ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

中国版RoHS

2016年7月1日に「電器電子製品有害物質使用制限管理辨法」(中国RoHS(II))が「電子信息品染控制管理法(信息部令第39号) 電子情報製品汚染規制管理方法」(中国RoHS)の改訂版として施行されました。旧法の中国RoHSは同日付で廃止されました。中国RoHS(II)は、「清潔生産促進法」、「廃棄物残留環境汚染対策法」「廃棄電器電子製品回収処理管理条例」の上位の法律の細則の位置づけで、日本の法体系では省令イメージですので、「電器電子情報製品有害物質使用制限管理規則」とも訳されています。

新法と旧法の相違点などの詳細は以下のJ-Net21コラムをご参照ください。

対象製品

対象となるのは電気・電子製品で、「定格電圧が直流1500V/交流1000Vを超えない製品および付属品(発電所、送配電設備は除く)」です。
 対象となる電気・電子製品の管理に関しては目録管理方法で行うことが記されています。これに関しては、FAQ12で電気・電子製品の急速な技術進歩や製品のモデルチェンジがあるので製品列挙の形で対象製品を管理するのは難しいとされています。詳細に関してはJ-Net21の2017年8月10日コラム「中国RoHS(II)管理規則の動向」を参照ください。

適用除外品はFAQ11によれば以下の製品です(2016年5月16日付けFAQ)。

  • 発電所、送配電施設、建築物の給配電施設用のシステムおよび設備など、発電と送配電に関する設備
  • 軍事用の電気・電子設備
  • 特殊な環境や極端な環境で用いる電気・電子設備
  • 輸出用の電気・電子設備(注:輸出用の電気・電子設備は有害物質使用制限に関する輸出先国/地域の規定に適合しなければならない。)
  • 一時的な輸入製品または国内で修理し、販売はしない電気・電子製品
  • 科学研究/研究開発、テスト用の試験機
  • 展示会、見本市などに用いるが、販売しないサンプル、展示品など

電気・電子製品への有害物質使用制限

有害物質の使用制限として以下のように設計段階からの使用制限を明記しています。

  • 設計、生産工程において、設計変更、生産プロセスの調整、使用材料の変更および製造方式の革新により、有害物質の使用を制限
  • 設計・生産・販売・輸入にあたり、有害物質の名称・含有量・環境保護使用期限をラベルに表示する。
  • 有害物質の国家標準または業界標準を満足しない製品の流通は、販売を禁止
  • 有害物質の国家標準または業界標準を満足しない製品の輸入は禁止

本法における有害化学物質

用語の定義(第3条)で、有害物質は次のようになっています。基本的にはEU RoHS(II)に準拠する形に変更されました。ただしフタレート類はまだ対象となっていません。

  • (1)鉛およびその化合物
  • (2)水銀およびその化合物
  • (3)カドミウムおよびその化合物
  • (4)六価クロム化合物
  • (5)PBB
  • (6)PBDE
  • (7)国家が指定するそのほかの有害物質

この中で(7)がEUのRoHS指令と異なる部分です。この解釈について情報産業部のFAQで次を示しています。

Q:国家が指定するその他の有害物質とは何か

A:中国の法律の慣用語であって、将来に備えての条項である。RoHS指令「第5条の科学および技術の進歩への適応」と同じ意味合いである。

このFAQからは、有害化学物質は当面はRoHS指令と同じ6物質となります。

環境保全使用期限の明示

電子情報製品の生産者、輸入者は、その製品に有害物質使用制限表示に関する国家標準および業界標準に基づき環境保全使用期限を明示することが義務づけられています。表示に関する国家標準は、電子電器製品有害物質制限使用標識要求(SJ/T 11364-2014)です。
 EU RoHS(II)と異なり、中国RoHS(II)では国家標準に定められた標識を付ければ有害物質が最大許容濃度以上含まれていても上市することができます。
 中国RoHS(II)では、

  • 表示に関する様式、方式は情報産業部が定める。
  • 環境保全使用期限は、生産者または輸入者が自主的に決める。
  • 関連業界は、技術進歩に応じて、環境保全使用期限のガイドラインを策定する。

と定められています。

標識はSJ/T 11364-2014によります。J-Mossと同様なイメージです(図1、図2)。
 最大許容濃度以下であればグリーンマークを貼付し、有害化学物質が最大許容濃度を超えて含有している場合には中央に環境保護使用期限を入れたオレンジマーク貼付する義務があります。
 最大許容濃度は、均質材料当たりEUのRoHS指令と同じでカドミウム0.01wt%、そのほか0.1wt%です。

図1 SJ/T 11364-2014に定められた標識
図1 SJ/T 11364-2014に定められた標識

図2 中国RoHS管理方法とJ-Moss 情報公開
図2 中国RoHS管理方法とJ-Moss 情報公開

通則の付属書に一般的な製品の環境保全使用期限が下記の通り、例示されています。

環境保全使用期限の定め方は「電子情報製品環境保護使用期限通則」(SJ/Z11388-2009)に明示されています。また、その付属書に一般的な製品の環境保全使用期限が例示されています。ただし、通則はいわゆるガイダンスですので、一般的な製品は通則で示されていれば利用はできますが、あくまで責任は企業側にあります。通則にない場合は、業界基準によるか、自ら決める必要が生じます。

環境保全使用期限とは用語の定義で、「電子情報製品に含有する有害物質の漏洩、変化、電子情報製品の使用により、環境に深刻な汚染、身体または財産に深刻な損害を与えない期限」とされています。環境保全使用期限は食品の賞味期限に相当する概念です。

環境保全使用期限の決め方は、正常な使用状態で含有有害物質が漏洩したデータがあれば、実践法(MTBF計算のように5台・回以上で算出)、データがないとき試験法(指定方法および試験技術で算出)が検討されています。実践法、試験法が適用できない場合は、製品の安全使用期限があれば採用する(安全使用期限法)、設計段階で環境要素を考慮して技術的寿命が確定されている場合(技術寿命法)や新製品の場合(安全使用期限・技術寿命が未定)は生産技術、原材料が類似製品の環境保護使用期限(対比法)とします。

国家強制認証制度

情報産業部が重点管理目録を毎年作成します。重点管理目録には、品目名と適用する有害物質が特定され、重点管理目録品目は強制的に製品認証管理(CCC)がされます。CCCはEUのCEマーキングに類似した制度ですが、基本は型式承認と工場審査です。
 指定品目でCCCの認証を受けていないと、税関の検査で止められます。
 重点管理目録は、電子情報製品中の有害物質を抑制する管理方法で、次のように作成されます。
 6種類の有害物質を含有することがすでに分かっている、すべての電子情報製品のうち、次が対象製品となります。

  • すでに製品の代替または有害材料の代替を実現していると確認された製品
  • 代替は困難だが数量制限基準を満たすことはできると確認され、関連業界にとってはすでに「技術的に成熟し、経済的に実施可能」となった製品

重点管理目録は、関連企業、業界協会、専門家、政府の関連主管部門などの意見を広く求め制定作業が科学的で正確なものとなることを確保するとし、関連企業からの意見聴取、専門家による評価といった一定の手順に照らして進めるとしています。
 第19条重点管理目録製品の執行以外はすべての製品が対象となり、次項が実施されます。

  • 生産者(輸入者)の製品への表示義務。
  • 電子情報製品に含まれる有害物質(元素)の名称、含有量と部品リサイクルの可否。
  • 製品の大きさおよび/または機能により製品本体に表示できない場合は、取扱説明書に表示。

生産者(輸入者)の包装材の義務は、次のとおりです。

  • 包装材の名称表示。
  • 国家基準と業界基準による無毒無害の物質・元素の材料の使用。
  • 自然分解可能な物質およびリサイクル可能な材料の使用。

1st Stepでは、有害化学物質を規制するのではなく、第13条による製品および第14条の包装材に含有する有害物質の含有表示が要求されています。
 2nd Stepとして第21条に規定するように期日は未定ですが、次の義務があります。

  • 重点管理目録製品は有害物質の代替、もしくは最大許容濃度以下に抑制
  • 毎年見直しする重点管理目録製品は、強制製品認証管理(CCC)制度を適用

重点管理目録の動向については以下のJ-Net21の2017年8月10日コラム「中国RoHS(II)管理規則の動向」を参照ください。

3つの標準

「管理方法」には、3つの重要な業界標準があり、2011年から順次見直しが行われて現在は以下の標準が適用されています。情報産業部は3つの標準に従って遵法確認し自己宣言することを要求しています。

「電気電子製品の使用制限物質限度量要求」(GB/T26572-2011):有害物質の最大許容濃度
 「電子電気製品有物質使用制限標識要求」(SJ/T11364-2014):グリーンマーク、リサイクル・環境保全使用期限表示
 「電子電気製品の6種類の規制物質測定」(GB/T26125-2011):IEC62321をベースに作成されています。

包装材の表示

包装材の標示は2011年1月から強制規格であったGB18455-2001が廃止され、推奨標準GB/T18455-2010が適用されています(図3)。
 詳細については以下のJ-Net21コラムおよびQ&Aをご参照ください。

図3 GB/T18455-2010 リサイクル標識
図3 GB/T18455-2010 リサイクル標識

  • (1)電子情報製品の包装物を製造、使用する際、電子情報製品の有害物質または元素抑制に関する国家基準または業界基準に合致させる。
  • (2)無毒、無害で分解しやすく、リサイクルに便利な材料を採用する。
  • (3)生産または輸入する電子情報製品の包装物上に、包装材料の名称を記載しなければならない。
  • (4)体積や表面の制限により製品上に記載できない場合は、製品説明書に明記しなければならない。
  • (5)記載形式と方法は電子情報製品の有害物質または元素抑制に関する国家基準または業界基準に合致していなければならない。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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