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中小企業大学校の上手な使い方 成長企業にみる人材育成


独自技術を軸に事業拡大へ

加茂精工 株式会社

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外部講習を通して現場の人材を育成

外部講習を通して現場の人材を育成

加茂精工は動力伝達にボールを使ったボール減速機や、カムとローラーで構成したラック&ピニオンといった独自技術を生かした製品づくりを得意としている。両製品ともバックラッシがなく位置決め精度が高いため、半導体や液晶、有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)ディスプレー、リチウムイオン電池などの製造装置の搬送部向けなどで需要が拡大している。
 今瀬玄太専務は中小企業大学校瀬戸校で2002年に工場管理者養成コースを、05年に経営管理者養成コースをそれぞれ受講した。もともと自社の工場で改善手法を教えていた外部のコンサルタントが、工場管理者養成コースの講師を務めており、同校の講座の受講を薦めたのがきっかけ。

生産時間の短縮を実現

今瀬専務は工場管理者養成コースの受講を決めた当時、「他社から加茂精工に移って間もなく、工場管理に関する知識が不足していた」(今瀬専務)と振り返る。そこで同コースを受講し、5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)や、原価の把握の仕方といった基礎知識に加え、製造過程における工数の削減などの実践的な改善手法などを身につけた。
 特にボール減速機の生産は生産リードタイムの短縮の必要性を感じていた。受講で学んだ内容を生かし、部品の加工から組み立てまでを見える化したほか、工場のレイアウト変更などを進め、生産時間の短縮を実現した。

経営管理者養成コースは経営管理や分析手法など必要な知識を吸収するために受講した。今瀬専務は、今後の自社の指針となる経営戦略などを作成する上でこうした知識の習得を強く希望していた。
 同コースでは財務の分析や自社製品の現状などを分析し、自社の強みと弱みを把握する手法などを学んだ。「カリキュラムがしっかりしていた」(同)と同コースの学習内容を評価する。

「中長期ビジョン」の策定

経営管理の手法を学ぶにつれ、今瀬専務は中長期の自社のあるべき姿を描くことの大切さを実感した。受講後、自社のあるべき姿を盛り込んだ全社経営戦略を作成。そこにはメーカーである以上、新製品開発の重要性を前面に打ち出した。これまで新製品開発のスピードは、1製品を2-3年かけて発売していた。だが、このスピードでは業績拡大と顧客満足を満たせないと考えた。
 そこで、経営戦略では新製品を半年のスパンで出すこととした。新製品を短期間で投入することで、「加茂精工は常に新しいことに挑戦している、という印象を顧客にアピールしたい」(同)との思いを込めた。
 同講座で学んだ内容をさらに深化するため、大学校が開催する経営者を対象とした研修にも参加している。また他の機関などが開催する勉強会なども積極的に活用し、効果的な知識の蓄積に努めている。
 10年には大学校や他の機関などで学んだ経験を結集し、今後10年の自社の将来像を描いた「中長期ビジョン」を策定した。同ビジョンの内容は3つの柱で構成する。1つ目が20年に年間の売上高35億円を達成する。2つ目が新規株式公開(IPO)の実施、そして3つ目が自社製品を全世界に知ってもらうことを盛り込んだ。

外部講師の招へいで活性化

大学校を活用し、社員の人材育成にも力を入れている。05年に社内で管理職を養成する講座を開くため、大学校を通じて経営管理者養成コースの講師を紹介してもらった。講座はコンピテンシーと呼ばれる仕事のできる人の行動特性を学び、自ら実践するという内容を半年間実施した。
 これまで外部の講師を招へいし、人材育成する機会がほとんどなく、同講座は社員には大きな刺激となり、社内が活性化した。「自らの能力を高めるための知識は、人から学ばないと身に付かない。受講した知識はいずれ役に立つ」(同)とキッパリ。
 11年から社員を対象に大学校の工場管理者養成コースに派遣する方針だ。今瀬専務はこれまで、大学校の講座で受講した内容を自社の生産現場の改善に反映し、加工時間の短縮など合理化を成し遂げた。だが「より一層、生産現場の改善には社員一人ひとりのスキルアップが欠かせない」(同)と指摘する。
 社員からも、外部の講習を受講することで、改善に必要な知識を身につけたいという声もある。まずは30代の若手社員を派遣する予定。同じ講習を複数人が受講することで、改善手法を社内で共有化するのが目的だ。今後は全社一体で生産の合理化を推し進めるために、現場の活性化に期待を寄せる。

企業データ
加茂精工 株式会社
代表者 代表取締役 今瀬憲司
所在地 愛知県豊田市御作町亀割1166
電話 0565-76-0021
設立 1980年10月
資本金 8500万円
社員数 70人
主要事業 ボール減速機、ラック&ピニオンなどの製造

掲載日:2011年6月 6日

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