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中小企業大学校の上手な使い方 成長企業にみる人材育成


人間力形成と技術習得でさらなる飛躍

ミツ精機 株式会社

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本社内の様子

兵庫県淡路島の西岸に位置するミツ精機を初めて訪れた人は、本社事務所を取り囲むように置かれた戦闘機やヘリコプターの姿に度肝を抜かれる。「F1支援戦闘機」「LR1連絡偵察機」など、自衛隊で実戦配備されていた航空機がずらりと鎮座しているのだ。

なくてはならない協力工場

ミツ精機は1933年に大阪市内で、海軍艦艇の部品を製作する三津鉄工所として創業した。終戦後はニット編み機用部品の生産で成長。事業拡大にあたり、本拠地を淡路島へ移した。1995年の阪神・淡路大震災でニット編み機の発注元である福原精機の神戸市東灘区にあった工場が全壊。同社が装置の主要部分まで製造を引き受けたことが、その後の付加価値型機械加工の技術力を蓄積する素地となった。
 また、1979年から航空機部品の本格生産に参入した。航空機部品は部品点数が多い割に、ロットは小さい典型的な多品種少ロット生産。しかも加工する素材は難削材が多く、手間は通常の機械部品の何倍もかかる。利益から見れば決して割の良いものではない。
 同社は発注先からのさまざまな面倒な要望も断らずに対応してきたことから、信頼を獲得し、日本の航空機メーカーのほとんどと取引をするまでになった。現在は主に航空機のエンジン部品を担当する企業として、航空機メーカーからなくてはならない協力工場と目されている。

受講は人材育成の柱

三津久直 三津精機会長兼三津テック社長

同社が中小企業大学校関西校の利用を決めたのは、1991年から。経営コンサルタントの勧めもあり、現在ミツ精機の会長と、グループ会社ミツテックの社長を務めている三津久直氏が「経営後継者コース」を受講したのがきっかけだった。
 その後、現社長の三津千久磨氏も同じコースを受講し、経営者としての基礎を学んだ。
 経営後継者コースは大学校に長期間泊まり込んで研修を受けるもので、期間は1年間にも及ぶ。三津会長は「財務やマーケティングをケーススタディで学んだが、それ以上に良かったのは、同じ立場の人たちと夜を通してコミュニケーションが図れたこと」と振り返る。同じ研修を受講した人たちとは現在も交流が続いているという。

同社はその後、社内の人材育成のカリキュラムに関西校の活用を盛り込むことを決め、定期的に社員を派遣している。すでに同社の関西校の卒業生は延べ89人。2010年度は6人が受講しており、人材育成の柱として中小企業大学校の活用が組み込まれている。
 三津会長は中小企業大学校を活用する狙いについて「受講した社員は視野が確実に広がる」と指摘する。同社は航空機部品という、モノづくりのなかでも最も厳しい品質管理を求められる世界にいる。当然社員は技術力向上に日々努力し、それに誇りを持っている。

さまざまなメニューで技能継承

しかし三津会長は「それだけに視野が狭くなりがち。技術力や技能がすべてのような発想に陥ることもおうおうとしてある。しかし本当は人間力が大事で、技術と人間力が両輪となって初めて大きな成果が出せる。中小企業大学校でさまざまな人と出会うことで客観的に自分を見つめ直し、そこから成長してくれることを期待している」という。
 同社は管理職に登用する社員にマネジメント研修コースを受講させる取り組みを定期的に実施している。受講した社員は、社内で率先してリーダーシップをとって、積極的に自社の経営課題における改善策を提案実行するなど、着実な成果を生み出している。
 また、コミュニケーション能力の向上が図れる人間力育成コースを受講した社員は、「帰ってくると人間の器が一回り大きくなり、社内での発言も変わってくる。お客さまや部下、他部門など相手の立場を見て対話ができるようになる」と高く評価している。
 三津会長は現在ミツ精機の特機事業部が分離・独立して発足したミツテックの社長として経営にあたっている。ミツテックは半導体などエレクトロニクス分野の自動化装置を手がけ急成長をとげた。

現在取り組んでいるのは、画像処理外観検査装置など自社ブランド製品群の育成。従来の、顧客の要望に応じた一品生産品だけでなく、標準化したものを開発し、より幅広い分野への供給を目指している。
 技術の習得には高度職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)や兵庫工業会など外部組織を活用している。さらに社内に「職人学校」を開設し、新入社員が半年から1年間かけてさまざまな部署を回り、マンツーマンで指導を受ける仕組みを導入した。
 この他にも旧式のフライス盤などを設置し、ベテラン技術者が指導するなど、技術者のレベルに応じたさまざまな技能継承のメニューを用意し取り組んでいる。

このように同社は、経営者、管理職としての人間力の形成と、技術・技能の習得の両面で、人材育成の仕組みを取り入れている。
 なかでも中小企業大学校の受講は「管理職、経営層への登用の登竜門と位置付けている」(三津会長)。今後も中小企業大学校を社内の人材育成における大きな柱として活用していく方針だ。

企業データ
ミツ精機 株式会社
代表者 代表取締役会長 三津久直  代表取締役社長 三津千久磨
所在地 兵庫県淡路市下河合301
電話 0799-85-1133
設立 1933年(創業)
資本金 4950万円
社員数 193人
主要事業 航空・宇宙機器部品の機械加工、ニット編み機部品の機械加工およびアッセンブリー、医療機器部品の機械加工

掲載日:2011年6月 6日

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