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中小企業大学校の上手な使い方 成長企業にみる人材育成


支援、研修で企業管理部門を強化

田中化工機工業 株式会社

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工場内の様子。受注内容は造船から陸上機械など多岐にわたる

工場内の様子。受注内容は造船から陸上機械など多岐にわたる

広島市の中心地から北に約25km。広島市佐伯区の山あい、湯来企業団地に立地する三菱重工業、マツダの協力企業の田中化工機工業。ものづくりに強い広島、の一翼を担っている。管理部門の強化を目的に、経営計画づくりから、管理などの企業基本システム構築に中小企業基盤整備機構(中小機構)の支援、中小企業大学校の研修を受けてきた。新年度(4月決算)入りの5月からは戦略的CIO育成支援で作り上げた経理システムの本格的な導入を予定、成果に期待する。

前身は1942年、田中社長の祖父が創設した土木・建築業の田中組。三菱重工業広島造船所(現機械事業部)の埋め立て工事、工場建設に携わって以来、60余年の付き合いがある。重量物の運搬、鋼鉄製の煙突据え付け、船舶艤装などを行ってきた。1974年に現在の田中化工機工業に社名を変更、受注する内容も造船から陸上機械など多岐にわたり「三菱からの出向者、退職者の技術指導を受けた」(田中社長)。1999年に製造業者として飛躍を目指して現在地に移転した。

経営計画を策定

社長就任後、「自分の力に合った規模に」と社員を半分にまで減らした。売上げ計画もなく、営業に走り回っていた。三菱重工の「構内請負」を行うことによって、売上げと社員が大幅に増加してきた。社員の中から「会社の管理は」という疑問があがった。そこで、はたと気づいて中小機構中国の門をたたいた。あまり期待はしていなかったが「驚くほど親身になって話を聞いていただいた」。約2年間、2人のコーディネーターから経営計画策定に熱心な指導を受けた。部門ごとの売上げ目標を部長会議に示すことから始め、経営計画にそった管理が可能になった。

経営計画だけでなく、決裁するにも稟議書を必要としたり、発注方法、経理の帳票など企業としての基本的なシステムの指導も受けた。指導を受ける前は、請求書がきても、経理では請求の中味が何か全く分からない状況だったという。「命を吹き込まれた書類ができるまでに1年かかった」。社員は、ワンマン社長より外部専門家からの指導を素直に受け入れた。

戦略的CIOを

研修を利用してリーダー人材の養成を目指している

研修を利用してリーダー人材の養成を目指している

中小機構中国の戦略的CIO育成支援事業を受けて、IT戦略を構築するにも「まず勘定科目の整理や帳票など基本的な経理システムを整備する必要があった」(田中社長)。ムダの排除や「時間がかかりすぎ」と指摘された決算の日数短縮対応策を受けるなど、何もかも指導・支援を受けなければ前に進めないという状況で、悩みを中小機構に相談。税理士の資格を持つITに詳しいコーディネーターの派遣を要請し「パソコンによるシステム化と経理の指導を同時に受けることができありがたかった」という。戦略CIOの責任者には、大学校で経営管理者研修を受けた経験を持つ田中社長の長男充成氏をあてた。大学校で研修を受けたSWOT分析手法を生かし、自社の強みや弱みなどを充分認識するのに役立てた。チームは総務・経理の社員でパソコンが多少できる者で構成し、ITの人材を一人でも多く育成する狙い。

管理は手作業では限界があり、IT化が必要。市販のソフトを使用していたが、ソフトの機能を十分使いこなすこともできず、コーディネーターの指導でやっと使いこなせるようになった。戦略的CIO育成支援は業務分析と併せソフト選びを始めた。使っているソフトとの互換性も必要で、選定に半年かかった。メーカーの“お試し版”を活用してテストを繰り返してなんとかソフトを自社用に作り上げた。現場事務所で注文書などの書類がきちんとできることも条件なので、事務所のスタッフが応援に行って対応。ソフトの正確性の確認を進めている。まだまだ道半ばだが、5月から現場事務所と経理部門を連動させることで一区切りをつける。

後継者を大学校に

中小企業の事業継承がいろいろ問題になっている。現在の3代目田中社長は父親からは技術習得をたたき込まれ、経営に関しては民間企業の研修、講演に行かされたが「効果はなかった」。経営計画で指導を受けた中小機構の薦めもあり、4代目充成氏は中小企業大学校広島校で経営幹部・後継者を育てる経営管理者研修を受けさせた。SWOT分析のほか、決算書から数字を読み取ることも学んだ。経営の考え方、工場経営などを「しっかりたたき込んでいただき、感謝している」。大学校の特徴になっている研修生同士の交流は、研修終了後も続き、異業種交流にもなっている、というメリットも指摘する。「研修を受けてから、組織としての動きを理解できるようになった」ことや、研修がいろいろな考え方の土台になっていることも、研修の成果と見る。さらに組織全体の意思決定をリードするまでになった、と評価。「大学校の研修を受け成長し、私の若い時よりしっかりしている」。

経営幹部・スタッフの育成も、中小機構中国の薦めで中小企業大学校の研修を活用している。研修内容が希望とピッタリでなくとも、「希望に近いテーマがあると研修に行かせる」。近くに大学校広島校があることはありがたいし、大いに活用すべきと思っている。研修を利用して、グループをまとめリードできるリーダー人材の養成を目指している。

他社に負けないものを持つ

「もともと技術はなかった」(田中社長)会社が、造船から陸上機械、航空機まで多岐にわたる技術力をつけた。製缶や機械加工しかできない、という企業が多いなか、プラスチック部品成形機、自動バレタイジング装置など「設計、製造、据え付け、試運転までをこなせる数少ない企業に成長」した。技術指導について、基礎技術はポリテクセンターも活用しているが、技術力がついたのは三菱重工業の出向者や退職者、マツダの現場での指導に負うところが多い。中小機構や中小企業大学校の支援で、管理部門も強化が進んできた。三菱、マツダに次ぐ“第3の柱”の確立も目指す。さらに田中社長は、社員に世界一を目指そうと呼びかける。技術、あいさつ、工場の清掃など「何でもいいから、他社には絶対負けないものを持とう」とハッパをかけている。

●戦略的CIO育成支援事業とは

中小企業の経営戦略に基づくIT化計画の策定及びその実施に向けて、専門家を3か月〜1年間程度派遣し、経営課題の解決に必要なノウハウ面のアドバイスを行うとともに、アドバイスを通じ、中小企業におけるITの人材育成を行う支援制度。

企業データ
田中化工機工業 株式会社
代表者 代表取締役社長 田中健志
所在地 広島県広島市佐伯区湯来町伏谷137-24
電話 0829-40-5500
設立 1942年(創業)
資本金 5000万円
社員数 278人
主要事業 機械装置、プラント類、自動車関連、環境装置などの製作

掲載日:2011年6月 6日

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