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HOME > 経営をよくする > 中小企業大学校の上手な使い方 成長企業にみる人材育成

中小企業大学校の上手な使い方 成長企業にみる人材育成


株式会社 三ツ矢

管理職の経営感度が格段にアップ

株式会社 三ツ矢
小澤茂男常務

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生産管理手法を導入し黒字転換した米沢工場

生産管理手法を導入し黒字転換した米沢工場

JR山手線の五反田駅から歩いて約10分。そんな都会に国内有数のめっき技術を持つ企業がある。電気めっきや無電解めっき、真空めっきなどの多彩な手法を用いて、電子部品・半導体、精密機械部品、光学部品、自動車部品をはじめ、あらゆる産業分野の表面処理ニーズに対応する。

なかでも集光反射効率99.8%以上の高反射特殊金めっき技術は、米スペースシャトルの実験装置にも採用されたほか、自動車エンジン用のセンサー部品めっきでは、世界シェア4割を持つという。「困ったときには三ツ矢に持っていけ」というのが、業界の合言葉。表面特性に関する顧客のさまざまな要求に、独自の研究開発力で応える同社は、日本の最先端産業になくてはならない存在でもある。

受講は工場長必須の条件

現場の社員は10年で一人前になるという

現場の社員は10年で一人前になるという

技術は人に宿る。しかし職人的な技術だけでは、企業としての成長は難しい。同社の飛躍の原動力は、職制に応じた一人ひとりの能力開発と底上げにある。「新社長のリーダーシップによるところが大きい。4年前に社長に就任して以来、人材育成に対して揺るぎない信念を持っている。だから社員も成長する」。と語るのは、同社の古参幹部である小澤茂男常務。「当社の経営資源は人材。どんなに不景気であろうと、人材育成の手綱を緩めることはない」という。

きっかけは、草間社長が米沢工場を任された常務時代に遡る。当時、赤字続きだった米沢工場で、製造責任者を中小企業大学校の工場管理者養成コースに通わせた。経験や勘に頼る従来のやり方から、受講したマネジメントノウハウに基づく効率生産が芽吹き始めた。さらに経営管理者養成コースにも通わせた。会社収益を見据えた行動と能力が身に付いた。やがて米沢工場は黒字体質に転換することになる。

その後、社長に就任した草間社長は当然の結果として、人材教育に力を入れる姿勢を一段と明確にする。例えば工場長。現在、国内に4つの工場を構えるが、小澤常務は「中小企業大学校を受講しなければ幹部にはなれない。特に工場長になる社員にとって受講は必須の条件」と説明する。さらに工場長は、主任クラスから毎年受講者を選定し、広く経営管理能力を磨かせている。この結果「今では主任でもキャッシュフローの考え方や予算の立て方を知っている。管理職の経営に対する感度は格段に高まっている」(同)という。中小企業大学校のほか、おもに職能訓練と製造技術のスキルアップを目的に、めっき組合が主催する週2回のめっき学校や外部講師の派遣も活用する。初級から上級まで、3段階の社内資格制度を設けて、管理職への道筋を用意している。

向上させた人間力で顧客と向き合う

草間新社長就任以来、業績は着実に拡大基調を遂げてきた。08年6月期は、売上高50億円を突破し、めっき専業で国内有数の売上規模を持つ企業に成長、取引拡大と高い問題解決能力を背景に三ツ矢の存在は、産業界に知れ渡った。しかし、昨年来の急激な景気後退で受注は大幅に減少。09年6月期の売上高は34億円まで落ち込んだ。それでも「人員リストラの話は出てこない。なぜなら社員一人を教育するのに、相当の時間とおカネを掛けている。特に現場は10年経験してはじめて一人前になる。そんな簡単に社員をやめさせるわけにはいかない」(小澤常務)。社内資格の上級者対象技術者教育では、大学院生並みの教育を実施している。同社にとって、教育に心血を注いだ社員は、まさにかけがえのない財産といえる。

教育に力を入れる理由は何なのか。「さまざまな難しい注文が入ってくる。当然、めっきの対象となる金属や新たな材料の知識も必要になる。どこででもできるようなめっきではなく、未知なるものへ挑戦しないと道は開けない。受講は、そうした挑戦に立ち向かっていける自己改革のきっかけでもある」(小澤常務)。

同時に、机を並べる同年代だけではなく、年齢や環境の違いを超えて幅広い年代の受講生とともに自己研鑽に励む意義は大きい。自らの至らなさを知り、大きな刺激を受けて人間力の向上につながるからだ。さらに受講者は、将来会社を担っていくための幅広い知識・理論を、仕事を抜けて受講する。当然、自分の仕事を誰かが替わってやってくれていることへの感謝の気持ちが湧き上がる。だから学んだ事を活かしながら、顧客満足度の高い行動をとれるようになるといえる。

厳しい環境にありながら、4月、三ツ矢は新卒社員17人を迎え入れる。同社の人材に掛ける思いは、今年も変わらない。

企業データ
株式会社 三ツ矢
代表者 代表取締役 草間誠一郎
所在地 東京都品川区西五反田3-8-11
電話 03-3492-7197
設立 1959年2月
資本金 1500万円
社員数 290人
主要事業 めっき加工業
企業ワンポイント
受講をきっかけに工場の収益が改善。以来、全社的に大学校の活用に動いた。受講経験は幹部登用の重要な要件になりつつある。
景気低迷による減収に見舞われても、人材育成投資は減らさない。

掲載日:2010年3月12日

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