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中小企業大学校の上手な使い方 成長企業にみる人材育成


大学校活用で業界のパイオニアに

株式会社 生活の木

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新しいオフィスの入口には同社製品が並んでいる

新しいオフィスの入口には同社製品が並んでいる

生活の木はハーブ、アロマテラピー関連製品の企画開発と、材料調達から製造、販売まで自社で一貫して行う。近年のアロマブームを機に一気に事業を拡大。現在は全国に100の直営店を持ち、社員は約600人だ。教育、旅行事業にも参入した。同社はもともとは、一部のコアなファン層に向けてこれらの製品を販売していたが、ハーブ・アロマテラピー文化が生活の中に根付くことを予兆し、1996年に現在の社団法人日本アロマ環境協会の設立に関わったほか、アロマテラピーの資格認定制度、環境省と資格検定「環境カオリスタ」を設置するなど、業界作りを先導してきたパイオニア。生活の木代表の重永忠氏は「中小企業大学校なくして今の姿はない」と言い切る。

理論と実践を同時に学んだ1年間

重永氏は中小企業大学校東京校「経営後継者コース」の6期生。現在はOB会の会長を務め、同期のつながりだけでなく、後輩を交えた勉強会を立ち上げるなど活動している。その理由は、恩送りをしたいという思い、そして中小企業こそがこれからの日本を創っていくとの思いだと熱く語る。また、自分に続き「いつかは息子たちを経営後継者コースに入れたいんです」とも。
 生活の木は、重永忠社長で3代目。祖父の代から、今も本店を置く渋谷区神宮前で商売を営んでいた。しかし商売の内容は3代とも異なっている。祖父は写真館、父は瀬戸物、といった具合だ。重永忠氏は18歳から学業と並行して家業の手伝いを始め、大学卒業後に小売り店舗展開や情報管理システムを学ぶため大手コンビニチェーンに入社。3年後の86年に退社し、翌年に中小企業大学校の門をたたいた。
 当時の課題は、重永商店から株式会社への移行、商売からビジネスへの移行だった。先代社長も、誰かが経営を学ぶ必要があると考えていた。そのころ、中小企業大学校を知り受講。研修中は、授業の後に店に戻り仕事をする生活を1年間続けた。厳しく、非常にためになる1年で「人生で一番勉強した時期」(同)と感慨深げに振り返る。講義で財務諸表について学べば、店舗で経理の担当者に話を聞き実際にみせてもらう。人事制度を学べば、店舗に戻った後にその制度があるのか調べるというように、理論と実践を同時に学んでいった。「これでいわゆる"経営" ができるようになる、という自信になった」(同)。
 その後、当時の幹部3人を同校の経営管理者研修に送り込み、3人の卒業後に、すぐに経営計画書の作成に取りかかった。商売は好きだけれど、しかし経営のイロハも知らなかった3人の幹部は、その後会社の成長を支え、いまなお同社ビジネスの経営の中枢として大活躍している。

会社は舞台、社員は主役

株式会社への一歩を踏み出したものの、会社はまだ小規模で、「当時はアロマが好きな人間が集まって、わいわい仕事をするサークルのような雰囲気」(同)だった。ブームが訪れるまで、社員を採用してもすぐに辞めてしまう状況が続き、悩みの種だった。その解決策は99年前後の事業の普及期に見つかった。"アロマの生活の木"として認知度が上がり、採用試験への応募が増加した。重永社長は何人もの志願者と接しているうちに、彼女らは生活の木の愛用者だと感じ取った。そこで「生活の木の社員は、自分の会社のことが本当に好きな社員が集まっている」ということに気づいたという。
 「それまでは、生活の木は自分の会社で、存在意義は社会とお客さまのため、という意識だったと」と振り返る。会社が好きな社員が集まっているならば、その会社は、社員が思い切り腕をふるえる場にしたい。社員のために存在する会社にしたいという答えに行き着き、人事、社内規則などの制度刷新に着手した。「大学校で学んだため、何をやるべきかを知っていた。それを行動に移してきた」のだ。
 そのほかにも、2005年に外部機関を使い社員モチベーション調査を行ったところ、「もっと勉強したい」「社長にもっと会いたい」という声が多く聞かれたため、社長自ら研修や面談を開始。09年に再度調査すると、社員満足度が高い企業として東日本の1100社で1位になったという。会社の創業時と拡大時に、大学校で学んだ内容が生きた。

社会貢献できる企業へ

 国内市場で確固たる地位を築いた生活の木。自らもアロマやハーブ愛好者の重永社長は、これら自然の恵みの可能性を、医療、介護福祉などさらに幅広い分野に拡大したいと意気込む。また、台湾で3店舗出店し、国際展開にも取り組み始めた。
 事業拡大に向けて、核と位置付けるのは人材育成だ。経営管理室内にトレーニングディビジョンを設置。入社前、入社時点、3ヵ月後、1年後、店長就任前、就任後、マネージャー就任後など段階別研修のほか、「これからは、海外での販売営業の人財の登用と教育を強化する」(同)と未来を見据える。

なかでも、理念教育には最も力を入れる。会社創業以来培われた理念を、社長自ら講師となり、次世代の中核を成す20―30代に伝える段階に入った。「私も50歳になり、次世代の人材を育成する番」と話す真剣なまなざしは、昼夜学び働いた若き日の姿とまったく変わらない。

企業データ
株式会社 生活の木
代表者 代表取締役 重永忠
所在地 東京都渋谷区神宮前6-3-8
電話 03-3409-1781
設立 1967年12月
資本金 1000万円
社員数 570人
主要事業 ハーブ、アロマテラピー関連製品の開発、製造、卸、販売

掲載日:2011年6月 6日

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