ここが知りたいREACH規則

ここが知りたいREACH規則

EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介

Q
2014年8月8日更新
Q.434 REACH規則の附属書XVIIで規制されるニッケルの放出率0.5μg/cm2/週はどういう意味なのでしょうか?また、その閾値以下である証明(測定方法など)はどのようにすればよいのでしょうか?

REACH規則の附属書XVIIでは、ニッケルに関する制限はエントリー#27で以下のように規定されています。

1.ニッケルは下記の用途に使用してはならない。

  • ニッケルの放出率が0.2μg/cm2/週未満(移行限界値)でない限り、ピアス穴を開けた耳およびその他の人体のピアスに挿入される全てのポストアセンブリー
  • 直接かつ長時間にわたり皮膚と接触する成形品からのニッケルの放出率が0.5μg/c㎡/週を超える下記の成形品
      ・イアリング
      ・ネックレス、ブレスレット、チェーン、アンクレット、指輪
      ・腕時計(本体、バンド、留具)
      ・リベット(ボタン、留具、ジッパー)、その他洋服で利用される金属製 のもの
  • 上記 (b)に掲げた成形品が非ニッケル被膜で覆われており、少なくとも2年間の日常の使用で、ニッケルの放出率0.5μg/cm2/週を越える成形品

2.上記1の対象である成形品は、それらが上記1の要求に適合しない限り上市してはならない。

3.上記1および2の適合を実証するための試験方法は、欧州標準化委員会(CEN)で採択された規格を用いなければならない。

ご質問の「ニッケルの放出率が0.5μg/cm2/週を超えない」とは、上記1-bで規定されているもので、上記3の規定の規格で測定するニッケルの放出率が、週あたりに1平方センチメートル当たり0.5マイクログラム以下でなければ、列挙されている成形品は上市してはならない、というものです。

上記3の欧州標準化委員会(CEN)で採択された規格としてEN1811が採択されています。
 EN1811では、試験試料を人工汗に1週間浸漬したときに溶出するニッケル量について、その分析方法や移行限度値等を規定しています。
 具体的には、対象物を洗浄液で洗浄して人工汗の溶出溶液に1週間浸漬し、溶出液を回収してICP発光分析法などで測定する、というものです。
 浸漬条件は、1ml/cm2で温度が30±2℃、浸漬時間は168±2時間で撹拌しない、となっています。
 また、EN1811では原則「試行回数=2」と規定されており、同じ検体に対して2回(対象物は2個必要)の試験を行うことになっています。

EN1811準拠のニッケル放出量の分析は、国内の公立の試験所などで実施されています。

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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