で恒久的に使用するために、専門家によって設置や取外しが行われる、機械やコンポーネントなどのさまざまな品目の組合せ」とされており、「工具」と「装置」は重複している部分が多々あります。
 重要な点は、「工具」と「装置」が異なるように、「工具」と「装置」では「大型」の意味が異なるとしています。
 工具は「本質的には機械であり、単体品か組立品かは問わず、通常は可動部分を持ち、典型的な機械工具は、また固定据付装置の一部分となる」こともあります。

(1)工具の要件

  • 機械、機器、コンポーネントの組合せで、特定の用途のために相互に機能する
  • 専門家によって所定の場所に恒久的に据え付けられる、または取り外される
  • 製造業や研究開発事業の専門家によって使用される、または維持される
  • 大型である

(2)装置の要件

  • 種々の形式の装置類の組合せ、必要に応じ他のデバイスも組み合わせる
  • 専門家によって組立、設置、取外しが行われる
  • 所定の専用の場所で恒久的に使用することを意図する
  • 大型である

「大型」とは本来寸法の基準を述べたもので、大型の工具および装置とそれ以外の類似のより小規模な装置との間には境界線を引くことができます。
 しかし、RoHS(II)では明確な定義はされていません。したがって、「工具」「装置」の適用除外を受けられるかを評価することは、製造業者、組立業者、ユーザーの責任となります。
 評価としては、機器、コンポーネント、サブアセンブリーの組合せがまとめられるか、または結合されるかして、1つの機器として上市される場合のEMC指令、LVD指令や機械指令などの他の指令の適用から検討することもできます。

2.「大型工具」と「大型装置」

自らの検討のためにFAQには「大型工具」と「大型装置」が例示されています。

(1)適用除外となる「装置」の具体例

  • 工業、食品、活字メディア等の生産や加工ラインのロボットや機械工具を含むもの
  • 乗用エレベーター
  • コンベア輸送システム
  • 自動倉庫システム
  • 大規模な固定据付式の冷却、空調、冷蔵システムで、国内での使用を意図していない公称冷却容量12kWを超えるもの、暖房システムで公称容量70kWを超えるもの、または換気システムで、パワー入力が125Wを上回るもの

(2)適用除外となる「工具」の具体例

  • NC旋盤や門型フライス盤・ボール盤などの材料、製品の生産、加工のための機械やその他の機械装置で類似の規模と重量を有するもの
  • 組立クレーン

(3)「装置」に該当しない具体例

建築物と敷地、化学プラント等は装置には該当しませんが、RoHS(II)が適用される「装置」または「工具」となる多様なサブシステムでできています。サブシステムの中には、EEEを含まないために最初からRoHS指令の規制の対象外にできるものや、適用除外できる装置や工具に該当するものがあります。RoHS(II)の規制の対象外となるこうしたサブシステムのために特別に設計された電気電子機器もまた、第2条4項cによって適用除外の適用となります。
 ただ、一般に卓上型の試験器具やIT機器は、産業用大型固定工具のカテゴリーには該当しません。
 上記の具体例に該当しない工具や装置については、個別に適用除外の文言に関して評価を行う必要があります。立証の責任は製造業者、組立事業者およびユーザーにあるとしています。

3.恒久的(permanent)とは

機械装置の中には一部可動式のものがあり、例えばレールの上を移動する半可動式機械装置のようなものですが、これは「恒久的使用」と解釈することが可能です。
 一方、供用期間中に別々の場所で使用されることを意図した電気電子機器は「恒久的」となりません。「恒久的使用」を判断する指標となるのは、装置が容易には再配置ができないか(または「移動することを意図」したものか)、そして1カ所で使用することが意図されているかどうかということです。

4.専門家による設置・取外し

専門家による設置・取外しの基準として、例えば特別な組立装置が必要か、許認可が必要か、装置の作動に専門的技術的作業、特別な訓練、相当の時間が必要かどうかなどです。

5.大型について

「大型工具」は、寸法、重量、容量、処理量、その他の性能に関連する基準によって識別したり差別化したりするときに使います。
 また、工具や装置の複雑性や設置、作動、維持、取外しに労力が必要かどうかも関係します。直接寸法の基準を導入することが可能な1つの方法は、運輸業に関連したものです。
 下記のガイダンス尺度と量的基準は装置に適用することが可能です。もし、装置が下記の基準の最低限を1つでも超えれば、これは大型であると考えることができます。

(1)寸法
 装置の設置や取外しをする際、運ぶべきパーツの合計が5.71m×2.35m×2.39mを超えてISO規格の20フィートコンテナでは運べない場合、これは大型であると考えます。

(2)重量
 多くの道路輸送トラックの重量の上限は44トンです。このため装置の設置、取外しの際に重すぎるため、上限が44トンのトラックでは運べない場合、つまり運ぶべきパーツの合計がトラックの最大積載量を超える場合、これは大型であると考えることができます。

(3)クレーンの必要性
 設置または取外しの際に重量級のクレーンが必要な場合、その装置は大型であると考えることができます。

(4)設置室
 装置を設置する際に、土台の強化など通常の産業環境には適合しなくて設置室の構造的変更を求められれば、その装置は大型であると考えることができます。

(5)定格電力
 装置の定格出力が375kWを超える場合、その装置は大型であると考えることができます。

(6)複雑さ
 寸法または重量を正確に測定することが困難な場合には、複雑性を質的な指標として考慮に入れることができます。これに含まれるのは、特別な電力網への接続、清浄乾燥空気や給排水以外のユーティリティへの接続が必要な場合、例えば、高圧の圧縮ガス供給、真空ライン、薬品供給ラインと排水処理などが必要な場合です。

これまで説明してきましたが「大型」という言葉は、工具と装置では必ずしも同じ意味ではありません。工具も、より小規模な産業工具と比較して大規模であっても、大規模な装置よりは格段に小規模である可能性があります。したがって、上記の装置の基準のリストに該当するような工具はどんな場合でも大型です。
 従来の大型のイメージと今回提案のFAQでは異なっています。上記のリストのように大型の事例は相当の大きさを持っています。

順法をどのようにして示すかが企業の大きな関心事です。RoHS(II)の順法は、FAQ2.4で不整合とは「製品が最大許容濃度に適合していないか、RoHS(II)に基づく適合宣言とCEマーキングの手続き要件を満たしていない」としています。次回は、CEマーキングに関するFAQの解説をします。

(松浦 徹也)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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