ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

2009.04.03

RoHS指令の科学とテクニカル進歩への適応

欧州委員会がコンサルタント会社のOekoインスティチュートおよびフラウホーヘンIZM両社に評価を委託していたRoHS指令付属書にリストされている既存除外項目29項目(注)と新規の除外要求5項目の最終報告書(final report:2009年2月20日発行)が3月23日に欧州委員会のwebsite上に公表されました。

(注) RoHS除外項目は、2008年5月24日のOJ(EU官報)で3項目が追加され、32項目となっていますが、この報告書では除外3項目追加以前に委託されていたため、29項目を対象として報告されています。除外3項目の追加については、2008年6月6日コラム「新たなRoHS除外項目の公表」を参照してください。

この評価は基本的にRoHS指令の第5条(1)(b)の除外の基準に照らして行われています。具体的には次の4つです。
  (1)除外新要求5項目の第5条(1)(b)への基準への正当性を確認する。
  (2)付属書にリストされている既存29項目を第5条(1)(b)の除外基準に基づき、詳細なレビューを行う。
  (3)電機電子材料、部品、装置製造業者、リサイクル業者、処理オペレーター、環境組織、従業者、消費者組合などの利害関係者への相談事項への対応。
  (4)除外項目のレビュー結果に明白で一義的な推奨事項(リコメンデーション)を提供する。

評価対象の既存除外29項目と新規要求除外5項目に対する推奨事項は、期限付きで継続を認める項目が多い中で、除外を継続すべきではないとする項目が5つあげられています。 この5項目を表に記載します。

[表 除外を継続すべきではないとする項目]

[1. 既存除外29項目]
現状のタイトル 推奨事項(Recommendation)
16 管が珪酸塩で被覆されている直管白熱ランプ中の鉛 継続すべきでない。
(移行期限2011年中まで)
19 非常にコンパクトな省エネルギーランプ(ESL)の中にある主要合金として特定化学組成の中の(鉛、ビスマス、スズ)、(水銀、鉛、インジウム、スズ)、(水銀または補助合金としての鉛)、(スズ、水銀を伴う鉛) 継続すべきでない。
(移行期限2011年中まで)
20 液晶ディスプレイ(LCD)に使用されるフラット蛍光ランプの接着全面部と後部基板に使用されるガラスの中の酸化鉛 継続すべきでない。
(移行期限2011年中まで)
26 ブラックブルーランプ(BBL)のガラス筒中の酸化鉛 継続すべきでない。
(移行期限2011年中まで)
27 高出力拡声器用変換機(トランスデューサー)のはんだとしての鉛合金
(125dBSPL以上の音響出力で数時間作動するよう設計されたもの)
継続すべきではない
(移行期間はなし)
28 塗装金属板およびファスナーの腐食防止用途の6価クロム防食剤およびDirective2002/96/ECカテゴリー3の製品(ITおよび通信設備)内の電磁気インターフェースシールドに含まれる6価クロムに含まれる6価クロムを2007年7月1日まで除外を認める 継続すべきではない
(既に、除外期間は経過している)

[2. 新規除外要求5項目]
新規要求事項 推奨事項(Recommendation)
3 コーテックス部品のはんだ中の鉛 拒否

また、付属書No9a のポリマー用途のDecaBDEについては、2008年4月1日に欧州司法裁判所で除外無効の判決が出され、2007年7月1日から禁止となっており、本報告書では「もはや用いられない (obsolete)」とされています。

DecaBDEの除外無効判決については、2008年4月11日付けコラム「EU RoHS指令 Deca BDEの除外決定の無効判決が出ました !」参照。

2008年12月3日に公表された「提案RoHS指令」の付属書Vには現在の31除外項目がリストされていますが、今回の最終報告内容がどのように引き継がれていくのか気になるところです。

なお、本報告書に記載されている意見(view)は、筆責はすべて著者にあり、欧州委員会の意見(view)は必ずしも反映されていない。
  著者の推奨事項(リコメンデーション)は、欧州委員会がこれに従い行動することを意図した政策的あるいは法的なシグナルではないとしています。

(瀧山 森雄)

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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