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中小企業大学校の上手な使い方 成長企業にみる人材育成


研修後も人材育成のチャンスあり

重光産業 株式会社

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ラーメンのスープや麺を作る自社工場

ラーメンのスープや麺を作る自社工場

7坪8席しかないラーメン店からスタートした重光産業は、2011年1月末時点で12カ国・地域で682店のラーメン店「味千拉麺(ラーメン)」をチェーン展開している。そのうち国内は地元の熊本県を中心に全国100店、海外はアジアを中心に582店を展開している。海外のうち最も多く出店しているのが521店ある中国だ。

自主性を尊重し、地域限定メニューも

同社は店舗展開に不可欠な人材育成に、共通化と自主性の尊重の両面で取り組み、成果を上げている。経営理念の理解や商品・サービスの品質など、全店で厳守する共通項目以外は現場の意見を尊重している。
 94年、台湾の台北市に出店以来の海外事業は「最初はうまくいかず反省することが多々あった」と重光克昭社長は振り返る。この教訓から人材育成には特に力を入れる。業務マニュアルは単に守らせるのではなく、なぜ守らなければならないかを説明して理解させる。一方で現地で採用した核となる人材に多くの業務を任せるなど、現場優先主義の一面もある。

フランチャイズ展開では指導する対象者はさまざまだ。飲食業や店舗経営が未経験の人もいれば、職人気質の料理人もいる。世界的に見れば民族も異なる人材を指導しなければならない。これまでに店舗展開を進めながら、さまざまな場合に対応した指導ノウハウを蓄積している。
 共通化と自主性の尊重はメニューにも表れている。例えばラーメンのスープや提供温度は全店で共通する一方、国や地域によって異なる食習慣を尊重したり、オリジナルメニューを開発して提供したりすることもある。地域限定のオリジナルメニューが他地域に広がり、国境を越えた人気メニューとなることもある。

修行から教育へ転換

国内では81年、製品開発や人材育成の拠点となる「中華味千本店」(熊本市)を開設してメニュー開発と人材育成を強化した。人材育成は熟練者が現場で指導する昔ながらの修業から教育へと転換した。
 03年には品質管理・監査の国際規格ISO9001の認証を取得した。製品の品質を安定させるのが主な目的だ。当時の重光産業は世代交代が始まろうとしていた時期。品質は保たれていたが個人の技能に負う部分が多かった。認証取得により技術を標準化することで、ベテランの退職や異動、転勤にも対応できるようになった。
 さらに国内店舗を含めて人材育成の標準化も進んだ。大学校以外の研修では民間の自己啓発セミナーを活用している。重光社長は仕事に対する考え方や姿勢などをセミナーで身に付けることと大学校の研修で学ぶ理論の両方があってこそ人材育成だと考えている。

実務と理論のすり合わせ

同社で中小企業大学校の研修を最初に受けたのは重光社長自身だ。91年から92年にかけて直方校(福岡県直方市)で経営管理者養成コースを受けた。当時の重光社長はまだ店舗内の調理場で働いていた。同コースを選んだのは、経営者になることを見越して経営管理の理論や手法を学ぶのが目的だった。
 経営管理者養成コース終了から8カ月後には、関西校(兵庫県福崎町)で経営後継者研修を受けた。研修と研修の間に時間を置くことで、学んだ理論が確実に身に付くことを意識した。重光社長は理論と実践のバランスを重視しており、実務と研修を繰り返すことで「実務と理論のすり合わせができた」と手応えを感じている。

後継者研修では、業種は異なっても財務や人事など経営に共通する問題や後継者特有の悩みを話し合うなど、貴重な交流の機会を持つこともできた。「大企業の下請けをしている製造業者の苦労には驚いた」(重光社長)と刺激的な話を聞くこともできた。また多くの年長者の話を聞いたことや、関西が地元の研修仲間を訪問したことも懐かしむ。
 重光産業は社長が研修を受けて以降、これまでに10人以上を中小企業大学校に派遣している。派遣者は希望する若手の中から選抜する。「若い方が吸収力がある。それに強制的に行かせても、本人にも会社のためにもならない」(同)からだ。ただし希望しても実務経験を数年積ませてから参加させることもある。参加させる時期の判断が重要だという。

重光社長は参加者に研修外の交流の大切さを説明、勧めている。交流では社外から自社がどのように見られているのかを知る良い機会だからだ。そして自信につながることもあれば、改善すべき点に気付かされることもある。
 参加者は工場管理者が多い。同社ではISOの取り組みにも力を入れており、派遣者の多くは工場での改善活動に活躍している。
 同社は近年直営店を増やしている。新商品の投入やイベントなど、本社の意思決定を素早く実行するためだ。重光社長はスピード感のある経営を重視している。

企業データ
重光産業 株式会社
代表者 代表取締役 重光克昭
所在地 熊本県熊本市戸島町920-9
電話 096-389-7111
設立 1972年7月
資本金 6450万円
社員数 約90人
主要事業 食品製造、ラーメン店のチェーン展開

掲載日:2011年6月 6日

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