
株式会社共和貨物自動車
白間宏将 常務取締役(写真右)
- 企業力 経営品質
- 業種 製造(工作機、運搬・自動車関連)
- 地域 北海道
1. 企業の特徴
株式会社共和貨物自動車は、北海道十勝地方の中心地帯広市に隣接する河西郡芽室町に事業所を構える、一般貨物自動車運送事業者である。農作物、農業用肥料、畜産用飼料などを主力として取扱っており、平成8年産業廃棄物運搬業の許可を取得し、地元農業関連事業者との強い関係性を築く。
同社は、「お客様に安心していただける輸送」を心がけており、「確実・迅速、そして安全運転」をモットーに、地元荷主の様々なニーズに柔軟に対応してきたことで高い信頼を獲得している。その対応力が大手運送事業者にはない独自性として高い評価を得ている。
2. 人材育成のポイント
常務取締役である白間宏将氏は、大学卒業後、約10年間の生活協同組合での配送サービス業を経て、平成26年、将来の後継者として入社。
白間氏は、現社長が築き上げた強固な経営基盤を引き継ぐことが期待されており、現在は取引先との関係性を強めるための営業活動が業務の中心であるが、加えて、経営マネジメント全般やサービス業で培った接客業のノウハウをどのように活かしていくかも期待されている。
3. 研修受講のきっかけ
経営の一端を担うことについて、白間氏曰く「まっさらな」状態であったため、まず自社を知るためには財務諸表を中心とした数値面について把握することが必要との結論に至った。中小企業大学校旭川校のパンフレットにあった「経営管理者養成コース」に目が留まり、その中の「財務戦略ゼミ」が最適のコースと判断したことで受講に至る。
さらには、普段集積している様々な現場データが財務諸表でどう反映されているのかという課題を常に抱いていて、現場の実態把握とともに課題解決の方策を探索したいという意識があったことも受講のきっかけとなった。
4. 研修受講のメリットと効果
経営管理者養成コースでは財務戦略ゼミを選択。財務分析、キャッシュフロー分析、車両効率性分析などから課題を抽出し、その解決策を整理することができた。テーマとしていた運送原価低減策の創出について、いくつかの仮説を立て、目標利益実現のためのシミュレーションまで行えたことは、マネジメント手法として今後とも活用していきたい。
また、財務諸表上で把握するだけでなく、現場レベルの改善が財務諸表に反映されるという表裏一体の仕組みを理解することができ、現場レベルでの業務改善がいかに重要かという認識を得られたことは成果として感じている。
5. 今後の展開と課題
現在は既存取引先との関係性の強化を中心に取り組んでいるが、学習した手法を積極的に取り入れ、今後予測される厳しい環境変化に対応できる体制を構築したい。
具体的には、企業理念やビジョンを新たに策定することにより、今後の経営の方向性をメッセージとして従業員に伝えること、現場の様々なデータを分析・活用すること、独自性のあるサービス品質を確立していくこと、等々を通じて全社員が収益性を意識した体制にすること。
また、農業関連分野における強みは継続しつつ、将来の環境変化も視野に入れた農業関連分野以外への進出も必要となるだろう。今回学習した手法を活用して収益性の高い分野への進出を検討していくことも後継者としての課題であると考えている。
株式会社共和貨物自動車
代表者 | 代表取締役 白間憲二 |
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所在地 | 北海道河西郡芽室町東芽室北1線8-4 |
電話 | 0155-62-5510 |
資本金 | 1,000万円 |
従業員数 | 33名 |
主要事業 | 一般地域貨物運送業、肥料・飼料 |
掲載日:2016年7月28日