ここが知りたいREACH規則

ここが知りたいREACH規則

EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介

Q
2019年1月25日更新
Q.531 2018年6月に告示されたREACH規則のCLSに鉛があります。2018年5月18日告示されたRoHS(II)指令の附属書IIIで鋼、アルミ、銅中の鉛の除外が認められています。真鍮(銅合金:鉛4%未満)を使った電気・電子機器の部品は、REACH規則第33条の情報提供義務はあるのでしょうか。

2018年6月にREACH規則の第19次の認可対象候補リスト物質(CLS)1)として10物質が追加され、その中に鉛も含まれています。
 REACH規則33条では、「成形品中に認可対象候補物質を重量比0.1%を超える濃度で含有する場合には、当該物質名を含む成形品の安全な使用に関する情報を伝達する法的な義務がある」と規定しています。

一方、RoHS指令では、2018年5月に附属書IIIの適用除外用途を改正する委員会委任指令(COMMISSION DELEGATED DIRECTIVE)が官報公示され、銅合金中の重量比4%までの鉛(6(c))の適用除外が認められています。

ご質問の電気・電子機器部品の銅合金中の重量比4%未満の鉛の情報提供義務についてですが、RoHS指令の対象となっている電気・電子機器部品は、REACH規則では成形品の扱いとなります。成形品の場合には、REACH規則33条に基づき、鉛を0.1wt%以上含有する成形品を輸入、もしくは製造する事業者は、川下ユーザーや消費者に対する情報提供義務があります。したがって、RoHS指令で適用除外となっている銅合金中の重量比4%までの鉛についても情報伝達の義務が発生します。

REACH規則では、成形品の情報提供のための様式は特定されていません。「成形品に含まれる物質に関する要求事項 についてのガイダンス」2)では、「最低限の情報としてCLSの名称は提供しなければならない」としていますが、「サプライチェーンを通して標準的な様式(例えば質問状)で情報を要求することができ、どのような情報が必要で何が必要ではないかを特定することができる」としています。伝達のための情報提供様式の例として、物質名、CAS番号、分類およびCLSの特性、成形品中の濃度、安全な取扱いに関する情報があげられています。

鉛の認可対象物質候補物質リストへの特定に対するパブリックコメントへの回答集3)では、今回のご質問であるRoHS指令で適用除外とされている真鍮(銅合金:鉛4%未満)を使った電気・電子機器の部品に関してのコメントが多数寄せられています。コメントに対して、候補リストに含まれた後にどのようなリスク管理が必要かが考慮される、と回答されています。

1)https://echa.europa.eu/-/ten-new-substances-added-to-the-candidate-list
2)https://echa.europa.eu/documents/10162/23036412/articles_en.pdf/cc2e3f93-8391-4944-88e4-efed5fb5112c
3)https://echa.europa.eu/candidate-list-table/-/dislist/details/0b0236e182607ea6
→ページ内の「svhc_rcom_lead_metal_pub_en.zip」をダウンロード

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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