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HOME > 経営をよくする > ここが知りたいREACH規則

ここが知りたい REACH規則

Q&A

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Q.435
顧客よりJAMP管理物質対象物質のすべてを調査・報告するよう強く求められますが、実際に中小企業の体力でそこまで調べられるものでしょうか?

A.435

JAMPではさまざまな解説資料中で、製品含有化学物質の全成分情報が得られない場合を想定して解説を行っています。

まず、「JAMP サプライチェーン(SC)・パートナーシップ 基本指針」の(1)ツールの使用の基準において、「部品、調剤(混合物:回答者注)、原材料の含有物質に関する情報のうち、必要なもののみの収集に使用する。(合理的な理由が無いにもかかわらず、過剰な分析データを要求しない)」との記述があります。

次に、「JAMP AIS MSDSplus 解説書(第3版)」の5.2.4情報開示の範囲において、「JAMPでは『意図して添加している』または『なんらかの方法で含有が既知』という情報がある場合について情報提供をお願いするものであり、不明成分の解明等を詳細に行い、すべてを明らかにする事を強制するものではありません」と記載されています。

他にも、「化学物質情報伝達におけるJAMP AIS・MSDSplusの活用(第2版)」においても同様の記述があります。その資料概要には、「AISを作成、発行する立場の皆さんが、無用な情報交換を発生させずAISやMSDSplusを用いてサプライチェーンの上流側より効果的に収集するためのアイディアや考え方を解説しました」とあります。

上記を踏まえて、顧客に対して自社の仕組みを説明し、やることをちゃんとやっている(デューデリジェンス)という理解を得るために必要な対応について考えてみます。

  • (1)サプライチェーンの上流より伝達された化学物質・混合物の情報および成形品の情報に基づき、AIS/MSDSplus情報を自社の中で蓄積します。入手したMSDSplusのフォーマット上の不備が見つかり、物質・混合物製造者の知見に不安を感じたような場合は、サプライヤーにきちんとしたMSDSplusの提供を求めます。このような仕組みが社内の管理基準等で整備されていれば、やるべきことをやっているということを顧客に訴求できると考えます。
  • (2)自社の製造工程における製造情報を考慮して、必要に応じ情報の追加や複合化を行って自社製品のAISを作成します。AIS入力支援ツールの「AIS複合化」機能を用いる場合は、単に構成要素のAISをそろえるだけではなく、必ず構成部品表(一般にBOM「ボム」と呼ばれたりします)を用意します。この手順を踏むことで、複雑さを考慮したAISの信頼度向上につながります。
  • (3)製品を構成する物質のうち、管理対象物質が含有されているという情報がない(得られない)場合は「無」と記載します。
  • (4)下流側に伝達しますが、以下に記すように「ベストエフォート」で作成したAISである旨をきちんと伝えるようにします。

これらの対応方法が許容される前提として、例えばAIS等について言えば、作成したAISは合理的な最大限の努力にもとづいて調査した結果に自社の持つ知見を加えて作成したものである必要があります。これが「ベストエフォート」という考え方にもとづくものです。

参考までにJAMP AIS MSDSplus解説書(第3版)5.4.1 AIS作成の基本原則 基本原則5【IN情報開示の判断基準】の解説を以下に示します。

「…すなわちJAMPにおけるAISは、JAMP管理化学物質の非含有を保証するものではなく、自社のベストエフォートで知り得た管理物質情報を下流に伝達することを意図しているものであること」

上記の対応に対する川下企業の反応は、川下企業の意向や貴社と川下企業との平素の関係性、貴社の情報収集の対応状況などに左右されることが予想されますが、顧客企業の納得を得るためにも、サプライチェーンを構成する川上、川下企業と平素から良好な関係を築き、円滑な情報伝達ができる体制を構築することが重要と考えます。

最後に、国内の化学物質に関する情報伝達スキーム(案、体系)の現状について補足しておきます。

日本国内にある化学物質の主な情報伝達スキームは、電気・電子分野の「JAMP」と旧「JGPSSI」、自動車分野の「IMDS」の3つあります。しかしその割合は合計で全体の4割で、約6割以上が、各社ごとの独自様式等となっています。

また大手企業などでは、事業部でスキームが異なるケースも多く見られます。そのため川中の企業は、膨大な数の様式に対応しなければならず、負荷が過大になる傾向にあります1)

また、対象物質も各社で異なり、川中のサプライヤーは調査に多大な労力を費やしています。

このような状況もあり、2014年3月に経済産業省では化学物質規制へのあるべき姿を検討し「製品含有化学物質の情報伝達スキームの在り方」を検討し、「取りまとめ」を公開しています2)

ムリやムダのない情報伝達は、取引関係のある企業間だけでは限界があり、日本全体、あるいはアジアなどに存在する調達先を含めた国際標準化し、使用の強制あるいはデファクト化が必要となります。

経済産業省が進めている情報伝達スキームは「伝達様式」「対象物質」の国際標準化を狙っています。運用開始は2018年4月となっていますが、徐々にサプライチェーン全体で効率的な情報伝達が実現することが期待できます。

1)http://www.meti.go.jp/publication/data/newmeti_j/meti_14_06_07/book59/book.pdf
2)http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/seisan/kisei/pdf/report02_01_02.pdf

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。


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