本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

スタートアップガイド

J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト

  • J-Net21とは
  • スタートアップガイド
中小機構
  • メルマガ登録
  • RSS一覧
  • お問い合わせ

HOME > 経営をよくする > 中小企業大学校の上手な使い方 成長企業にみる人材育成

中小企業大学校の上手な使い方 成長企業にみる人材育成


倉敷ボーリング機工 株式会社

製紙機械を長寿命にする溶射皮膜技術で成長

倉敷ボーリング機工 株式会社
田尻さや香常務

画像をクリックすると拡大表示します
溶射皮膜技術の開発が成長の原動力

溶射皮膜技術の開発が成長の原動力

昔ながらの町並みを保存した美観地区などに観光客を多く集める岡山県倉敷市は、南部の瀬戸内海沿岸に大規模な石油化学や鉄鋼、自動車などの工場が集積する全国有数のコンビナート、水島臨海工業地帯を持つ産業都市でもある。倉敷ボーリング機工はコンビナート近隣に本社を構える。コンビナート企業のプラント保全修理を主業務として設立。1963年には溶融した金属やプラスチックなどを基材表面に吹き付けて皮膜を形成し、耐久性や耐食性を高める溶射技術を導入。表面処理メーカーとして歩み始めた。

社員急増で問われた現場管理者のレベルアップ

セラミック溶射皮膜(KX ROCK)を施した鉄製ロール表面

セラミック溶射皮膜(KX ROCK)を施した鉄製ロール表面

97年、飛躍のきっかけとなる独自の溶射皮膜技術の開発にこぎつけた。それは鉄製ロール表面にセラミック溶射皮膜(KX ROCK)を形成する技術。この処理をした製紙機械用ロールが製紙会社で多く使われている。製紙機械用プレスロールには、高い耐摩耗性や耐食性、紙離れの良さなどが求められる。これに最適の素材として天然花こう岩が利用されてきたが、資源の枯渇やメンテナンスに時間とコストがかさむなどの悩みもあった。

この天然花こう岩ロールの代替品として同様の性能を持つ「KX ROCK」鉄製ロールが製紙業界から注目を浴びた。ロールの寿命は約10年と従来品に比べ大きく伸び、メンテナンスも5年間不要とコスト削減に役立つため製紙会社は鉄製ロールへ転換を進めた。既に累計納入実績は約200本、国内シェアはほぼ100%という。同社は受注増に対応し急ピッチで量産体制を整備した。その結果、この10年で社員数は75人と1.5倍に増えたが、製品の品質を保つため各部門の工場管理者をレベルアップすることが急務だった。

自信を持って帰ってくる

同社は解決策に中小企業大学校の受講を選択した。同校の評判を聞いていた田尻登志朗社長が決断した。03年、中小企業大学校広島校の「工場管理者養成コース」に現在の製造部長を送り出した。これが「大変良かった」と田尻さや香常務は言う。以来、同コースへ04年、09年、そして2010年と各1人受講者を派遣したほか「営業管理者養成コース」や「リーダーシップとコミュニケーション」なども受講している。

受講者は「一様に自信を持って帰ってくる」(田尻常務)。人を動かす力、説得力が身に付き、指導力の優れた人材に成長。現場管理力の向上が実感できた。これは同校の系統的な管理者教育のおかげと田尻常務は考えている。詰め込み型講義ではなく受講者は毎回宿題を持ち帰ることで、物事をそしゃくしながら先に進めると評価している。他社の受講者と悩みを話し合えるのも貴重な経験という。経営面でも他社との競争力をつけるためのコストや工程管理、人員配置のノウハウが学べたようだ。もともと同社は品質には自信をもっていたが、利益を上げる方法を学べたことが成長の手助けとなった。

今後同社は、新しい皮膜技術を成長が見込まれる太陽光発電や航空機、高機能フィルムの分野に提供する構想だ。また既存顧客には機能性皮膜を提供するなど、提案営業に力を入れる。そのため研究開発部門にも人員を割いている。ただ、新しい表面処理技術を開発するだけでなく、安定的に適正なコストでの生産が不可欠。成長のための人材育成はこれまで以上に重要になっている。

企業データ
倉敷ボーリング機工 株式会社
代表者 代表取締役 田尻登志朗
所在地 岡山県倉敷市松江2-4-20
電話 086-456-3877
設立 1957年11月
資本金 3000万円
社員数 75人
主要事業 溶射加工品、精密機械加工品の開発・製造、回転機の整備
企業ワンポイント
新技術開発で業容が拡大し、10年間で人員が1.5倍に増加。品質保持に向け管理者のレベルアップが急務となったが、受講を通じてコスト管理、工程管理能力が向上した。

掲載日:2010年3月12日

前の記事次の記事


このページの先頭へ