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中小企業大学校の上手な使い方 成長企業にみる人材育成


販売戦略転換で量販店との取引成功

太子食品工業 株式会社

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東北の豆腐市場でシェアNo.1の太子食品

太子食品工業は、豆腐、納豆、豆乳など大豆原料をベースとする自社ブランド食品メーカー。とりわけ豆腐が総売上高の約5割を占める主力商品で、地盤の東北地域ではシェアナンバー1。関東地域での販売数量も増やしている。遺伝子組み換え大豆不使用宣言を他社に先駆けて行うなど、食に対する安心・安全への取組みを1940(昭15)年の創業時から継続している。

何もかもが新しい経験

創業から今日まで、食品メーカーを取り巻く経営環境は大きく変化した。以前は製品の供給先が地域の中小小売店だったのが、今は大手スーパーが中心。そんな中で同社は、大手スーパーへの販路を着実に開拓し、業績を伸ばしてきた。83年の入社以降、営業・販売促進に携わってきた工藤卓男副社長は中小企業大学校の「経営後継者研修」の出身者。大学校で学んだ経験を自社の販促活動やマーケティングなどに活用している。
 中小企業大学校の利用は、工藤副社長が同社の第一号となった。入社後間もない83年9月に、東京校で開催されていた経営後継者研修を受講。同研修は翌年6月までの長期コースで、経営全般にわたる基礎知識を学んだ。入社前は食品とは異業種の電機業界で営業を担当していた工藤副社長は当時29歳、「何もかもが新しい経験だった」と振り返る。
 ゼミのテーマにはマーケティングを選択し、自社課題に踏み込んだ研修も受けた。当時のゼミの講師だった三浦功氏(現在は流通問題研究協会相談役)とは、現在でも三浦氏の主宰する勉強会に参加するなど交流を続けている。

販促課を改革

創業時から食の安心・安全への取組みを継続する

工藤副社長は大学校受講後の84年、本社営業本部の販売促進課に配属となる。同部署での仕事を通じ、販売面で改革の必要性を実感したという。
 配属後、まず直面したのが、戦略を策定して販路開拓を進めるという販促課本来の活動が機能していない状況だった。当時の営業手法は、営業マンがトラックに商品を積んで小売店を売り歩くルートセールスが中心。販促課の仕事といえば、催事などの繁忙期で営業が手薄になるエリアに人手を送り込むことだった。 「大学校でマーケティングを勉強したのに、活用できるような体制ではなかった」と考えた工藤副社長は、販促課からの応援部隊派遣をやめ、戦略を持った販促活動に取り組むことにした。
 例えば、新商品を開発した際、どのような方法で売り込むかという販売戦略を以前は決めていなかった。そこで販促課では、新商品の特徴の説明方法などを盛り込んだ商談マニュアルの作成に取り組んだ。
 また、80年代中盤以降は大手スーパーなどの量販店が東北地方に店舗を広げていた時期だった。そんな中では、営業マンが小売店を訪問して商談しながら商品を運ぶ従来の営業手法ではなく、量販店本社の担当者に営業することが求められてきた。そこで、商談する人と商品を運ぶ人とを完全に切り離した新たな営業スタイルへの転換を推し進めた。
 こうした一連の取り組みが功を奏し、量販店を大きな納入先とすることに成功、同社の事業は波に乗った。98年には関東方面に豆腐などを供給する日光工場(栃木県日光市)を稼働させ、関東地方の販路も開拓。関東地方でも有数の豆腐メーカーの地位を取得できた。

大学校を活用して管理者を育成

事業の拡大に伴い、人材育成も重要課題になった。同社は中小企業大学校を積極的に利用しており、仙台校(仙台市青葉区)が91年に開校してからは、毎年5、6人、これまでに延べ100人以上の社員が受講。「工場管理者」「管理者」「新任管理者」のほか、マーケティング、情報技術、現場改善など必要に応じた科目を利用している。
 このうち「工場管理者」コースには、工場長候補を派遣。受講した社員は現在、各工場の工場長をサポートする工場次長の重責を担っている。「管理職としてのマネジメントを学ばせている。また、私自身もそうだったが、他社から集まる異業種の人たちとの交流が、全体を俯瞰(ふかん)できる広い視野を養成してくれる」(工藤副社長)とみている。
 人材育成で同社は、大学校の利用と併せて、社内で独自にTPM(全員参加の生産保全)活動を実践。両面の活動を通じて「言われたことだけでなく、自発的に改善していけるような社員を育成する」(同)考えだ。

今後の事業環境は、原料価格の高騰が続く上、市場からは低価格化を求められているという厳しい状況が続く。これまでも取り組んできた製造コストのダウンをさらに徹底しなくてはならないという難題にぶつかっている。その一方、消費者の健康志向の高まりなど、市場を開拓するチャンスも広がっている。2011年3月の東日本大震災で豆腐の製造を手がける古川清水工場(宮城県大崎市)が被災したが、迅速な復旧に成功。今後は新商品の投入などを通じ、需要の開拓に取り組んでいく考えだ。

企業データ
太子食品工業 株式会社
代表者 代表取締役社長 工藤茂雄
所在地 青森県三戸郡三戸町大字川守田字沖中68
電話 0179-22-2111
設立 1940年10月(創業)
資本金 7000万円
社員数 約750人
主要事業 豆腐、納豆、もやし、油揚げ、豆乳など大豆加工製品の製造販売

掲載日:2012年9月20日

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