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中小企業大学校の上手な使い方 成長企業にみる人材育成


研修受講社員が社内変革進める

タマヤ 株式会社

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本社工場内の様子(印刷表面加工に使用する機械群)

紙器包材の製造や印刷を手がけるタマヤは、京都府綾部市に本社を置く。綾部市はグンゼ発祥の地。タマヤでもグンゼ向けの売り上げが多いときは8-9割を占めていたが、不況の影響などで現在は4割程度へ縮小。そうした流れのなか、これまで小規模で展開していた印刷事業の強化や、紙器包材の新製品の開発に取り組むことで成果をあげてきた。中小企業大学校で社員を育成したり、公的機関の中小企業支援制度を活用して従来より強い収益基盤を構築することに成功している。

研修活用しリーダー育成

中小企業大学校の受講を推進するのは、野崎正和社長だ。野崎社長自身、過去に営業セミナーなどを受講しており、学ぶことの効果や必要性を痛感していた。社長に就任した2002年頃から、低価格で実務に関する研修を受講できる中小企業大学校の活用を推進。営業向けセミナーなど多様な研修の受講を進め、とくに「工場管理者養成研修」を活用し、毎年1、2人の係長クラスの社員を受講させている。

同研修活用の狙いは、製造現場のリーダー育成。半年間にわたり毎月1回、泊まりがけで研修を行う講座で、受講者はそれぞれ、課題をあげて解決に取り組む。職場で改善策を実践しつつ、研修のたび、講師からアドバイスをもらう形だ。最終的に解決策を発表する会もあり、野崎社長も見学に出向く。

研修で受講生が取り上げる課題はさまざま。過去には「版のセット時間の短縮」「印刷時の紙のロス削減」などに取り組んできたという。オフセット印刷機で版を切り替える際、ベテランと新入社員では版をセットする時間に差がある。版の切り替えは一日に数回行われるため、数分間でもセット時間を短縮できれば生産性が大幅にアップする。さらに印刷時は色の調整などで試し刷りする際、紙のロスが発生するため、ロスの削減はコストダウンにつながる。こうした課題への取り組みが功を奏し、利益率が上がるなど一定の成果が出ている。

研修を終えた夜には受講者同士で飲み会を開くなど、交流を持つ場もある。「研修がきっかけで知り合った異業種の人間と、現在も交流を持っているようだ」(野崎社長)と話す。さまざまな業種から受講生が集まるため、社員が刺激を受けるきっかけにもなる。研修を受ける社員を見て「受講期間中から成長しているのを実感する」(同)と、手応えを感じているようだ。

タマヤは中小企業大学校を活用すると同時に、民間のコンサルタント会社が開く意識改革研修にも毎年1、2人を派遣している。中小企業大学校では意識改革に関する研修がないため、民間の研修機関でカバーしている。意識改革研修と工場管理者養成研修の双方の受講を、幹部登用のときの条件にしている。

また、中小企業大学校で学んだ課題解決へのアプローチ方法を生かし、受講者を中心とした「5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)活動」に取り組んでいる。その甲斐あって取引先の監査でも、高得点を取得できるレベルに達している。

育成した人材の活躍

食品向け紙トレー「はがし太郎」

タマヤは中小企業大学校や民間企業を活用して人材育成に取り組むと同時に、各種支援制度を使って新事業の育成に取り組んでいる。これまでに経営革新法や、中小企業基盤整備機構の「販路開拓コーディネート」「戦略的CIO育成支援事業」などを活用してきたが、そうした支援策を活用する場面では、中小企業大学校の研修で育成した人材の活躍があったようだ。

タマヤは、経営革新法の認定を受けて鮮魚や総菜向けの食品容器「はがし太郎」を開発した。「はがし太郎」は、紙トレーにポリプロピレンシートを張りつけたもの。食品容器として主流の発泡スチロールトレーなどの場合、使用後は洗浄して分類する作業が必要だが、「はがし太郎」はシートをはがすだけで、リサイクルの前処理が終わる。

「はがし太郎」を拡販するため、中小機構の「販路開拓コーディネート事業」を活用した。08年4-6月の3カ月、5人のコーディネーターが延べ15回営業活動に同行。「コーディネーターの人脈を活用して、百貨店の社長などにも紹介してもらえた」(同)という。通常の営業活動ではまず現場レベルの話し合いから始まるケースが多いが、同制度の活用で直接、トップへPRする機会を得た。タマヤからは、中小企業大学校による「セールスマネージャー研修」を受講した社員と、野崎社長が販路開拓に取り組んだ。同事業の活用で実際に契約まで結びついたとともに、百貨店催事への出展も決まった。3ヶ月間の販路開拓コーディネート事業終了後も居酒屋やスーパーなどへ納入先を広げており、拡販が続いている。

最近では社内のIT化を進めるため、中小機構の「戦略的CIO育成支援事業」を活用。同事業でCIO候補として教育を受けたのが、「工場管理者コース」を受講した社員だ。社内IT化は期限内には目標レベルまで到達しなかったが、期限が終わった後も専門家派遣の形で、引き続き指導を受けている。

「売り上げ規模は縮小したが、利益率は上がっている」と、野崎社長は力強く話す。タマヤは不況の影響などで事業形態を変えながらも、中小企業大学校や公的支援策を活用しながら強い企業へと変革を遂げてきた。大学校で研修を受けた社員は社内の中核を担い、社内変革を進めている。“人財”を武器に、成長を追い求める。

企業データ
タマヤ 株式会社
代表者 代表取締役社長 野崎正和
所在地 京都府綾部市青野町下入ヶ口12
電話 0773-43-4301
設立 1949年4月
資本金 5000万円
社員数 80人
主要事業 各種紙器、印刷、段ボールケース製造販売

掲載日:2011年6月 6日

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