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中小企業大学校の上手な使い方 成長企業にみる人材育成


短期間で急成長、3PL事業のパイオニア

株式会社 丸和運輸機関

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全国展開する「桃太郎便」

全国展開する「桃太郎便」

丸和運輸機関は『桃太郎便』と『AZ-COM』で全国展開する物流事業者。3PLブランド『AZ-COM3PL主導型ビジネスモデル』の展開で医薬・医療物流、低温食品物流、常温物流の3分野を軸に、ここ30年程で売り上げを17倍近くに伸ばすなど急成長を遂げている。グループ全体の拠点数は100カ所以上。和佐見勝社長は「顧客の在庫をまとめて当社で管理できることが強み」と胸を張る。また、企業の物流業務を一貫して請け負うサードパーティ・ロジスティクス(3PL)事業には、国内でいち早く参入した。

3PL事業では、保有する物流施設や輸送機器(=ハード)と情報共有や現場運営の仕組み(=ソフト)をうまく組み合わせて顧客へ改善提案することが求められる。このため、改善点の発見、ハードとソフトの組み合わせ、顧客への提案の3つを高いレベルで実行できる「人財」が必要不可欠だ。故に、和佐見社長は「教育熱心なことが当社の売り」と人財育成に積極的な方針を打ち出している。

51人が卒業

同社のグループ内では、これまで累計51人が中小企業大学校(中企大)の経営管理者研修を修了している(2011年2月時点)。人事教育本部長の橋本英雄氏は「(中企大は)当社の人財育成システムの内部に組み込まれており、切り離せない存在」と強調する。人事教育本部は毎年、各拠点の責任者など部門長(課長)クラスの社員から6-7人を受講生として選出。「中企大へ行くことは、複数部門を統括する事業部長へのステップ」(橋本本部長)との位置付けだ。卒業生の多くが、現在本体や関連会社で経営の中核を担う存在となっている。

重視しているのは、研修の内容だけでは無い。橋本本部長は「さまざまな業種の若手経営者らが集まるのも、中企大のよい所」(同)と付け加える。受講者は、飲み会などで同期生の事業に対する熱い思いを聞き、大いに刺激を受けているようだ。「外部との交流で目標が高くなり、それが業績につながっている」(同)という。

橋本本部長自身も、第20期経営管理者研修の卒業生。99年の受講開始時は、関連会社であるジャパンクイックサービスの東京本部長に就いたばかりだった。それまでは総務と現場しか担ったことがなく、「経営、マネジメント、営業などについての知識はほとんどなかった」(同)と振り返る。そして、中企大ではそれらについて学び、「ヒト、モノ、金、時間の配分とマネジメントの仕方が分かるようになった」(同)という。結果、当初赤字経営だったジャパンクイックサービスは黒字に転化し、その後も収益を伸ばしていった。この功績が認められ、現在は丸和運輸機関の人事・教育に関する管理業務を全面的に任されている。さらに、10年6月には40歳の若さで役員に昇格した。

同社は中企大をモデルとした企業内大学『丸和ロジスティクス大学』を設けていることも特徴。在籍年数や役職ごとに分けた複数のコースで専門知識や先端技術などを習得させる独自プログラムを構築している。このプログラムは、原則係長以下の社員が対象。まず自前の大学で現場の実務などについて学ばせ、その後一部の社員を幹部候補生として中企大へ送り出すスキームだ。

企業文化の確立に寄与

和佐見社長が中企大の門戸をたたいたのは82年のこと。当時、会社は本社社屋の新築を決定しており、それに伴う投資について「期間内に借入金を返済できるか不安だった」(和佐見社長)という。中長期での安定した経営が求められることになったわけだが、そのためには社員の質の向上が欠かせないと感じた。そこで、「社員を教育するには、まず自分が学ばなくてはいけない」(同)と中企大での受講を決意した。

1年間通った東京校の経営管理者研修では、営業のノウハウ、経営戦略、商法、賃金体系などを学習。「すぐに実践できる知識ばかりで本当に役に立った」(同)と振り返る。その中で、とりわけ強く植え付けられたのが経営理念の大切さだ。従業員が経営者の考え方をはっきりと理解していなければ企業の発展はないと教えられた。そこで和佐見社長は卒業後、理念や社是、行動指針などを改めて明文化。これを記した『桃太郎カード』を社員に持たせ、経営者の哲学を全社で共有している。

人財力で業界トップへ

和佐見社長は3PL事業について「最適な物流システムを提案して、顧客の経営(利益)を支援するのが我々の仕事」と断言する。つまり、幹部一人ひとりに経営者としての意識を植え付けることが、サービス品質向上につながるというわけだ。そして、その戦略の基幹を成すのが、中企大だと言える。30年近くにわたり毎年経営管理者研修に社員を送り込んでいる会社は、恐らく同社くらいだろう。和佐見社長は「今後10年で卒業生数100人を目標」に、年間受講者数を10人前後へ増やす方針。培ってきた人財力に一層磨きをかけ、自社を3PL業界のトップへと押し上げたい考えだ。

企業データ
株式会社 丸和運輸機関
代表者 代表取締役社長 和佐見勝
所在地 埼玉県吉川市あさひ桃太郎1-1-1
電話 048-991-1000
設立 1973年8月
資本金 10億40万4000円
社員数 本体のみで5071人(パート含む)、グループ全体で7940人(2011年1月現在)
主要事業 サードパーティ・ロジスティクス(3PL)事業、ロジスティクスコンサルティング事業、情報システム開発・コンサルティング事業など

掲載日:2011年6月 6日

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