本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

スタートアップガイド

J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト

  • J-Net21とは
  • スタートアップガイド
中小機構
  • メルマガ登録
  • RSS一覧
  • お問い合わせ

HOME > 経営をよくする > 中堅・中小企業の改革物語

中堅・中小企業の改革物語 中堅・中小企業が、激動の時代を生き抜く為のヒントをコンサルタントの視点からお伝えします。


第2回 製造業A社の物語~その1

ある中小製造業A社の話

とある中小製造業の話、その会社は創業時、地元で細々と製造販売を行っていました。
2代目経営者となり、職人の技をうまく活かしながら、大手メーカーの部品生産を行うことで順調に売り上げを伸ばしてきました。
バブル崩壊、リーマンショックと景気後退に伴い、大手メーカーからの注文の減少に加え、納入価格ダウン要請もあり、会社は売上・利益低下の一途をたどりました。

業務効率化や生産現場の生産性向上といった改善活動に着手し、地道にコストダウンを行い利益確保に努めました。
ものづくりには自信を持っていて、良いものさえ作れば売れるという風土でした。
生産性や歩留りを上げて、効率よく無駄なく作る、といったことには従来あまり関心を持っていなかったため、改善活動を定着化させるには何年もかかりました。

改善・改革を行っていく人材を育成するということは今でも大きな課題となっています。
コストダウン活動を一生懸命行い、顧客要請に応えるも、売り上げの減少はそれ以上に激しく、固定費をカバーすることが難しい状況に陥りました。
そこで会社は自社のものづくり技術を生かし、新製品の開発に取り組みました。
従来の取引先に対して今まで以上の高付加価値品を開発することに加え、自社ブランド品を生産販売しようと考えました。
大手メーカーからの厳しい要求に応え続けてきたことにより、技術力と製造力にはそれなりのものがありました。

しかしながら、何を開発すれば売れるのかが自信を持って決めることができなかったのです。
市場はどこにあるか、顧客はだれか、彼らは何を求めているのか...といったマーケティングを行うことができなかったのです。
マーケティング力は未熟であるものの、経営幹部による検討会を行ったり、取引先の要望等を聞き出しながら、何とかいくつかの製品を開発することができました。
試作品を作り、社内に展示スペースを設け、取引先の訪問時には新製品の紹介ができるようになりました。

今お付き合いをしている取引先にはそれなりのインパクトを与えることができ、大手メーカーの次期モデルチェンジの際の採用を目指すことは徐々にできるようになりました。
しかしながら、今までお付き合いのない新しいお客を見つけてきて、売るという、新規顧客開発と営業ということがなかなかうまくいきません。
マーケティング力、プロモーション力と営業力という課題が如実に明らかになりました。
現在は、工場でのモノづくり以外の事業や海外生産も視野に入れた既存事業の拡大など、どうやって新しい事業に挑戦していくかに日々チャレンジしています。

もうお分かりと思いますが、環境が変わり、それに対応するために従来と異なった新しいことをしようとすると、課題が現れてくるのです。今まではやらなくてもよかったことが課題となるのです。

お客様の信頼を取り戻せ

景気が悪くなり、売上と利益が悪くなっていった時に、品質問題が追い打ちをかけるように起きてしまいました。
ただでさえ協力会社に対する厳しい風が吹いている中、品質上で問題を起こすことは、取引削減、停止につながることになりかねませんでした。
クレーム対応に多くの時間と労力を使うことで、コストアップとなりますます経営を圧迫したのです。
売上や利益を出し続けるために、必要なことはいろいろありますが、何をおいても一番大切なのは安全・品質です。

まずは、お客様が安心して仕事を任せることができる会社になることです。
お客様から、品質が良いと思われるには、クレームを出さないことです。
万が一クレームを発生させたとしても、その時の対応が良ければ、しっかりした会社と評価されます。
A社では、クレームが発生した際に、迅速で適切な対応が行えるよう、社内でのクレームの処理ルールを決めて、それを周知徹底させることから始めました。

その次に、クレームを絶対に発生させないようにするために、各生産工程の品質レベルを上げ、不良を発生させないようにしました。
ですが、このことは一朝一夕にできることではありません。
不良が起きないようにする発生防止活動を行いながらも、その前にまずやらねばならないこととして、流出防止活動を行いました。
たとえ不良が発生したとしても絶対にそれを顧客のところまで行かないようにすることです。

そのために、製品の品質チェックの在り方がどうあるべきかを考え直しました。
品質チェックの最後の砦は出荷前の完成品検査です。ここで見逃してしまうと、流出した不良がクレームとなって帰ってきます。
品質検査を行うためのチェックシートを見直しました。形だけのチェックからの脱皮を行いました。
チェックシートでのチェック項目とその基準は誰でもが行えるよう、簡単明瞭なものに変更しました。
単純な製品であれば、最終工程での完成品検査は比較的簡単に行えますが、複雑な製品となると完成品検査では検査しきれなくなります。
そのような場合は、製品を作るひとつひとつの工程においで、そこで行われたことが品質的に問題ないかどうかを確認する、工程内検査を行うことが必要となります。

各工程で品質が保証されれば、その工程の積み重ねとして出来上がった製品は品質が保証されているという考え方です。
このことを工場の管理監督者だけでなく、作業者にも理解してもらい、作業者それぞれが、自分の行った仕事に対してのチェックを行いました。
各工程で品質不良をチェックすることは大切なことですが、完璧なチェックを行おうとすると、時間とコストがかかります。
一番良いのは、各工程で、いかに不良を発生させないようにするかを実現することです。

・いつも同じやり方で作業はされていますか?
・誰が行っても同じやり方ですか?
・そのやり方は誰でもが分かるようになっていますか?

これを実現するため、すべての作業に対して、その標準を決めるべく、A社は今も努力を続けています。

<本稿は筆者の見解に基づくものです>

出典:NEC運営サイト「N-town」<中堅・中小企業の改革物語>

掲載日:2014年9月22日

前の記事次の記事


このページの先頭へ