ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

2008.11.28

IEC 62321は11月30日にISとして発行予定

RoHS指令の順法測定の基本となる測定法は、IEC/TC111/WG3でIEC62321として検討が進められています。ようやくIS(International Standard)として、発行を迎えることになりましが、過去の経緯をまとめておきます。

2004年12月24日に新業務項目が提案(PNW:Proposed New Work)されて以来、測定技術論を含めて論議、提案、修正が繰り返されてきました。ここ1年の中では、2007年10月12日にCCDV(Draft circulated as Committee Draft with Vote:投票用委員会草案)が修正提案され、12月14日までの期限で投票されました。

IECのCDVはISOではDISに相当しますが、投票結果は構成国32カ国中27国が賛成し、賛成が67%(2/3)を超えたので正式に承認されました。

これを受けて、TC(Technical Committee)とSC(Subcommittee)で修正意見を踏まえて修正が行われました。2008年1月11日にFDIS原案として審議され、3月14日に承認されました(ADIS:Approved for FDIS circulation)。

その後、校正(DEC:Draft at Editing Check)やFDISとしての登録(RDIS:Text for FDIS received and registered)を経て、8月1日にCDIS(Draft circulated as FDIS)が作成され10月3日までの期限で投票されました。

投票国数29で、賛成25、反対3、棄権1で賛成が67%を超えましたので採択されました。FDISの投票は賛成か反対で、修正意見は原則出されません。反対票の中での技術的理由は次回の改定の際に考慮されます。ただ、TCまたはSC幹事国から指摘された誤りは修正し印刷に回します。この修正案(APUB:Draft approved for publication)は2ページほどで、10月10日に発行されました。承認を得て10月13日に印刷に回されました(BPUB:Publication being printed)。

IECのホームページでは、発行予定日(PPUB:Publication issued)を11月30日までとしています。

ISの技術的な基本事項はCCDVの111/95/CDVと同じです。
試料サンプリング、蛍光X線分析装置によるスクリーニング、水銀測定、鉛およびカドミウムの測定法がポリマー、金属、機器中に分けて規定されています。

PBBとPBDEのGC-MS測定は附属書A、6価クロムの測定法は附属書B(皮膜中)附属書C(ポリマー中)に規定されています。PBB、PBDEおよび6価クロム分析法は本文でなく附属書に記載されていて、いわば参考扱いになっています。

IEC62321がISになる影響ですが、当面はRoHS指令の順法測定のエビデンスとして、ISによる測定は義務化されないと思います。

中国RoHS管理規則は測定方法をSJ/T 11365-2006で指定していますが、基本はIEC62321のCD版です。IEC62321がISになった時点で、電気電子業界標準であるSJ/Tを廃止し、ISを国家標準(GB)にすると表明しています。測定法を指定していない韓国RoHS 法やJ-Mossも整合をすると思われます。

EU RoHS指令の改定検討の中で、適合証明のマークの必要性がTAC中でも意見が出ています。論調からはCEマーキングを想定しているようです。RoHS指令がNew approach 指令になれば、IEC62321が支援規格になると想定されます。この場合は、強制規格の様相を呈します。

ともあれ、IEC62321のIS情報は把握してくことが肝要です。

IEC62321のWebサイト

(松浦 徹也)

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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