ここが知りたいREACH規則

ここが知りたいREACH規則

EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介

Q
2018年5月18日更新
Q.519 購入部品の「禁止物質および制限物質の不使用保証書」で、REACH規則附属書XVIIで制限されているジブチルスズ化合物の含有がある、との回答がありました。部品は、基材は塗装され、この塗膜にスズが元素量で1,568ppm(0.157%)含有しています。附属書XVIIの制限に該当しますでしょうか?

ご質問のジブチルスズ化合物の制限はREACH規則 附属書XVIIエントリー#20の(5)1)で、以下のように規定されています。

【REACH規則附属書 XVII#20】
 (5)Dibutyltin(DBT)compounds
 (a)2012年1月1日以降、混合物、成形品またはその一部にスズ元素で重量比0.1%以上含有させて、一般消費者に供給する混合物または成形品中にジブチルスズ化合物(DBT)を使用してはならない。
 (b)その日以前にすでに、共同体において使用されていた成形品を除き、5(a)に準拠しない成形品および混合物は上市してはならない。
 (c)特例として、上記5(a)と5(b)は、一般消費者に供給される以下の成形品および混合物には2015年1月1日まで適用されない。
 ―(部分省略)
 ―成形品に使用される触媒としてのDBTを含有する塗料とコーティング材。(以下省略)

1.製品が一般消費者向けでない場合

制限は一般消費者向けの混合物、成形品に適用されますので、制限の対象ではありません。

2.製品が一般消費者向けの場合

上記(c)は現在では制限の対象となります。ご質問の部品が、(c)の範疇と解釈もできます。この場合は、塗膜にスズが0.157%含有するとのことですので、制限の対象になることになります。
 ただ、コーティングされた成形品の扱いについては「Guidanace on requiremenet in articles version 4.0」2)が参考になります。このガイダンスには、CL物質(これまではSVHCと呼ばれていました)を含有するコーティング材で塗装された成形品のCL物質の含有率の算出は、基材とコーティング材合計重量を分母とし、コーティング材中のCL物質の重量を分子として算出するとしています。この考えが適用できる場合、スズ含有率が0.1%未満であれば、制限の対象にはなりません。
 上記(c)が適用されるか、あるいは、ガイダンスの考えが適用できるかを判断するのに必要な情報を入手できていません。供給先、輸出先などに確認をしてください。

1)REAH規則 附属書XVII
2)成形品に含まれる物質に関するガイダンス

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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