ここが知りたいREACH規則

ここが知りたいREACH規則

EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介

Q
2016年3月25日更新
Q.469 EUにプリンター用トナーカートリッジのリサイクル業向けの詰替用トナー(粉体)を輸出する場合、粉体は混合物として扱えばいいのでしょうか?またその場合、粉体の構成成分ごとに登録が必要でしょうか?

トナーが充填されたトナーカートリッジは、REACH規則の成形品には該当しません。カートリッジと言われる専用の容器は成形品ですが、その容器に入ったトナー(粉末)は、プラスチック粒子(レジン)、黒鉛・顔料などの混合物になります。すなわちトナーカートリッジは成形品である容器 (カートリッジ) と粉末成分 (トナー) である混合物に分けられます。

1.混合物の登録

カートリッジに充てんする詰め替え用のトナー(粉体)のみを、ビニール袋やカートン梱包などにより輸出するときは、粉体(混合物)の構成成分である個々の物質を、その含まれる物質量により登録する義務が発生します。すなわち、混合物の構成成分である物質が、輸入業者あたり年間1トン以上の場合はその物質の登録が必要です。1トン未満の場合は登録の義務はありません。

なお、当該物質がサプライチェーンの川上企業によって、貴社の用途で登録されていれば登録の必要はありません。しかし、サプライチェーンの川上企業で登録されていない場合は、EUの輸入者もしくは貴社が唯一の代理人を指名していれば、当該代理人による登録が必要になります。

2.登録以外の義務

(1)情報伝達義務
輸出するトナーが、一定の危険有害性の基準に該当する場合、REACH規則第31条1項により安全データシート(SDS)を、出荷時までに書面または電子データにて川下企業に提供する義務があります。

(2)分類と届出の義務
CLP規則では、対象物質が以下に該当すれば、製造者または輸入者による分類・表示の届出義務があります。

  • REACH登録の対象となる物質
  • CLP規則に基づき危険有害性として分類される物質
  • CLP規則に規定された混合物の危険性分類基準の濃度範囲を超えて混合物中に含まれる物質

ただし、登録の一部として提出されている場合や、分類・表示の届出が行なわれている場合には届出の必要ありません。

CLP規則での届出義務はEU域内の製造者・輸入者(唯一の代理人含む)にありますので、輸出時に情報提供を要望される可能性があります。トナーの構成成分(顔料など)として、SVHCを0.1wt%以上含有する場合には分類・表示の届出が必要になります。

情報伝達の義務および分類と届出の義務については、Q240Q468に詳しく解説されていますのでご参照ください。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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