ここが知りたいREACH規則

ここが知りたいREACH規則

EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介

Q
2015年9月11日更新
Q.458 GHSの分類上「発がん性の疑いあり」とした製品をEUへ輸出する場合、CLP規則へはどのように対応すればいいのでしょうか?

EUへ化学品を輸出に当たっては、CLP規則だけでなく、REACH規則への対応も必要です。それぞれの規則に分けて説明します。

【CLP規則への対応】

1.分類
 ご質問の製品は、「発がん性の疑いあり」とのことですが、他の危険有害性の有無を確認する必要があります。

(1)本製品が物質のみの場合
 CLP規則の附属書VIの表3.1に収載された物質の分類は、EU域内で「調和された分類」です。本物質がこの表に収載されている場合は、調和された分類を必ず採用する必要があります(CLP規則第4条3)。

本製品が表3.1に掲載されていない場合、物質の特性情報からCLP規則の判定基準に沿って危険有害性の分類を行う必要がります。

(2)本製品が混合物である場合
 混合物の試験データがあれば、そのデータを使用して分類を行います。試験データがなければ、物理化学性以外の健康及び環境有害性については、製品中の成分の有害性の分類情報からのCLP規則分類方法を用いて混合物の分類をします。

2.分類と表示の届出(CLP規則第39、40条)
(1)本製品が物質である場合
 物質を販売するEU域内の輸入者が、上市後1カ月以内に、以下の情報を欧州化学品庁に届出する必要があります。

  • 販売責任を有する届出者の情報
  • REACH規則附属書VIのセクション2.1-2.3.4に規定する物質の特定情報
  • 物質の分類
  • 物質が危険有害性クラスまたは区別の全部でなく一部について分類されている場合、その原因がデータ欠如か、非決定的なデータか、決定的であるが分類には不十分なデータかの記述
  • 特定される濃度限界値または適用可能な場合のMファクター
  • ラベル表示要素、補足的危険有害性情報

(2)本製品が混合物の場合
 CLP規則において分類される濃度限界値を超える濃度で上市される混合物において、ご質問の「発がん性の疑いあり」の物質を含め、混合物に対して危険有害性に寄与するすべての物質について、上述「分類と表示の届出(CLP規則第39、40条)」の(1)の届出を行う必要があります。

なお、本製品情報を企業秘密にしたい場合は、唯一の代理人(OR)にあらかじめ輸出して、届出することができます。

3.ラベル表示(CLP規則第17条)
 本製品を直接入れる包装材には、以下の内容を記載したラベル表示しなければなりません。ラベル表示は、本製品が販売される加盟国の公用語で書かれなければなりません。

(1)供給者の名称、住所および電話番号
(2)包装に入れられ、一般公衆に提供される本製品の名目数量
(3)製品特定名
 物質の場合は、化学品名およびCAS番号等の特定番号
 混合物の場合は、商品名および混合物の危険有害性に関係した物質名称(最大4物質まで)
(4)危険有害性の絵表示
 製品の危険有害性分類に関連する絵表示
(5)注意喚起語
 製品の危険有害背の分類に従い「危険」か「警告」のいずれかの注意喚起語。
 例えば、製品の分類が「発がん性の疑いあり」のみの場合は、発がん性の区分2に分類され、「警告」を記載。
(6)危険有害性情報
 製品の危険有害性に対応する危険有害性の注意書き。
(7)予防の注意書き
 危険有害性に対応する安全対策、応急措置、保管、廃棄に関する注意書き。
(8)補足情報セクション
 上記のラベル表示情報と矛盾しない限り、本製品が物理化学的特性または健康に関する特性を持つ場合、CLP規則で定められている補足の注意書き。

【REACH規則への対応】

本製品は、少なくとも「発がん性の疑いあり」の危険有害性として分類されていますので、安全性データシート(SDS)を提供する必要があります。
 なお、本製品が物質そのもの、あるいは混合物の場合は、その成分物質について年1トン以上の場合には、登録の義務がありますのでご注意ください。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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