ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

EU その他の規制

1. ELV指令(2000/53/EC)(廃自動車指令)

ELV(End-of Life Vehicles Directive)指令は、2000年に公布された指令で、自動車に関するリサイクル要求と、特定有害物質の含有制限のWEEE指令とRoHS指令に類似した2つの要求があります。
 有害物質規制は、以下の重金属の4物質群です。RoHS指令で規制対象となっているPBB、PBDEは規制されていません。

  • 水銀
  • カドミウム
  • 六価クロム

最大許容濃度はRoHS指令と同じ均質材料の重量比の値で、カドミウムは0.01wt%、そのほかの鉛、水銀、六価クロムは0.1wt%で、電気・電子業界と自動車業界の最大許容濃度は同じです。

<適用除外用途>
 RoHS指令の場合と同じではありませんが、ELV指令においても適用除外用途が付属書II(Annex II)に規定されています。附属書IIは定期的に見直されており、最新版を確認する必要があります。2016年5月13日のコラム「ELV指令附属書II適用除外用途への科学と技術進歩の適用」最終報告書(第8次)について解説しています。

(1)合金元素としての鉛
機械加工目的の鋼と亜鉛めっき鋼(鉛≦0.35wt%)
機械加工目的のアルミニウム(鉛≦0.4wt%)
銅合金(鉛≦4wt%)

(2)部品中の鉛、鉛化合物
バッテリー
制振装置(バイブレーションダンパー)
パワートレインに用いられるエラストマー用の接着剤(鉛≦0.5wt%)
電子回路基板およびそのほかの電気部品中のはんだ
ガラス/セラミック基材に鉛を含有する電気部品(ただし、バルブとスパークプラグのグレーズを除く)
2006年7月1日以前に型式認定された自動車およびこれらの交換用の起爆剤

(3)六価クロム
キャラバン車の吸収式冷蔵庫

(4)水銀
ディスチャージランプ、計器パネルディスプレイ

(5)カドミウム
2008年12月31日以降は、同日までに上市された自動車用の交換用のNiCd電池のみ上市可能

また、EU以外でもELV指令に準拠した法規制を導入している国があります。2018年2月23日のQ.528でトルコとイスラエルでのELV指令に準拠した法規制について説明しています。

2. EuP指令(2005/32/EC)からErP指令(2009/125/EC)

エネルギー使用製品に対してエコデザイン要求事項を設定する枠組み指令EuP指令(Energy-using products)は、包括的製品政策(IPP)と第6次環境行動計画を背景として、2005年7月22日に公布されました。
 EuP指令は、京都議定書による地球温暖化ガス削減の数値目標達成が底流にありますが、原料採掘から生産、使用、廃棄のすべてについて環境影響を評価して、環境に配慮した「設計」「モノづくり」を要求するものです。
 ライフサイクル全般の評価は、セットメーカーのみでは対応できないので、サプライヤーはセットメーカーの要望により必要とされる環境情報を提供することが要求されています。
 EuP指令は枠組み指令ですので、具体的な要求事項はエネルギーを使用する個別の製品ごとの実施措置令とそれに対応した整合規格で決められます。EuP指令による製品ごとの実施規則は、2009年5月29日のコラム「EuP指令をめぐる最近の動き(1)」で、外部電源ACアダプター(Lot.7)、シンプルセットトップボクス SSTB地上デジタル受信機器など(Lot.18)のエコデザイン要求について解説しています。
 さらに、2009年6月12日のコラム「EuP指令をめぐる最近の動き(2)」では、待機電力、オフモード電力消費量基準(Lot.6)の情報を整理していますので参照ください。
 EuP指令(「エネルギー使用製品のエコデザインに関する指令」)に代わり、エコデザイン要求の対象製品を従来の「エネルギー使用製品」から「エネルギー消費に影響を及ぼす製品」にまで拡大したErP指令「エネルギー関連製品のエコデザイン指令(2009/125/EC))」が2009年に発効しています。2009年12月18日のコラム「エネルギー関連製品指令(ErP指令)が発効しました」で、ErP指令の発効について解説しています。2011年のQ.278では、EuP指令/ErP指令(エコデザイン指令)でのLot.11のファンについての実施措置について説明しています。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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