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ここが知りたいRoHS 指令

コラム

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11.04.15

改正RoHS指令について

2011年3月22日にEU議会と理事会が合意した改正RoHS指令が発表されました。

構成は前文30文節、本文28条、附属書8で、2010年11月24日に議会で採択された内容と用途の除外についての記述が若干違いますが、全体的にはほぼ同じです。11月24日の議会採択文書は12月3日付けコラムをご参照ください。

合意した改正RoHS指令文書は第2読会を経ることなく、今後は形式を整えて官報(Official Journal)で告示され、告示後20日目に発効されます(第27条)。加盟国は18カ月後(官報では具体的な年月日が記載されます)までに国内法や罰則等を整備しなくてはなりません(第23条第25条)。

改正RoHS指令の主要改正点について、12月3日付けコラムと一部重複しますが以下にまとめてみます。

1.前文から

EUの法規制は理念が前文で明確にされます。理念を理解することで規制の背景や方向性が見えてきます。

第1文節では、この改正で現行RoHS指令(2002/95/EC)に多くの大きな変更をしたとしています。また、第5文節ではカドミウム規制が現行RoHS指令と同様に記述されており、最大許容濃度はカドミウムだけが0.01wt%と他の規制物質より厳しい規制が継続されます。

第7文節では、カドミウム以外の重金属やPBB・PBDEの難燃剤の含有はWEEE指令の下でも健康または環境リスクを起こすとし、第15文節で重金属や臭素系難燃剤を使わない電気電子機器の開発を推奨しており、現行RoHS指令と同じ理念が継承されています。

一方、現行RoHS指令施行後にREACH規則が施行されており、その規制との整合が気になります。第10文節では、REACH規則附属書XIV(認可物質)と附属書XVII(制限物質)は改正RoHS指令で考慮して定期的に見直すとしています。特にHBCDD、DEHP、BBPとDBPは人の健康と環境への影響を優先すべきとしています。なお、HBCDD、DEHP、BBPとDBPはREACH規則の附属書XIVに2011年2月18日に収載されています。

認可を受けないと上市できない日没日(Sunset Date)は、HBCDDは2015年8月21日、DEHP、BBPとDBPは2015年2月21日です。

第16文節では、消費者保護について、予防原則の考え方でナノマテリアルなどについて環境に優しい代替技術を調べ、附属書II(特定有害物質と最大許容濃度)をREACH規則と相乗作用を最大化し補完的にして、レビュー、修正するとしています。

RoHS指令の特定有害物質、用途の除外などは附属書に記載されていますので、コミトロジー手続き(専門家会合で決定)で修正できます。

REACH規則の動向により、RoHS指令について議会に拒否権はありますが、コミトロジー手続きで修正されますので、REACH規則の附属書XIVと附属書XVIIの動向は見ておくことが肝要です。

EUの新たな政策についても理解が必要です。第17文節では環境と気候目的で再生エネルギーがEUの主要目的であるとし、改正RoHS指令は再生エネルギー開発を妨げないようにするとしています。ソーラパネルだけでなく、広く再生エネルギー関連はRoHS指令の除外を示唆されています。

2.適用製品(第2条)

附属書Iで11分類された電子電気機器(交流1,000ボルト、直流1,500ボルト以下)が対象となります。軍事用、宇宙用機器、産業用大型固定工具(large-scale stationary industrial tools)、大型固定据付機器(large-scale fixed installation)や能動型埋込医用機器(指令90/385/EEC)などが除外されます。

現行RoHS指令の適用外であった製品の適用時期は次のようになります(第4条)。

  • 医療機器(指令93/42/EEC)および監視制御機器:発効後3年
  • 体外診断機器(指令98/79/EC):発効後5年
  • 産業用監視制御機器:発効後6年
  • その他第11分類機器など:発効後8年
3.用語の定義(第3条)

新たに気になる次の用語の定義が追加されました。

(1)large-scale fixed installations(大型固定据付機器)
 現行RoHS指令は、第6分類で産業用大型固定工具が除外されていましたが、医療用具や監視測定機器には大型装置も多く、これらを除外するものです。要件は「事前に定義された位置に専門家によって恒久的に設置されて撤去される。工場生産施設または研究開発施設で、専門家によって使用されメンテナンスされる」です。このように除外適用範囲が広がっています。

(2)cables(ケーブル)
 250ボルト未満で電源、電気電子機器を接続するケーブルです。ケーブルは第4条で非含有義務があります。

(3)spare part(スペアパーツ)
 電気電子機器の一部を置き換えることができる部品であって、電気電子機器はその部品なしでは機能しなく、スペアパーツに取り換えることで電気電子機器の機能の回復またはアップグレードするものです。スペアパーツは第4条による特定有害物質の非含有義務があります。

(4)その他
 均質物質(homogeneous material)の定義が、従来のFAQの解説がそのまま収載されました。上市が従来の“put on the market”から“placing on the market”に変更になりました。CEマーキング制度が導入されますので、関連用語も定義されています。

4.予防(第4条)

第2条による電気電子機器、ケーブル、スペアパーツに附属書IIの特定有害物質を最大許容濃度以上含有させてはなりません。附属書IIの内容は現行RoHS指令と同じ6物質で、均質物質あたりの最大許容濃度も同じです。
 めっき、塗装や防錆被膜処理などの表面コーティングについては、専門委員会で細則をつくるとしています。論点になっている化成被膜処理の含有規制と溶出規制が整理される可能性があります。

5.用途の除外(第4条)

用途の除外は附属書IIIと附属書IVに示されています。
 附属書IIIはすべての電子電気機器が対象で、現行RoHS指令の除外の見直しの2010年9月25日の決定(2010/571/EU)と9月29日の正誤表(CORRIGENDA)がそのまま反映されています。2010年7月1日までの除外なども含まれています。

附属書IVは医療機器(第8製品群)と監視制御機器(第9製品群)の用途の除外です。これら機器はX線などの鉛を利用した防護やカドミウムを利用した検出器などが機能を満たすためには使用が不可欠とされています。除外は限定的に使用されなくてはならなく、電離放射線の利用または検出する機器(Equipment utilising or detecting ionising radiation)やセンサ、検出器および電極(Sensors, detectors and electrodes)などの用途分類により細かに除外項目が設定されています。

新たに追加された第11製品群(これまでの適用範囲外機器)の適用は8年後ですが、第8製品群や第9製品群のように固有の除外の必要性が懸念事項としてあります。
 除外はロビー活動で認められることが多く、猶予期間は8年しかなく、対応を急ぐ必要があります。
 第11製品群には、動物用医療機器、超音波洗浄機、オーブン、攪拌機、遠心分離機や電飾が施された靴や衣服などが考えられます。
 改正RoHS指令は、製品群と用途の除外がセットになっていることが大きな変更点です。

6.用途の除外の期間(第5条)

科学的、技術的進歩に応じて専門委員会が附属書IIIと附属書IVを適合させます。現行RoHS指令の対象製品群(第1製品群~第7製品群と第10製品群)と第11製品群に採用された処置は、指令発効後最大5年、第8製品群と第9製品群は適用後7年が最大有効期間です。有効期間はケースバイケースで決定され、更新もされます。
 更新は附属書Vの様式(項目)により、新規、更新、削除について専門委員会に提出します。専門委員会は15日以内に受領を通知し、即刻、加盟国に通知し用途の補足情報を含めて利用可能にします。
 用途の概要を公衆に対してインターネットコンサルテーションなどで利用可能にします。次いで用途を評価し正当化します。このコミトロジー手続きは有効期限の切れる18カ月前までに行います。コミトロジー手続きは有効期限の切れる6カ月前までに決定されます。
 認められれば最大で5年または7年間の新しい用途の除外となります。また、新規、更新が拒絶される場合は、決定の日から早くて12カ月、遅くて18カ月で廃止になります。決定が遅れる場合は、決定まで用途の除外は継続します。
 用途の除外には有効期間が設定され、更新ルールも明文化されました。

7.適合宣言(第13条~第14条)

第4条への適合宣言はCEマーキング制度が適用され、上市する前にCEマークを貼付しなくてはなりません。
 適用時期は、現行RoHS指令適用製品が改正RoHS指令の発効後18カ月、新規適用製品が第4条による非含有適用時期になります。
 CEマーキング制度により、整合規格が官報で告示されますが、IEC/EN62328と推測しています。なお、技術文書や販売記録は10年間保管となります。

8.生産者の義務(第7条)

生産者の義務として、RoHS指令への適合性評価(conformity assessment)を行い、技術文書を残し、自己宣言を行い、手順書による生産や設計変更の適合性の考慮、上市後不適合であればリコールが要求されています。新たな義務の明文化です。

9.見直し(第24条)

第2条の適用範囲の見直し:発効後3年で報告
  除外の追加:発効後3年で報告
  一般的見直し:発効後10年で報告

改正RoHS指令は、昨年11月の議会で採択された内容と同じですが、現行RoHS指令とは大きく変わってきます。CEマーキングの整合規格も告示されていない、表面コーティングの細則が未定、あるいはREACH規則の認可物質との関係などいまだ確定されていない事項もあります。4月中には官報がでると推測されていますが、関連情報取集は怠れないようです。

(松浦 徹也)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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