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中小企業大学校の上手な使い方 成長企業にみる人材育成


成長路線支える人材育成策

オタフクソース 株式会社

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ソースの充てんライン

ソースの充てんライン

オタフクソースは1922年に酒やしょうゆの卸・小売業として創業し、38年に醸造酢、50年にソースの製造販売を開始した。メーカーとしてはいずれも後発だが、お好み焼き用のソースで市場を開拓。今ではソース分野で最大手の一角を占める。業務用・家庭用のお好みソースを主力に、お好み焼きの関連材料や各種のたれなど商品の幅を広げ、2008年9月期には初めて売上高200億円の大台を達成した。モノづくりだけでなく、お好み焼き店開業を支援する「お好み焼研修センター」の設置や、社内資格の「お好み焼士」を導入するなど、人材育成についても独自のポリシーを持っている。09年10月には持ち株会社制へ移行し新たな経営ツールを導入して将来への布石を打っている。

84年から大学校を活用

同社が中小企業大学校の利用を始めたのは84年。人事や総務、広報を管掌する白根佳雅常務は、「当社が体系的に人材育成を始めた時代に最初に利用したのが中小企業大学校だった」と振り返る。84年から定期的に人材を送っている。当時はまだ広島校が開設されておらず、関西校や東京校を利用していた。84年9月期の売り上げは約30億円。94年9月期に初めて100億円の大台を突破し、今では200億円企業に成長した。同社の業績の推移をみれば、直接、間接を問わず教育の成果が反映されていることがよく分かる。

まず利用したのが経営後継者コース。同社は同族経営の企業であり、後継者の育成は重要な課題だった。この講座は対象者のほぼ全員が受講したこともあり、続けて経営管理者養成コースにも社員を送り込んだ。さらに工場現場にも目を向け、94年からは工場管理者養成コースにも派遣し、継続的に利用している。もちろん短期の研修なども活用しており、これまでの延べ受講者は670人にのぼる。長期・短期の研修を組み合わせ、バランスをとりながら社内に広げていった。

自身も経営管理者養成コースを受講した一人である白根常務は、最大のメリットは「社内の共通言語が生まれること」と指摘する。例えば損益計算にしても「基本から説明するのは大変だが、共通言語化することで同じ土俵で話ができる。業績に直結するわけではないが非常に助かる」という。さらに戦略的な発想が身に付くこともメリット。白根常務が受講した89年にはまだ売り上げが100億円に達しておらず、最大の目標が“100億超え”だった。受講の過程で「目標を達成するにはどうすればいいのか、という発想ができるようになった。それも財務やマーケティングといった個々のテーマではなく、全体的な視点で見るようになった」という。半面、「共通言語は生まれたが、それを行動に移すことが課題」と思案している。知識の習得にとどまらず、それを実践するには相当なエネルギーが必要。だからこそ「社員には問題意識を持ってほしい」と要望する。全国でも屈指の“ヘビーユーザー”として、大学校を活用してきた企業ならではの悩みもあるようだ。

社員教育には投資を惜しまない企業らしく、社内教育も充実しており、大学校だけでなく民間企業も活用している。主に係長や課長クラスの役職者や登用者を対象にした集合教育を委託。まず課長、係長クラスに限定して開始し、約100人が受講した。続いて昇格予備軍を対象にした研修では、講師紹介など大学校に協力を仰いだ。ただ必ずしも同社の思いと合致しなかったようだ。それは「ローカル“MBA”的な厳しい内容のカリキュラム編成をお願いしたが、消化不良に終った感がある」からだ。そこで「バランスがとれており体系的に学べる」大学校を改めて活用している。そこでいったん中断していた経営管理者養成コースや工場管理者養成コースに再度社員を派遣している。今後も多人数が一堂に集まる社内の集合研修には民間を活用し“すみ分け”を図ることになりそう。大学校のカリキュラムについては「もっとオプションを増やしてもらえば、希望通りの教育体制が構築できる」と期待する。

自由意思だけに委ねずに

一連の社員教育・人材育成策が実を結び、増収基調は確たるものになった。さすがに“リーマンショック”後の不況を受け、10年9月期はわずかながら減収となった。これは同社にとって初の経験だけに、経営陣の危機感はひとしおだった。しかし今期は好調に推移している。

大学校に限らず同社の社員教育は実に手厚い。入社5年まではプログラムにのっとった社員教育が義務付けられており、その後は自由意思でさまざまな教育が受けられる。売り上げの拡大に伴い社員も増えているがすっかり社内に定着した。次のステップとしては、社員の自由意思に委ねるだけでなく、「何らかのインセンティブを付与することも含め、目に見えない形で誘導する」ことだ。

まず簿記3級、日本語検定3級、QC(品質管理)検定4級、販売士2級の資格を「社員全員が身につけてほしい」と思っている。これらは企業人として最低限の知識、との判断からで受験料などの経費は会社が負担する。将来はこれらを昇格の際などの必須条件とすることも考えている。

4半世紀も教育投資を継続できたのは、経営陣の理解によるところが大きい。それでも「かつては“丸投げ”の感があったが、ある時期から目的意識をもって取り組むようになった」という。やはり試行錯誤はあったようだ。こうした積み重ねが同社の成長路線の基盤になっている。

企業データ
オタフクソース 株式会社
代表者 代表取締役社長 佐々木茂喜
所在地 広島県広島市西区商工センター7-4-27
電話 082-277-7111
設立 1922年11月
資本金 1億円
社員数 473人
主要事業 ソース、酢、たれ、その他調味料の開発・製造・販売

掲載日:2011年6月 6日

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