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ここが知りたいRoHS 指令

コラム

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11.02.10

コンゴ民主共和国(旧ザイール)産鉱物資源規制について

「顧客からコンゴ産の資源を使っていないことを証明して欲しいと言われたが、電子部品中の鉱物の原産地国は調べようがない、どうしたらよいのか」との質問をいくつかいただきました。

この要求は米国の「金融規制改革法」が根拠となっています。「金融」と「鉱物資源のトレーサビリティ」の関係は理解しがたいところですが、まずこの関係から整理していきます。

フェアトレード(公正な貿易で特に「南」の立場の弱い生産者の権利を守ること)やフェアウッド(違法伐採木材ではないことや生物多様性保護などに配慮した木材)を消費者団体などが主張しています。日本の法規制でもグリーン購入法基本方針 でフェアウッドを要求しています。

これまでの製品規制から製品原材料の公平性を要求するものです。この源流は、EITIという国際的イニシアティブの活動です。EITI(Extractive Industries Transparency Initiative:採取産業透明性イニシアティブ)とは、石油・ガス・鉱物資源等の開発に関連する採取産業から資源産出国政府への資金の流れの透明性を高めることで腐敗や紛争を予防し、成長と貧困削減に繋がる責任ある資源開発を促進するという多国間協力の枠組みです。採取産業のすべての関係者をまとめ、グッドガバナンスと透明性の向上を実現するために最適の方法を模索することが求められています1)

2010年7月21日にアメリカで1930年代以来となる金融規制の抜本的な見直しがされた金融規制改革法(Dodd-Frank Wall Street Reform and Consumer Protection Act of 2010)が発効しました。金融規制改革法は2007年~2009年のサブプライムローンやリーマンショックなどの金融危機につながった金融機関のリスク取引を規制し、消費者保護の強化を目的としています。

EITIの影響を受けて、タイトルXV(雑則)Sec.1502 Conflict minerals(紛争鉱物)でコンゴ民主共和国(Democratic Republic of the Congo)採掘の鉱物について良識的な交易を要求するものです。1994年以降のコンゴ東部で隣国ルワンダの紛争の影響で不安定化が進み1998年頃から武装勢力と政府軍による内戦状態になりました。また、レアメタルなどの豊かな天然資源の利権をめぐりルワンダやウガンダなどによる国際紛争に発展し第二次世界大戦以降で世界最悪の惨状になっています。2008年までに住民殺害が繰り返され約540万人が死亡、多数の女性が性的暴行の被害を受けたと報道されています。

この武装勢力が資金源として、錫、タンタル、タングステン、金 の原鉱をルワンダ、ウガンダなど隣国を経由した密輸により、毎年1億4400万USドルとも言われる資金を得ています。武装集団はこの資金で大量の兵器を購入し、住民に対して組織的暴力をふるい続けていると非難されています。

タンタルはコンデンサーの材料ですから、数百万の米国人が所持する携帯電話や音楽プレーヤに使われ、錫ははんだの材料ですから電気電子製品に使われています。先進国で武装勢力の資金源となるような製品作りは規制すべきであると人権保護団体、消費者団体などから要求がなされています。

金融規制改革法では、「紛争鉱物」として、原鉱石であるすず石、コロンバイト・タンタライト、金、鉄マンガン重石、またはそれらの派生物(cassiterite, columbite-tantalite, gold, wolframite, or their derivatives)を特定しました。これら原鉱石からすず、タンタル、金、タングステンが精製されます。

Sec.1502の規制内容は、証券取引法第13条(Section 13 of the Securities Exchange Act of 1934)のアメリカ証券取引委員会 (SEC)への年次報告書に「紛争鉱物」を使用する企業の原材料資源調達行動を報告させるものです。

詳細規制内容は開示規則として公布されます。規則案は2011年1月31日までパブリックコメントを募集していました。

報告対象企業は年次報告書に、コンゴ民主共和国及びその隣接国が特定紛争鉱物の原産国かどうかを調査し開示することが求められます。紛争鉱物の原産国が同地域に該当しない場合は調査プロセスを開示し、インターネットで公表しなくてはなりません。

紛争鉱物の原産国が対象地域である場合や判断が付かない場合は、年次報告書の添付文書として「紛争鉱物報告書(Conflict Minerals Report)」を作成し、「紛争鉱物報告書」をインターネットで公表することが求められます。

Sec.1502では、金融規制改革法の施行日(2010年7月21日)から270日以内に、最終開示規則を公表することを要求していますので2011年4月15日までに告示されると思われます。なお、Sec.1502はSECが最終開示規則を公表してから最初に開始する事業年度から、紛争鉱物に関する開示を行うことを求めています。

SEC開示規則の義務者は、SEC登録企業で、SECに対し報告書を提出する義務のない日本企業には開示義務はありません。しかし、SEC登録企業の紛争鉱物の原産国調査として、サプライチェーンの川上企業まで調査が来る場合があります。

一部、米国輸出企業がRoHS指令の特定有害物質やREACH規則のSVHCの含有調査と同様に調査をしているようです。

精製された鉱物の原産国調査は難しいものがあります。この調査は「合理的」な調査を要求しており、他のコラムでも度々出てくる「due diligence(やるべきことをやる)」が基本です。調査プロセスが重要な要素になり、そのプロセスが'due diligence'なのかが問われることになります。

金融規制改革法や証券取引法で紛争鉱物を取り上げているのは、投資家の保護の観点で規制をするものです。コンゴ民主共和国及びその隣接国を原産地とする「紛争鉱物(紛争レアメタル)」を使用した"ものづくり"を行っている企業は、投資家にとってはリスクを抱えていることになります。企業のリスクマネジメントの一つとして「紛争鉱物」の原産地国を管理するためにトレーサビリティを要求しているのです。

「紛争鉱物」を使用しても情報公開義務のみで、罰則はありません。現状は企業の社会的責任ですが、将来的には制裁措置も検討される可能性があります。「アフリカの紛争と関係のない製品の選別を消費者に促す」としてNGOなどはこの規制を歓迎しています。将来的には米国以外でも、コンゴ民主共和国及びその隣接国を原産地とする「紛争鉱物」は使わないことが義務化される可能性は高いと思われます。

(松浦 徹也)

1)http://eiti.org/eiti/principles

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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