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中小企業大学校の上手な使い方 成長企業にみる人材育成


向島ドック 株式会社

人材育成で変革をもたらす

向島ドック 株式会社
杉原毅社長

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年間400隻以上を手掛ける国内有数の修繕ドック

年間400隻以上を手掛ける国内有数の修繕ドック

向島ドックは船舶修理をメーンに手がけている。直す船は年間400隻以上。1929年に創業した国内有数の修繕ドックだ。造船業界の不況が深刻化した80年代後半には船で培った技術を水平展開し、環境関連装置の製造・販売に乗り出すなど敏感に市場環境に対応してきた。

現在は売上高の90%以上を船舶修理事業、残り10%をマリーナ事業と環境関連事業で構成している。

競争力は信頼

小型内航船が更新期に入るのを機に新事業に挑む

小型内航船が更新期に入るのを機に新事業に挑む

「仕事を生活の糧としかとらえない社員は必要ない」と、杉原毅社長は言い切る。同社の社是は「信頼」。価格競争ではなく、顧客との関係を最も重視し、これをどう育てるかに軸足を置く。「適正な見積もりを作りユーザーの要望に迅速に対応すれば、リピートがある」(同)。

会社における社員の"やりがい"や"生きがい"は顧客との良好な関係を築く"質の高い仕事"につながる。「会社は社員に意欲を与える環境でなければならない」と杉原社長。ビジョンを共有できる会社にするため人材育成に力を入れる。

若手に中小企業大学校の研修を受けさせるのもこの一貫だ。同社は96年から毎年1、2人のペースで中小企業大学校に社員を送ってきた。受講コースは工場管理者養成。当初は管理職クラスを対象に研修に向かわせていたが、昨今は入社3〜5年の社員を送っている。

「半年間で管理者の基礎をすべて学べるプログラムはほかにない」(同)。受講者が抜ける期間は仕事を所属グループでフォローする。このため、受講する社員も授業に自然と身が入る。すぐに成果は見えなくても「工場管理」を学ぶことによって「いつかは自分も工場管理者になる」という意気込みを喚起できる。知識だけでなく、他業種と交流できるのもプラスという。

考える力をつける

同社は「3年で一丁前計画」と名付けた新入社員の育成プログラムを実施しているほか、スーパー職人の育成など実地訓練(OJT)を含む新たな教育体系の策定を進めている。評価制度も画一的な成果主義ではなく、会社の欲しい人物像をリストアップして能力や行動を結びつける仕組みに改めた。社員が自ら考える環境を作る狙いだ。

「向島ドックの歴史が邪魔する部分もある」、杉原社長には変革のリーダーとしてやってきたという自負がある。33歳で社長に就任した18年前、幹部は皆、年上だった。当たり前だと思っていることを払拭する困難さは理解している。「若いうちに学んできた中堅社員は今のやり方にも疑問を持っている」。こうした中から変革の機運が盛り上がることに期待する。

09年、向島ドックは新連携事業の認定を受けた。電気推進船の自主建造と船団の確保、そして船を貸し渡す内航海運サービスをスタートする。今後、小型内航船が更新期に入るのを控え、船の保守・点検だけでなく船そのものと、このオペレーションまでパッケージにして提供する計画だ。

修理業の同社が船を持つことで従来の故障個所を探す修理から予防保全にシフトできる。さらに電気推進船の導入によって環境負荷の低減も実現できる。「内航海運業の7割が1杯船主。経営環境も厳しく、業界を底上げしなければならない。安定航行供給業を目指す」(同)。現在、9月完成を目指して中国・青島でモデルとなる1杯目の船建造が進んでいる。

企業データ
向島ドック 株式会社
代表者 代表取締役 杉原毅
所在地 広島県尾道市向島町864-1
電話 0848-44-0001
設立 1929年4月(創業)
資本金 9000万円
社員数 166人
主要事業 船舶の製造・修繕等
企業ワンポイント
ビジョンを共有できる企業を目指し人材育成に取り組む。入社3〜5年の社員も受講、変革の機運を盛り上げて、船舶の修理業から予防保全サービスへの進出図る。

掲載日:2010年3月12日

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