ここが知りたいREACH規則

ここが知りたいREACH規則

EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介

Q
2018年1月19日更新
Q.514 REACH規則のSVHCの含有量の計算方法について教えてください。3種類のSVHCを含有している場合の濃度計算はどのようにしたらいいでのしょうか? また、3種類のSVHCのうち1種類の濃度が0.1wt%を超えている場合の対処方法を教えてください。

成形品のREACH対応ついては、欧州化学品庁(ECHA)がリリースする「成形品中の物質に関するガイダンス」が最も重要な情報源となります。「成形品中の物質に関するガイダンス」は2017年6月に改訂された第4版1)が現状の最新版となります。

届出の要求条件について規定しているREACH規則第7条2項では、以下の様に規定しています。
 原文:
 Article 7
 2. Any producer or importer of articles shall notify the Agency, in accordance with paragraph 4 of this Article, if a substance meets the criteria in Article 57 and is identified in accordance with Article 59(1),if both the following conditions are met:

  • (a)the substance is present in those articles in quantities totalling over one tonne per producer or importer per year;
  • (b)the substance is present in those articles above a concentration of 0,1% weight by weight(w/w).

「環境省訳:第7条2項:成形品の生産者又は輸入者はいずれも、以下の二つの条件が満たされる場合であって、物質が第57条の基準を満たし、かつ第59条(1)に従って特定される時(回答者注:ご質問のSVHCは認可対象候補物質リストに収載されている物質です。本回答では、これらの認可対象候補物質をCL物質と表記します)は、本条の第4項に従って化学物質庁に届け出なければならない。

  • (a)物質が成形品の中に生産者又は輸入者当たりで合計して年間1トンを超える量であること
  • (b)物質が成形品の中に0.1wt%を超える濃度で存在すること」

上記の原文の条文の通り、CL物質は単数で規定されていますので、成形品にCL物質を複数種類含有されていても、CL物質ごとに重量比を判断することになります。

濃度算出に関しては、複数部品から構成される成形品では、成形品全体で考えるのではなく、成形品を構成する部品毎にその重量%を算出します2)

また、REACH規則のガイダンス文書「成形品に含まれる物質に関するガイダンス」の「4.5.異なった成形品に含まれるCL物質の総量決定」によれば、
「製造者又は輸入者が複数の成形品を取り扱う場合、CL物質の濃度が0.1wt%より高い全ての成形品に含まれる当該CL物質の量を合計しなければならない」とされています。
つまり貴社が取り扱う成形品が複数ある場合で、それらに含まれるCL物質の総量が1t以上の場合に、届け出の義務が発生することになります。

以上を整理しますと、ご質問の成形品が複数種類のCL物質を含有する場合には、それらの物質の合計が0.1wt%以上であっても、個々の物質が0.1wt%未満であれば届出の義務は生じません。

しかし、成形品を構成する個々の部品にCL物質を0.1wt%以上で含む場合、CL物質の合計量が年間1トンを超える場合には、そのCL物質に関しての届け出が必要になります。

1)成形品中の物質に関するガイダンス(第4版)
2)2015年9月25日付コラム:成形品中のSVHC濃度判定時の分母に関する欧州司法裁判所の先決裁定

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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